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Yuhiの読書日記+α

TB、コメント大歓迎です♪
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ご了承下さいませ。

小説版 SUPERNATURAL VOL.1

2007年04月21日 01時45分21秒 | 小説
 アメリカのドラマ「SUPERNATURAL/スーパーナチュラル」の小説版が発売されました!エリック・クリプキ原案、佐野晶翻訳。
今回発売されたVOL.1にはPROLOGUE「1983年11月2日」から始まって第7話「偽りの十字架」までが収録されています。

 私はドラマのファーストシーズンはDVDで既に見ているので、ストーリーは全部知っているわけで、買うかどうかかなり迷ったのですが、やっぱり買っちゃいました
購入に至った原動力となったのは、やはり物語世界をより詳しく把握したいなーというのがありました。

 というのも私の場合、DVDを見る時は、いつも字幕で見てるのですが、ちょっと意味が分かりにくいセリフや登場人物の動きがあったりします。
字幕だと文字数に制限があるので、かなりセリフが削られているらしいというのを聞いたことがあるので、そのせいもあるのかなーと思ってました。
吹き替え版で見れば、そういうのは、かなり改善されるのだとは思いますが、それでも100%ではないし、やはり俳優さんのナマの声で見るのが一番ぴったりくるので、それもなかなか出来難い・・・。
というので、小説なら結構詳しく状況説明されているかな?と思ったのですが、まさに正解でした!

 例えば、PROLOGUEの場面で、ウィンチェスター兄弟の両親である、ジョンとメアリーがあの忌々しい事件に巻き込まれる前、どんな生活を送っていたか・・・という情報が結構詳しく描かれています。
メアリーについては、ドラマ内では出番も少なく、情報が少ないだけに結構貴重だなーと思ったりしました。
そして、肝心のサム&ディーンの兄弟についても、お互いどう思っているのかという事は、ドラマだとあくまで想像するしかないわけですが、文章になると、かなりはっきりと描かれています。
例えば小説版では、兄であるディーンは、様々な場面で女性に色目を使っていますが、その事をサムはかなり不満に思っている事が描かれていたり、またディーンが母親の死によって大きなダメージを受けたのに、サムはその事を知らずに傷つけてきたのかも・・・と回想するシーンがあったり・・・。

あと、事件の状況なんかもよく分かります。第6話「もう一人の自分」の話で登場するシェイプシフターという悪霊(?)は、かなり複雑な動きをするので、ドラマを1度観ただけでは、時間関係とか何故この人に化けたのか?という事がわかりにくいのですが、小説だと状況がうまく飲み込めます。

 ストーリー自体はドラマを観た人なら、もう既に知っている話なので、敢えて読む必要はないわけですが、細かい所で面白い発見ができたりするので、読んでみるのもいいかもしれませんね。

 2巻目以降は、父親との再会や怪しい女メグの登場など、さらに重要なエピソードが増えてくるので、楽しみです




太陽を曳く馬 「新潮」連載第6回

2007年02月09日 00時29分22秒 | 小説
 前回に引き続き、今回の話も、裁判の中身が中心でした。
話の本筋に触れる話は、全てを読み終わってからじっくりしようと思ってますので、あまりコメントするところがなかったのですが・・・。

 この話の合田さんは、過去の事件を通して、自分を振り返るシーンがすごく多いですね。あの時の自分はどうしてあのような行動をとったんだろう・・・とか、あの時の自分は何を考えていたんだろう・・・とか、すごく自分を分析しているような気がします。
若かりし頃は、前ばかりを見て進んでいたのが、自分や自分の人生を省みることが多くなったということなのかなーと、ちょっとしみじみ考えてしまいました。

 「太陽を曳く馬」もまだまだ序盤。今後、どうなっていくか、興味深いところです・・・。

太陽を曳く馬 「新潮」連載第5回

2007年01月10日 00時26分29秒 | 小説
 先週はバタバタしていたので、いつの間にか「新潮」の発売日を過ぎていてビックリしました

 先月あたりから、発売日に行っても、なかなか見つからなかったので、ないのを覚悟して本屋さんに行ったら、無事にありました~
しかも、まだ何冊かあったので、先月は「たまたま」だったのかもしれませんね。

 で、内容ですが、だんだんと事件というか裁判の中身について、詳しく触れだしましたね。
これからしばらくは、事件三昧・裁判三昧の展開になるんだろうなーと思われますが、細切れの状態で読んでも、なかなか感想を書きづらいので、その辺については、最終的に本になってから、じっくり読んで感想を書こうと思います。

 で、話の大筋に関係ないところですが、今回の話で一番笑えたのは、2万円の傘を買っちゃう合田さん。。。
部下に「独身だからって・・・」とか言われてしまうところがなんとも可笑しかったです。
合田さんと高級傘の組み合わせは、なーんか意外でした。

東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~

2006年12月25日 23時33分44秒 | 小説
 すっかり有名になってしまったリリー・フランキー氏の「東京タワー」をようやく読みました。随分以前に友人から「なかなかいいよ。泣けるよ」と薦められていたのですが、最初から「泣ける本」だと分かっているものは、逆に手を出しにくく、偶然別の知人が貸してくれなかったら、今でも読んでなかったでしょう。

 実は私、リリー・フランキー氏のことは全然知らなかったので、予備知識のないままに読んだのですが、スゴイ人生を送ってこられた方だったんですねー。
特に東京に出てきてからの生活には度肝を抜かれました
家賃を滞納するだけならまだしも、借金だらけの上、電気・ガス・水道全てを止められ、食べるものもないどん底な生活だったのに、また浮上してこれたなんて・・・。
これだけでも奇跡というしかないほどのサクセス・ストーリーですよね。

 でも、この本が売れた一番の理由は、母と子の深い絆、親と永遠に別れる事の辛さに共感したからでしょう。
物心つく前に父親と別居し、「他人の家にお世話になる」という生活を余儀なくされたせいか、お母さんとの絆は特別なものであったことが伝わってきました。
そのものすごく大きな存在であった母親を失う場面では、本当に読んでいる自分も辛く切なくなりました

 親(もしくは大切な誰か)といつかは別れなければならないときが来るという恐怖や不安は誰にでもあると思いますが、そこに直球を投げ込んだ作品だったなと思います。

 とりあえず、私としては、親孝行はできるうちにしておきたいなとしみじみ思いました。

太陽を曳く馬 「新潮」連載第4回

2006年12月09日 23時07分14秒 | 小説
 今回は、発売日にいつも行ってる書店で売り切れだったので、違う大型書店まで足を伸ばしました。
「新潮」を書店で取り扱う量が減っているのか、はたまた人気があって、すぐに売れてしまうのか分かりませんが、段々と入手しづらくなっているような気がします・・・。

 で、連載第4回目は、加納さんから合田さん宛に手紙が届いたことが判明しましたー。
もうあまり付き合いはないのかなーと思っていたのですが、短いながらも手紙のやり取りはしてるって事で、しかもこうやってチョクチョク話に出てくることからして、今後も話に絡んでくるって事ですよね!
ちょっと安心しました。

 そして、貴代子の夫から手紙と写真を貰った事が書かれてありましたが、加納さんは貴代子の夫とはどういう風に付き合ってるんでしょうね。
こちらもまた微妙な関係のようで・・・。
本筋とはあまり関係ない部分なのかもしれませんが、ついついこういう所ばかりに気をとられてしまいますねー


こわれた腕輪/ゲド戦記Ⅱ

2006年11月12日 00時44分04秒 | 小説
 「ゲド戦記」の2巻目を読みました!前回の話「影との戦い」と話が繋がってるのかと思っていたのですが、いきなり何年後かの話になってるんですねー。びっくりしました。

 ですが、映画版の「ゲド戦記」を見ていて、すごーく謎だったテナーの事がよくわかる1冊でした。
映画では、何の前触れもなく、いきなりゲドの古い友人(?)のような立場で出てきて、しかもこれといった活躍をするわけでもないのに、結構出演時間が長いというか・・・。そしてゲドの「まことの名」も知ってるし・・・。一体誰なの?と疑問に思っていたのですが、これで疑問が解けました。

 「ゲド戦記」というのは、主人公はやはり「ゲド(ハイタカ)」だと思うのですが、この「こわれた腕輪」では、かなり後の方になってからしか出てきません。
だから、私も最初は、アルハ(テナー)の成長物語として読んでいたのですが、それなりに楽しめました。(派手な展開は全然ないんですけどね)
アルハの暮らす異様な地下迷宮の世界などは、どこかで聞いたことのあるような設定なのですが、それもまたファンタジー世界のお約束という感じでなかなか面白かったですし・・・。

 あとがきによると、アルハ(テナー)の25年後について、第4巻で触れられているそうです。
このまま終わってしまっても、空想の余地があっていいんでしょうけど、やはり作者なりの「その後」というのが気になりますので、是非読んでみようと思います。


 

太陽を曳く馬 「新潮」連載第3回

2006年11月07日 23時55分41秒 | 小説
 今回は、殺人事件の関係者の事情聴取のシーンがずっと続いて、話があまり進展しませんでした。ページ数も少なかったしね。

 合田さん自身のことも、秋道のことも特に大した話題はなく・・・。もちろん、加納さんなんて、全く出てきませんでしたよ~。

 ま、まだまだ物語は序盤ですから、これから話が面白くなっていくんだと思いたい!!でも、こんなに少ないページ数では、1冊の本にまとまるには、壮大な時間が必要なんだろうな・・・
ちょっと考えたら眩暈がしてきましたよ。とほほ


影との戦い/ゲド戦記Ⅰ

2006年10月28日 01時05分18秒 | 小説
 映画版「ゲド戦記」を見て、いまいち納得できなかった所も多かったので、原作本をほめている方が多かったので、原作バージョンを読んでみました。

 まず、読んでみて思ったのが、映画とは随分設定が違うこと。私が読んだのは、原作の1巻目だけだから仕方がない部分もあると思いますが、ハイタカ(ゲド)に纏わる重要な部分が、映画では恐ろしく端折られていたんだなーと、つくづく実感しました。

 今回の「影との戦い」では、ゲド(ハイタカ)が、天賦の才を持ちながらも、未熟な精神の為、様々な試練にぶつかるというシーンが詳しく描かれています。
映画版では、ハイタカは既に偉大な魔法使いですが、そのわりに活躍する場が少なくて、存在感が薄いのですが、原作版ではまさにその成長記録がつぶさに記されています。

 映画で、アレンをわざわざ主人公にせずとも、ハイタカを主人公にしてその成長をうまく描いていれば、それなり面白かったのではないかと思うのですが・・・。

 なぜアレンをわざわざ主人公にしたのかは、理解に苦しむところがあります。
何はともあれ、小説版は今後時間をかけてでもじっくり読んでいこうと思っていますので、またそのうちブログにアップできると思います。
(最後まで小説を読めば、印象が変わってくるでしょうか・・・)

太陽を曳く馬 「新潮」連載第2回

2006年10月10日 20時39分44秒 | 小説
 高村薫さんの「太陽を曳く馬」の連載第二回を読みました。多分かなりの長編になるだろうと思われるこの小説の、連載二回目ということで、まだまだ序盤。
事件もまだ簡単に表面上をなぞっているだけなので、これからが面白くなっていくことだと思います。

 「晴子情歌」に始まる三部作の最終話であるこの話は、合田シリーズの続編でもあるという位置付けらしいのですが、「晴子~」の方はさらっと読んだだけだったので、登場人物が、よく分からなかったりします。(もう一度、家系図を見ながら読まなきゃ分からない)

 でも嬉しいのは、合田さん!第1話目からの登場も驚いたけど、今回もほとんど出ずっぱりで、合田ファンには嬉しい限りでした。
あと、加納さんもちょっとだけど、出てました。意味深な発言で、考えさせられるわけですが、まさか毎回エピソードが載るとは思ってなかったので、こちらも嬉しい誤算です


<ネタバレ注意>
(今回の話を読むと、付き合いを完全にやめていた訳でもないのに、なぜ合田に例の件を言わなかったのか・・・。かなり気になります。今後の展開で明らかになればいいのですが)


 書き下ろしは、一気に読む楽しみがありますが、連載ものは、毎月続きを確実に読めるので、それはそれで心の張りが生まれて嬉しいものですね




2006年10月08日 00時53分01秒 | 小説
麻耶雄嵩作「螢」を読了しました。

 麻耶氏の独特で個性的な探偵は全く出て来ないノンシリーズもの。シリーズものの探偵が好きな私はイマイチ話に入っていけず、最初は四苦八苦しました。

 特に物語の序盤は、麻耶氏にしては、何となく地味な展開だし、導入部がダラダラとしていて読みづらい。一体どうしちゃったのか・・・と思ったのですが、最後にやはりやってくれました。

 こういう推理ものは、あまり書くとネタバレになってしまうので、詳しく書けないのが残念ですが、この話は一度目を読んだ後でもう一度読み直して伏線を調べたくなる話ではあります。

 よく、本格物の作家を批判して、「人間が書けてない」とかいう批判を目にすることも多いのですが、読み終えてからこの話を再読すると、わざとそういう批判を逆手に取ってるのかなと思えてきます。(実際にはどうなのか分かりませんけどね)
ちょっとブラックな感じも、麻耶さん独特でいいですね。
次は是非、メルカトルものを書いて欲しいです!!

聖女の塔 建築探偵桜井京介の事件簿

2006年09月25日 23時36分03秒 | 小説
篠田真由美作 建築探偵シリーズ12巻「聖女の塔」です。

建築探偵シリーズもいよいよ12巻目(本編では)。15巻で完結とされているので、いよいよクライマックスへ近づいてきたのかなと思いきや、この作品ではあまり話が進まず、残念 
まあ、ラスボスらしき人が出てきたのは、今後の布石かとも思いますが・・・。

今回の話の特徴としては、これまでは1冊1冊が、基本的に独立した話としても読めるようにできていたのに、今回は過去の作品、特に「月蝕の窓」を読んでいないと、わかりにくい話となってます。

私は一応、これまで刊行された建築探偵シリーズの作品は全て読んでいますが、それでも「誰だっけ???」となったくらいですので、できればこの本を読む前に読み返しておいた方が良いかもしれません。(今後に繋がる重要な話なのかもしれませんし)

で、本書の内容なんですが、もう建築うんぬんとか、ミステリーうんぬんという話を期待しない方がいいでしょう。
これまで出てきた主要キャラクターがどうなるのか気になる人だけが読めばいいという感じです。
シリーズも長くなってきて、キャラクターの動きと建築とさらには推理的な要素までもを併せるのは、もはや難しくなってきてるのだと思います。

私がこのシリーズを読むのは、ひとえに「桜井京介」の謎を知りたいからなのです。ここまで引っ張ってきたんだから、さぞかしスゴイ展開が待ち受けているものだと期待したいのですが・・・・。

このシリーズの良い点だと私が勝手に思っているのは、
 1.物語の中で時間がちゃんと経過していて(つまりサザエさん状態ではない)、登場人物が成長している(肉体的にも精神的にも)
 2.15巻で完結すると決定しているので、いつまでも謎を引っ張られる事がない

この2点は、本当に素晴らしいと思ってます。年に1冊ずつの刊行という決まりも作者はちゃんと守ってくれてますし。必ず結末がはっきりするというのは、読者にとっては凄く安心できます。(うやむやのうちにシリーズの続編が出なくなった作品を数多くみていますので・・・)

とにもかくにも、ここまで来たら、最後まで見届けたいと思います。
あとがきによると、次巻では大きな転機が訪れるようですし、いよいよラストへ盛り上がってくれるものと期待しています


太陽を曳く馬 「新潮」連載第1回

2006年09月11日 23時42分56秒 | 小説
 「新潮」に連載を開始した、高村薫さんの新作『太陽を曳く馬』を読みました!
「晴子情歌」「新リア王」に続く作品なのですが、実は私はどちらもナナメ読みしかしてないのです。なのに、なぜ今回の『太陽を曳く馬』の連載をわざわざ読むかというと・・・。それはズバリ、合田雄一郎が登場してるからなんですよね

 実は私、『マークスの山』『照柿』『レディ・ジョーカー』と続く、いわゆる合田三部作の大ファンでして、『レディ~』後の合田さんのことが知りたかったんですよね。
それが今回、別シリーズにも関わらず、合田さんが登場するとの情報を得て、張り切って買いに行きました♪

 ところがところが、会社の帰りに寄った大型書店では「新潮」は1冊も見つからず 
ものすごく楽しみにしていただけに、どーなってるの!? と声を大にして言いたいところでした。
仕方なく、今度はデパートの中に入ってる小さめの本屋さんにダメモトで行ってみたんですが、ビンゴー!! こちらにはバッチリありました。
案外、こういった割と小さめの書店の方が、狙い目なのかもしれませんね。

 で、内容についてなんですが、まだ読んでおられない方がいたら申し訳ないので、あまり触れませんけど、別シリーズにも関わらず、合田さんは初っ端から出まくりです。
『LJ』から5年程経過していて、係長になっており、部下も8~9人ほどいる模様。そして、合田シリーズといえばあの方、元義兄こと加納祐介さんについてもちゃんと触れられていました。(黙殺されるのではないかと、ちょっと不安だったので嬉しい)

 偶然にも今日が9月11日であることも何かの運命なのかなーと思ってしまいますが、阪神大震災が『LJ』に大きな影響を与えたように、N.Yの同時多発テロも今回の作品にはかなり影響がありそうです。
こういう大きな事件・災害は、人の心・運命を大きく変えるんですね・・・。


嫌われ松子の一生

2006年08月25日 00時00分17秒 | 小説
山田宗樹作「嫌われ松子の一生」

中谷美紀主演で映画化もされましたが、私は残念ながらまだ映画版は見ていません。映像で見ると、どんな風なんだろう・・・とちょっと興味はありますが・・・。

さてこの話。読む前から、「松子の転落物語である」ということは人から聞いて知っていました。なので、めちゃくちゃ暗ーい、気分が落ち込むような話なのかなと思って、手元に来てからも、なかなか読み始められなかったのですが、思っていたよりも、<暗さ>は感じませんでした。

確かに初っ端から、松子が誰かに殺される所から始まるので、やっぱり後味悪そうだなーと思ったのですが、松子という伯母がいることを知らなかった甥の笙によって、松子の人生が少しずつ明らかになっていく所が、読み始めたら止まらない原因なんだと思います。

松子の人生で、何度か岐路があり、もし違う道を選択していればこんな最期にはならなかったのかもしれません。
それを考えると、何気なく生きている自分の人生も、実は転落に向かっているのかもしれないなと思えてきて、怖くなりますね

この話の救いは、松子の甥の笙が、最初は軽いイマドキの大学生という感じでしたが、松子の人生を追ううちに、少しずつ変わっていくところですね。
松子は自分でも知らないうちに、甥っ子に「何か」を伝えたんですね。



パズル自由自在

2006年08月02日 00時03分27秒 | 小説
高田崇史作「パズル自由自在」

 「パラリ・サラリ・スラリ」好青年な千葉千波が活躍するパズルシリーズの第4弾です。
この千波くんって、容貌・性格・お金など全てに恵まれている好青年なんですが、たったひとつの困った点は「パズルが趣味なこと」(←byぴぃくん)なんです。

 主人公は浪人生の「僕」で、同じく浪人生で友人の饗庭竜之介と従兄弟の高校生千葉千波くんが主要な登場人物です。(あと妹の「チョコちゃん」も出てきますが)

 平凡な「僕」は、千波くんの出すパズルに悪戦苦闘。友人の竜之介は調子に乗って、いつも「受けて立っちゃう」ので、「僕」は振り回されっぱなし(笑)。
千波くんの出す問題は、私にもすごく難しいので、「僕」の気持ちがわかっちゃうんだよねー。もっと簡単な「なぞなぞ」程度のを出してよって・・・。

 で、主人公である「僕」なんですが、実はこのシリーズに初登場した時から、本名が謎なんです~。なにやら自分でも呼ばれたくない名前らしく、絶対に明かしません。従兄弟の千波くんや親戚からは「ぴぃくん」と呼ばれているのですが、それがどこから来たニックネームなのか実に気になるところです。(途中でちょっとずつヒントが与えられてるので、分かる人には分かるのかも・・・)

 作者の高田さんは、過去のブログでも紹介した「QED」シリーズを書かれているのですが、あちらは歴史や文学を題材に、様々なウンチクを駆使しているので、苦手な人にはとても難しく感じると思うのですが、それに対して、こちらは語り口からして軽妙で(なんたって1人称だし)、日常の謎を中心にしてるので、わりと誰でも入っていきやすい作品になってます。
といっても、パズル自体は私は全然解けないんですけど、結構出版されたらすぐに読みたくなっちゃうシリーズです。

 千波くんの出す問題は、とても難しいので真剣に考え出すとすごく疲れるので、1日に1話ずつ読みすすめるのがベストかも。こんな時、短編集って有難いって思いますね(笑)。

 あ、ちなみに千波くんの出す問題が解けなくても大丈夫。巻末にちゃんと解答&解説が載っています。それを読むと、なるほどなと思うんですけどねー。




つわものの賦

2006年07月23日 00時32分02秒 | 小説
永井路子作「つわものの賦」

 源義経の名前などはよく知っていても、源平~鎌倉時代はあまり知らないという方は多いと思います。
戦国時代や古代史にくらべてかなり人気がなく、マイナーな時代ですもんね。
それで、今回は武家の社会の成り立ち~北条氏による執権政治にいたるまでをとてもわかりやすく紹介している本(小説ではないんですけどね)を御紹介したいと思います。

 永井路子さんは古代・平安に続き、鎌倉時代の本もたくさん書かれています。
本書では、それまでの貴族社会から中世へと転換するポイントをとても分かりやすく説明されています。
また、以前にこの日記でも書かせて頂いた「炎環」もそうですが、腹黒いイメージでしか描かれてこなかった源頼朝や北条一族について、とても説得力のある説を展開されています。

 特に、源実朝が甥である公暁に暗殺される経緯は秀逸で、それまで公暁は北条氏のさしがねで暗殺したと考えられていたのを一気に覆す説を唱えられています。
歴史の時間に学んだことよりも、こっちの方がよっぽど説得力があると思いました。

 もちろん、義経VS頼朝の対立についても詳しく触れてあります。
単純な兄弟間の対立ではなく、それぞれを取りまく環境や時代背景なども考慮され書かれているので、単なる悲劇で片付けられない深い意義のある事だったんだなーとナットクしました。
子供の頃に読んだ、美化された義経像とは全然違うのですが、それがまた面白く、歴史好きにはたまりません。

 これまで中世は苦手だと思われていた方、大河ドラマ等でこの時代に興味を持たれた方にお薦めしたい1冊です。