Yuhiの読書日記+α

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クロスゲージ

2008年07月31日 00時57分50秒 | 映画(か行)
窮地に立たされた狙撃手の奮戦を描いたアクション。脚本・主演はキーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ、監督はデヴィッド・グレン・ホーガン、キャストはジョン・ヴォイト、ジル・ヘネシー、ポール・ソルヴィーノなど。

<あらすじ>
上官を撃ち殺した罪で死刑宣告を受けたダンのところに、ケイシー中佐が訪れた。ある人物を暗殺すれば恩赦を与えると誘いにのったダンだったが、彼のものではない銃弾が、標的の隣にいた大統領夫人を貫いた。暗殺犯にされたダンを、極秘特殊部隊が執拗に追跡する・・・。


初っ端から飛ばしまくりのアクション・シーンの連続で、すぐに見入ってしまいました。
キャストはジョン・ヴォイト以外、誰一人見たことない人ばかりだし、かなりのB級映画を予想していたのですが、全然大丈夫でした。

ストーリー的には、どこかで見たことのあるような話だし、突っ込みどころもあるんですが、それも気にならないくらい、サクサクと進んでいくテンポの良さと騙しあい的なハラハラ感、さらにアクションもしっかり入っていて、娯楽映画としては充分及第点でした~!

主役のキーネン・アイヴォリー・ウェイアンズは、私は初めて見た俳優さんだったのですが(有名な方なんでしょうか???)、なかなかクールでカッコ良かったです。主役だけじゃなく、脚本も彼なんですってねー。スゴイ。


プリズン・ブレイク3/VOL.1

2008年07月29日 00時32分47秒 | プリズン・ブレイク/シーズン3
待ちに待った「プリズン・ブレイク」のシーズン3です!!
といいつつ、シーズン2のラストがどうなってたんだっけ???と思い起こすのに、少々時間がかかりました。
マイケル、マホーン、ベリック、ティーバッグは、パナマの「SONA」というかなりヤバそうな刑務所へ、サラは行方不明、リンカーンだけが無事だったんですよねー、確か・・・。


第1話「ようこそジャングルへ」(ORIENTACION)

パナマで逮捕されたマイケルは刑務官のいない「SONA」に収容されていた。そこは囚人だけで社会が構成されている無法地帯だった。兄のリンカーンはマイケルを救いだそうと奔走するが、ある人物から「ウィスラーという人物を探して一緒に1週間以内に脱獄させろ」という脅しをかけられる。


第2話「第三の男」(FIRE/WATER)

スーザンという謎の女性にLJとサラを盾に脅しをかけられたマイケルとリンカーンは、ウィスラーという人物の情報を集めた。すると、ウィスラーはパナマ市長の息子を殺した為、彼を殺せば囚人は釈放されるという事で、SONAの囚人皆がウィスラーを探していたのだった・・・。


感想

「SONA」という刑務所は、以前、マイケル達がいたシカゴのフォックスリバー刑務所とは、比べ物にならないくらいヒドイところでした。なんていうか、見ているだけでも気持ち悪い。これを見ると、フォックスリバーは、めっちゃいい刑務所だった気がしてきます(苦笑)。

で、今回もマイケルは脱獄しなければならないことになりましたが、フォックスリバーから脱獄した時とは違い、事前に何も準備できず、さらには期限が1週間しかなく、八方塞がり状態です。こんなんで、本当に脱獄なんてできるのーって思ってしまいますが、何とかしないとサラもLJも危ないので、頑張るしかないんですよね。ウィスラーという人物が鍵を握るようですが、一人でも逃げるのは難しいのに、二人なんてさらに難しそうで・・・。前途多難です。

とりあえず、マイケルがアルコール等で爆発を起こし、止まっていた水道から水を吹き出させる事に成功した時は、久し振りにスーっとしました。やっぱりマイケルは頭脳を使ってナンボですよ~。こういう知的なところがカッコイイんですよね。シーズン2の中盤以降からのストーリーでは、こういうのが少なかった気がして、ちょっと物足りなかったんですよね。

マイケル以外では、スクレはとりあえず無事なのが確認できました~。ホッ。
スクレはマイケル達にとって、数少ない信頼できる仲間なので、帰ってきてくれて嬉しいです。
ティーバッグ、マホーン、ベリックは、相変わらずですね。一癖も二癖もある感じで信用おけません!





名もなきアフリカの地で

2008年07月27日 00時24分46秒 | 映画(な行)
第二次世界大戦中、ナチの迫害から逃れるために、アフリカへ渡ったユダヤ人一家の物語。監督・脚本はカロリーヌ・リンク。キャストはユリアーネ・ケーラー、メラーブ・ニニッゼ、レア・クルカ、カロリーネ・エケルツ他。

<あらすじ>
イエッテル(ユリアーネ・ケーラー)と娘のレギーナ(レア・クルカ)は、ナチスの迫害から逃れ、夫のヴァルター(メラーブ・ニニッゼ)が先に渡っていたケニアの農場へやってくる。お嬢様育ちのイエッテルは、予想以上の厳しい暮らしに耐えられず、ヴァルターとの間にも亀裂が入る。一方、レギーナはアフリカの暮らしにすぐに順応し、現地の子供達や料理人のオウア(シデーデ・オンユーロ)とも仲良くなった。やがて第二次大戦が勃発し、ドイツ人は英国軍に身柄を拘束されはじめ、ヴァルターも収容所へ入れられる・・・。


ユダヤ人がナチスに迫害された話はよく聞きますが、アフリカへ移住した人たちもいたんですね。そういうストーリーは初めてだったので、なかなか新鮮でした。

まず何よりも、雄大なアフリカの大地に圧倒されました。灼熱の大地で、水や食料も限られ、とても厳しい土地なんだけど、自然と完全に共存したある意味のびのびとした生活でもあり、いいことも悪いことも、全て自然の営みなんだなーとしみじみ感じました。

子供のレギーナはすぐにアフリカの生活に順応するけど、イエッテルの方はなかなかそうはいかず、ドイツの生活を懐かしみ、黒人に対しても見下したような態度を取っていました。
それがラストに近づくにつれ、誰よりもアフリカから離れたがらず、「違いにこそ価値がある」ことに気づいていきます。
大きな事件があるわけでもなく、淡々とした描写が続くのに、その心境の変化がひしひしと伝わってきました。

キャストもすごくはまっていて良かったです。子供のレギーナはとっても可愛かった!!それにオウアも包容力があって優しくて、すごく素敵な人でした♪



忘れえぬ想い

2008年07月25日 00時58分11秒 | 映画(わ行)
イー・トンシン監督、セシリア・チャン主演の香港映画。その他のキャストは、ラウ・チンワン、ルイス・クー、原島大地他。

<あらすじ>
ある雨の夜、シウワイは、ミニバスの運転手である婚約者を事故で失った。喪失感に涙を流す間もなく、シウワイは、残された彼の連れ子を引き取ることに。ミニバスを修理し、運転手として働きはじめたシウワイだが、運転に慣れない彼女に、厳しい現実が立ちはだかる。寝る間もなく働くシウワイを見かねた同僚のファイは、彼女を援助し始めた。気丈を装い意地を張っていたシウワイは、ファイの優しさに安らぎを感じ始める。(goo映画より)

私は実は、あまりラブ・ストーリーは得意ではないのですが、これはなかなか面白く見ることができました。途中のシウワイの行動には、少々イラっときましたが・・・(汗)。自分ひとりで婚約者の子供を育てようとする姿は、健気だとは思うのですが、あまりにもひとりよがりで、人の親切も素直に受け取ろうとしないし、もうちょっとまわりを見たら???と思ったりして。
でも、ひとりで生き抜くことの大変さを思えば、これくらいの頑固さもないとダメなのかもしれませんね。

ラストに向っては、なかなか胸にせまるストーリーでした。特に目新しい展開はありませんが、変に奇をてらったりしていない分、主人公達の気持ちが自然に伝わってきて、心に染み入ったのだと思います。

俳優さんたちの演技も良かったです。特にロロ役の原島大地くんの可愛いこと!それに演技もすごく上手いですよ~。シウワイ役のセシリア・チャンも良かったですけど、私にはどうしても常盤貴子に見えてしょうがなかった!本当に雰囲気が似ていますよね。

それにしても、以前香港へは行ったことがあるのですが、この映画に出ていたようなミニバスが走っていたかは、全然記憶にありません。個人営業のバスのような感じなんですね。お客を乗せなきゃ稼ぎにならないなんて、なかなか過酷な商売のようで・・・。

レイクサイド

2008年07月23日 00時49分05秒 | 小説
東野圭吾著「レイクサイド」を読了しました。東野さんの作品は昔から結構読んでいるのですが、たくさんありすぎてタイトルを覚えられず、「もしかして、この本も読んだことあったかな?」と心配になったのですが、杞憂でした。

東野さんは今や、すごい人気作家さんですよね。私はわりと初期の頃から読んでいるのですが、当時はオーソドックスな推理小説を書かれる作家さんだという認識でいました。私は元々推理小説が大好きでしたし、東野さんの作品は読みやすい文章の上に、当時は青春物っぽい雰囲気の作品が多くて、すごく親しみやすかった記憶があります。新刊が出れば必ず読む作家さんでした。
ちなみに私が好きだったのは、「仮面山荘殺人事件」や「ある閉ざされた雪の山荘で」のような純粋な推理もの、あるいは「眠りの森」や「魔球」のような切ない展開のもの、また「悪意」「名探偵の掟」のようなシニカルな作品も良かったです。
でも最近は、ちょっと作風が変わってこられた気がして、あまり読まなくなっていました。だから、久しぶりの東野作品です。

今作は、謎解きを主体にしていた初期の作品と、最近の作品(と言っても、こちらはあまり読んでないから正確にはわかりませんが)との中間くらいに位置するような気がしました。
謎や伏線がちゃんと張られていて、推理小説的な要素はありつつも、社会問題のようなものも同時に描かれている感じでした。

謎や伏線の方は、どことなく見たことがあるような展開で、特に目新しさは感じませんでしたけど、犯人はちょっと意外性がありました。
まぁ、昨今の現状を鑑みれば、それも意外ではないのかもしれませんが、まさかそういうオチになるとは思っていなかったので・・・。(後味は少々悪いですけど)

久しぶりに読んだわけですが、相変わらず、分かりやすく読みやすい文体で、ラストまでグイグイひき付ける文章は、サスガだなーと再認識しました。
私としては、本格推理っぽい物をまた書いて欲しいのですが、色んなタイプの作品を次々の書ける能力は、本当にスゴイですよ。本物のエンターテイナーだなと思います。

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

2008年07月21日 00時11分50秒 | 映画(あ行)
インディ・ジョーンズ・シリーズの第4弾。伝説の秘宝<クリスタル・スカル>を巡る謎を追うトレジャー・ハンティングもの。
監督はスティーブン・スピルバーグ。主演はハリソン・フォード。その他のキャストは、シャイア・ラブーフ、ケイト・ブランシェット、カレン・アレン、ジョン・ハート他。

<あらすじ>
1957年。ソ連軍に捕らえられたインディ・ジョーンズと相棒ジョージ・マクヘイルは、かつてアメリカ軍が手に入れた箱を探すよう命じられる。そこで彼らが見つけたのは、強い磁気で金属を引き寄せる謎のミイラだった。何とか逃げ切ったインディだったが、FBIから共産主義の疑いをかけられ、大学は無期限休職処分になった。そこへマットという青年が、母親とインディの大学時代の友人オックスリー教授の助けを求めてきた・・・。


インディ・シリーズは全部見ていますが、すべて10年以上も前の話。細かいストーリー展開などは忘れてしまっていましたが、あの音楽を聞くだけで、わくわく感が蘇ってきました。
ハリソン・フォードはさすがに歳を取ってしまって、アクションのキレはなくなっていましたが、あの歳であれだけ動けるのはサスガですね。やっぱり普段から鍛えているのかしら・・・。

で、肝心のストーリーですが、最近はトレジャー・ハンティングものが多くなって少々食傷気味なせいか、残念ながらさほどの目新しさは感じませんでした。

でも、それはある意味予想通りだったので、特にガッカリもしませんでしたが、前作までの細かいストーリー展開を忘れてしまっていたので、マットやその母親が出てきても、「???」という感じだったのが、ちょっと勿体無かったかなー。

映画館を出る時に、後ろの人が、「マットの母親役の人は以前の作品にも出てたよねー」とか話しているのを聞いて、やっと前作とのつながりがあるんだと気づいたわけで・・・。別にそれを知らなくてもどうという事はありませんが、やっぱり近作を見る前に、以前の作品も見直しておけばもっと楽しめたのかも・・・という感じはしました。

とは言え、全般的にはエンターテイメントに徹した映画で、ちゃんと楽しめました。それはやっぱりサスガですよね。

で、今作でひとつ気になったのは、序盤で原爆が落とされるシーン。あれって、別に原爆を落とさなくても良かったのでは???インディが危機一髪で脱出する神業的な活躍を演出したかったのかもしれませんが、特別な必要もないのに、わざわざ原爆を落とすなんて、やりすぎじゃないんでしょうか・・・。
化学兵器を使用することの恐ろしさを訴えるわけでもなく、あのシーンをわざわざ入れる意味が分からなかったです。あのシーンだけ、妙にストーリーから浮いていたようにも思います。

目撃

2008年07月19日 00時11分20秒 | 映画(ま行)
ある泥棒が、アメリカ大統領の殺人現場を目撃してしまったことから、様々な権力から狙われるサスペンス。製作・監督・主演は、クリント・イーストウッド、他のキャストはジーン・ハックマン、エド・ハリス、ローラ・リニー、スコット・グレンなど。

<あらすじ>
泥棒ルーサー(クリント・イーストウッド)は、大統領の後援者である政界の大物サリヴァン(E・G・マーシャル)の邸宅に忍び込み、夫人クリスティ(メロラ・ハーディン)の寝室の金庫から中身を盗んだ。その時、とんでもない事件を目撃してしまう。それは、リッチモンド大統領(ジーン・ハックマン)が、クリスティに暴力を振るい、ナイフで反撃した彼女をシークレット・サービスのバートン(スコット・グレン)とコリン(デニス・ヘイスバート)が射殺するという衝撃的な場面だった。大統領補佐官のグロリアは、事件の揉み消しを図ろうとするが、現場に忘れたナイフを誰か持って逃げたことに気づく・・・。


予想がつく展開ながら、スリルがあって面白かったです。ラストも予定調和的ではありますが、安心して楽しめたので、娯楽作品としてはいいと思います。(突っ込みどころはかなりありましたけどね・・・。)

キャストもなかなか豪華だし、味のある俳優さんがたくさん出ていました。さすがクリント・イーストウッド監督作品だけありますね。見ごたえタップリでした。

俳優さんと言えば、びっくりしたのが、「24」のパーマー大統領役と妻シェリー役の俳優さんが2人揃って出演していたこと!この当時はまだ「24」は放送されていませんでしたけど、この当時から競演していたんですねー。一瞬、「24」を見てるのかと勘違いしそうでした(笑)。


タイムトラベラー きのうから来た恋人

2008年07月17日 00時17分18秒 | 映画(た行)
生まれた時から核シェルターで生活していた青年が、35歳になって初めて地上に出、外の世界に触れる姿を描いたロマンティック・コメディ。監督はヒュー・ウィルソン、キャストはブレンダン・フレイザー、アリシア・シルヴァーストーン、クリストファー・ウォーケン他。

<あらすじ>
科学者カルヴィン(クリストファー・ウォーケン)は、原爆が落ちたと勘違いして、臨月の妻ヘレン(シシー・スペイセク)と核シェルターで暮らすことに。シェルターで生まれたアダム(ブレンダン・フレイザー)は両親から勉強やマナーを教えられ紳士の鑑のような男に成長した。そしてアダムが35歳のある日、シェルターの自動ロックが解除され、生まれて初めて地上に出たアダムは・・・。

大人の御伽噺といった感じのストーリーでした。
ストーリーは単純だし、特に目を見張るようなものはないけれど、登場人物の誰もが憎めないいい人で、たまにはこういう、ほんわかとした気持ちになれる映画もいいなーと思えました。
アダムとイブのラブストーリーも微笑ましくて、変な純愛ものよりもずっと良かったです。

それに、50年代60年代の考え方、マナー、しつけを実践しているアダムと、現代の若者とのギャップがすごく面白い。昔の人って、全然すれてないんですよねー。アメリカの古き良き時代(のイメージ)って、こんな感じなんだと思うと、興味深いものがありました。
あと、野球選手のカードや株の価値が、ものすごく上昇していたりしたのが面白かった!やっぱり、古い物って価値が出るものなんですねー。何でも捨てずに、残しておいたらいいのかな・・・。

ま、地下の核シェルターに35年も住むなんて、食料や水をどうやって調達しているのかとか、設定的に突っ込みどころは満載なんですが、そこはご愛嬌。ファンタジーだと思って、深く考えない方が楽しめます。

カリートの道

2008年07月15日 00時02分20秒 | 映画(か行)
かつて麻薬王だった男が出所を機に足を洗おうとするが、周囲によっていやおうなく再び悪に手を染めざるをえなくなる姿を描いた犯罪ドラマ。監督はブライアン・デ・パルマ、主演はアル・パチーノ、ショーン・ペン、ペネロープ・アン・ミラー他。

<あらすじ>
カリート(アル・パチーノ)は、弁護士クレインフェルド(ショーン・ペン)の尽力で、刑期を5年で終えて出所することができた。かつては麻薬王としてならした彼も、今度こそ足を洗い、バハマのパラダイス・アイランドでレンタカー屋を営むことを夢見ていた。だが、街はすっかり様変わりし、かつての仲間も同様に変わってしまっていた・・・。

ヒューマンものの地味な作品なのかと思って見始めたのですが、意外や意外。なかなか緊迫した展開で、思わず見入ってしまいました。
特にラスト付近では、アクションシーンが迫力満点!特に駅のエスカレーターでの銃撃戦は、ハラハラさせられて面白かったです。
ラストで、カリートがバハマのポスターを目にしたシーンが切なくて印象的でした。

出演者もなかなか豪華で見ごたえあり。アル・パチーノは元麻薬王らしい迫力がありましたし、ショーン・ペンの怪しげな弁護士役もすっごく似合ってた!
ショーン・ペンと言えば、つい先日、「リチャード・ニクソン大統領暗殺を企てた男」という映画で見たばかりなので、この作品にも出ていてビックリしましたが、芸達者な俳優さんですよねー。「リチャード~」では要領の悪い冴えない男の役がピッタリとはまっていましたが、今度はやり手でクセものの弁護士役で・・・。全然違う役柄なのに、どれも完璧にこなしてるのが本当にスゴイです。




リチャード・ニクソン暗殺を企てた男

2008年07月13日 00時17分59秒 | 映画(ら行)
飛行機を乗っ取り、ホワイトハウスに突っ込んで、ニクソン大統領の暗殺を企てるに至った男の姿を追うドキュメンタリータッチのヒューマン・サスペンス。監督はニルス・ミュラー、キャストはショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ドン・チードル、ジャック・トンプソン。

<あらすじ>
1973年、サム・ビックは1年前に別居した妻マリーと3人の子供を取り戻すため、事務機具のセールスマンという定職に就いた。だが不器用なサムは成績を上げられず、上司のやり方にも不満を感じていた。ある日、裁判所からマリーとの一方的な婚姻解消通知が届いた。仕事も、家族との関係もうまく行かないサムは、ボビーと一緒に新事業を立ち上げるという夢に最後の希望を託すのだったが…。


タイトルからして、てっきりニクソン大統領暗殺事件の顛末をサスペンス調で描いた作品なのかと思っていたのですが、見てみると、暗殺事件そのものはほんの少しで、それに至る犯人のサム・ビックの心理を丹念に描いた作品でした。

善良で純粋だけど、ちょっと気弱で何事にも要領が悪いサムが、何故大統領暗殺考えたのか。最初は、とてもそんな大それた事を考えたりできるような人にはとても思えなかったので、すごく不思議でどんどんと話にはまっていきました。
話が進むにつれ、色んな歯車がかみ合わなくなり精神的にも追い詰められて、だんだんと狂気を宿していくサムの様子がとてもリアルに描かれていて、こんな人って結構いるよなーと思うとだんだんと怖くなってきました。
これって、サムを演じているショーン・ペンの演技力ですよねー。ものすごく生々しくて息苦しいくらいなのが印象的でした。

ほんの少しのキッカケが積み重なって社会や周囲の人から疎外感を味わい孤独な気もちになることって、結構誰にでもありえる事だと思うんですよね。サムはのした事は絶対に許されない事ではありますが、そのサムだって最初からおかしかったわけではなく、ほんの少し人よりナイーブだっただけなんだと思います。
それがだんだんと「自分がこんなに不幸なのはニクソンのせい」というように考えていってしまい、やがては自分自身まで壊していってしまうような心理が怖かったです。

それにしても、こんな事件があったことは映画を見るまで全然知らなかったんですけど、9・11よりも以前に、ホワイトハウスに飛行機で突っ込んで、大統領を暗殺するなんて考えがあったのが驚きです。9・11のテロリストは、この事件のことを知っていたのかなぁ・・・。

オーデュボンの祈り

2008年07月11日 00時36分24秒 | 小説
伊坂幸太郎著「オーデュボンの祈り」を読了しました。伊坂さんのデビュー作で、第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した作品でもあるということで、ミステリー好きとしては、ものすごく楽しみに読んだわけですが・・・。これまで読んだ伊坂作品の中でも(といってもまだ3作目ですが)、特に変わったお話で、かなり異色のミステリーでした。

まず、舞台の設定からしてかなり変わってます。なんたって、150年間、世間とほとんど交流のない島が舞台なんですよー。「孤島もの」というのはミステリーの世界ではよくある設定ではありますが、この島は完全なる「孤島」ではないので、ミステリーとして「孤島」を設定しているわけではないようです。
さらに、その島に住む人たちも、かなりの奇人変人ぞろい。嘘しか話さない男やら、殺人がなぜか許される男、極めつけは未来を予測し言葉を喋る案山子!!その案山子が殺される・・・というのが、この話の根幹をなすストーリーなのです。

こんな「ありえない」設定のストーリーだと、普通だったら物語世界に入り込めなかったりするものですが、そこはさすが伊坂さん。絶対にありえない世界、ありえない登場人物に、グイグイと引き込んでくれました。
この辺りの筆力は、とてもデビュー作だとは思えません。

序盤~中盤にかけて、登場人物たちの一見無関係に思える言動が続き、少々退屈しながら読んでいたのですが、ラスト付近になると全ての伏線が一気に収束してくるところが爽快でした!
一度読み終えた後、もう一度最初の方を読み返してみたら、たくさんの伏線があちこちに仕掛けられていたことが分かり驚きました。
一度読むだけでは勿体無い。2度楽しめる小説ですね。


青い珊瑚礁

2008年07月09日 00時37分31秒 | 映画(あ行)
船の火災によって、無人島に漂着した男の子と女の子が大人になっていく過程を描くストーリー。キャストは、ブルック・シールズ、クリストファー・アトキンズ他。

<あらすじ>
南太平洋を航海する船に、アーサー(ウィリアム・ダニエルス)と8歳になる息子のリチャード(グレン・コーハン)、従妹で7歳のエミリーン(エルバ・ジョゼフスン)が乗船していた。ある日、その船が火事で燃え、リチャードとエミリーンは、アーサーとはぐれ、料理番のパディ(レオ・マッカーン)と3人だけがボートに乗った。一夜が明け目覚めると島影が見えた。しかし、その島は無人島だった。2人はパディから生きるために必要なことを教わったが、ある朝、そのパディが事故で死に、リチャードたちは2人だけで生きることを余儀なくされた。それから数年後。女らしく成長したエミリーン(ブルック・シールズ)と逞しい青年になったリチャード(クリストファー・アトキンズ)は、島の反対側からきこえる不気味な音を耳にした・・・。


美しい海や空がすごく印象的な作品でした。こういうのを見ると、普段は山の方が好きな私も、南の島もなかなかいいな~としみじみ思います。

ストーリーは、無人島に流されたという設定をあまり生かされず(しかも突っ込みどころは満載)、大した山場もないのが残念。もっと緊迫した展開にした方が面白かったんじゃないかなー。
ラストも、え?これで終わり?と、ちょっと拍子抜けしたくらいでしたし・・・。
何も教えられなくても、恋をしたり子供を産んだりできるという、人間の本能のようなものを感じられたのは面白かったですけどね。

この映画は、ブルック・シールズの可憐な可愛さを見せるために作られた映画って感じで、彼女の魅力は全開でしたよ。

ミッション

2008年07月07日 00時37分30秒 | 映画(ま行)
南米奥地にキリスト教を布教しようとするイエズス会の宣教師のお話。キャストは、ロバート・デ・ニーロ、ジェレミー・アイアンズほか。

<あらすじ>
1750年、キリスト教の教えを広めるため神父ガブリエル(ジェレミー・アイアンズ)は、南米奥地のパラナ川上流、イグアスの滝にやってくる。彼は滝の上の土地に住むインディオ達に神の教えを伝道するため、決死の覚悟で滝を登り、ようやく信頼を得ることに成功する。一方、インディオ達を捕まえては売り飛ばしていた奴隷商人メンドーサ(ロバート・デ・ニーロ)は弟を殺した罪に苛まれていたのだが・・・。


「ミッション・インポッシブル」の影響か、タイトル名を聞いて、てっきりスパイ物かと思ってたのですが、観てみてビックリ。全然違う内容でした(汗)。
後で調べてみると、「ミッション」というのは、もともと宗教的な用語なんですねー。

宗教色溢れる映画な上、歴史的背景もよく分かってないので、正直ストーリーをちゃんと飲み込めてない気もするのですが、いくつか心に残る場面を書くと・・・。

一つは、ガブリエル神父とメンドーサの友情。タイプは違うけど、最後には心が通じ合っているというのがすごく感じられました。ラストの別れの場面は、特に印象的です。

二つ目は、メンドーサによって奴隷として売られたグァラニー族の人々が、重い荷物を背負って岩場を登ってきたメンドーサを最後には受け入れる場面。ここもかなり心に残ります。
グァラニー族の人にとって、メンドーサは憎んでも憎みきれない敵です。でもそれを最後には許したわけで、その葛藤を考えると、すごく勇気ある行動だなと思うのです。
「許す」という行為はとても難しいけれど、人として最も尊い行為なのかもしれませんね。

あとは、イグアスの滝(?)の迫力が凄かった!!手漕ぎ船が、滝へと流れ落ちていく場面は、もう圧巻でした。今だったらCGなどで、どんな風にでも迫力満点で作れるだろうけど、この時代(1986年)の映画ですからねー。それを考えると、なかなか見ごたえありますよ。



それでもボクはやってない

2008年07月05日 00時38分31秒 | 映画(さ行)
周防正行監督による痴漢冤罪事件の裁判を描いた話題作。キャストは、加瀬亮、瀬戸朝香、山本耕史、もたいまさこ、役所広司など。

<あらすじ>
大事な就職の面接を控えた日の朝、大勢の通勤客に混じって満員電車から駅のホームへ吐き出されたところを痴漢に間違われ現行犯逮捕されてしまった金子徹平。連行された警察署で容疑を否認すると、そのまま拘留される。その後も一貫して無実を主張するものの、結局は起訴される事に。徹平の無実を信じる母や友人・達雄の依頼でベテランの荒川、新米の須藤の二人の弁護士が徹平の弁護を引き受け、いよいよ裁判が始まる…。(goo映画)

うーん、これは怖い映画でした。やってもいない事で、長期間拘留され起訴され、下手をすると有罪にされかねない可能性を示唆した映画です。
警察も検事も、さらには当番弁護士でさえ、やっていないという主人公の主張を聞こうともしない。あまつさえ、罪を認めれた方が得だと説得するくだりは、あきれて物も言えません。
こんな事がまかり通っている、日本の裁判、司法って、一体何のため誰のためにあるんだろう、と思ってしまいます。

ラストは思い切り予想を覆されました。普通の映画だったら、無罪を勝ち取ってスッキリと終わる所だと思います。その方が後味がいいし、ストーリー的にも盛り上がって終われますもんね。それをあえて、ああいう判決を出して終わることによって、日本の裁判制度や司法に対しての問題提起を行っているんですよね。
あの判決を、理不尽だと思うか、妥当だと思うか、皆それぞれ考えさせられるはずです。

147分もの長大な上映時間のはずですが、あっという間に終わったように感じました。こんなに夢中になってラストまで見たのも久々かな。それだけ濃い内容のストーリーだったと思います。



陽気なギャングが地球を回す

2008年07月03日 00時25分52秒 | 小説
 伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」を読了しました~!伊坂さんの作品を読むのは、「死神の精度」に続き、2作目になります。

 確か、このお話は映画化されてましたよね?個性的なタイトルなんで、どんな話なのかずっと気になってたんですよね。
読んでみると、ちょっと変わった特技を持つ銀行強盗4人組のお話でした。もともと、頭脳を使って銀行強盗するというタイプのストーリーは、かなり私好みなので、ワクワクしながら読んだのですが、さすが伊坂さんだけあって、文章はクールでスタイリッシュ。しかも、サクサク読める平易な文体ですごく読みやすかったです。

 ただ、サクサク読めすぎて、各登場人物の持つ魅力がはっきりとは読み取れなかったのが、ちょっと残念でした。これは私があまりにもササっと読みすぎたせいもあると思うんですけどね。皆面白い特技を持っていることはよく分かったのですが、じゃあ普段はどんな生活をしているのかとか、どんな考え方なのかというところまでは読み取れなかったんですよね。次作もあるようなので、その辺は次に読むときにじっくりと読んでみようと思ってます。
 
 序盤は登場人物たちの会話が回りくどいし、余計なところが多すぎるなーと感じてたのですが、それが後々になって効いてくる伏線の張り方はサスガですねー。