嶋津隆文オフィシャルブログ

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「マニフェスト」という言葉を死語にした政権

2010年05月13日 | Weblog

写真:「わが家の庭に咲いたバラ」本人撮影

民主党政権の罪つくりはあれこれと多いようです。その大きな一つが「マニフェスト」という言葉の死語化ではないでしょうか。

「マニフェスト」は、候補者が政権に就いたら、どんな政策をいつまでにやるかの約束ごとです。その一番の眼目は、カネの工面です。ある政策にいくら掛け、その財源をどこから捻出するかということを示すところにあります。

おカネ(財源)を重視するのは、口先だけの無責任な選挙公約の蔓延を防ぐためのものでもあります。それだけに「マニフェスト」は科学的な選挙手法になるのではないかとの期待を抱かせ、ここ数年来のブームになったものです。

しかしこの新しい試みの意義を、民主党政権はあっという間に崩してしまったという外ありません。

高速道路の無料化。子ども手当の26000円の支給。大風呂敷ばかりが広げられ、肝心の財源は「隠し金がいくらでもある」などとしてしまったのです。これはもう「マニフェスト」でもなんでもありません。現に今日、財政努力も財政規律も放棄し、赤字国債という安易な手法で泳ごうとする羽目になってしまっているのです。

「マニフェスト」の理念を愚直に正当化してきた多くの政治学者たちに、明らかに冷や水を浴びせるものです。今日(5月13日)の読売新聞にこんな記事がありました。

「公明党は国政選挙での公約をマニフェストと呼んできた。今回は「民主党のせいでマニフェストへの信頼が損なわれた」(幹部)との声を受け、呼称を「重点施策」などに変えることを検討中だ」。

「昨年の衆院選では「マニフェスト」を使ったみんなの党の渡辺代表も記者会見で、この呼称が「詐欺という印象を持たれている」と断じた。参院選に向け、既に「アジェンダ(政策課題)を多用し始めた」。

「マニフェスト=詐欺」などと喝破するみんなの党の渡辺喜美代表は、風貌もユニークですが、表現方法もなかなかにユニークです。しかしこのストレートな批判には、大いに納得してしまうというものです。

コメント (1)
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