Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

サウジアラビアあれこれ(2)

2012-07-08 20:58:52 | サウジアラビア
また今回もサウジアラビアの旅のかけらを綴っていきますね。

■アラビアコーヒー
サウジアラビアにはスターバックスをはじめ欧米スタイルのカフェもたくさんあったけれど、伝統的なコーヒーといえば、やはりアラビアコーヒー。


最初とてもコーヒーには見えなかった。
色といい香りといい。コーヒーカップは日本のおちょこ程の小さなカップです。色は少しミルクがかった琥珀色。初めてカップを口に近づけた時、強烈な香りが鼻から脳までつきぬけていったのは忘れられない思い出。それまで飲んでいた欧米スタイルのコーヒーとはまったく異なる飲み物であることを即座に理解。

いわゆるコーヒーの香りなんか一切せず、代わりに芳香なカルダモンというスパイスの香り。聞けば、様々なスパイスを使っているのだそう。カルダモンは絶対的な存在で、他にサフランにシナモンなど。サウジアラビアでは客人をもてなすのには必ずこのコーヒー。家庭によってレシピは様々なようだけど、カルダモンなくしてはサウジコーヒーは語れません。小さなカップなので2杯、3杯といけますが、「もう結構です」という合図はカップを横に振ることだそう。


同僚達はこれにハマってホテルのロビーで毎朝ふるまわれるアラビアコーヒーを2杯、3杯と飲んでいました。私は最後までこの香りを身体がうけつけなかった・・・(心のなかで「スターバックスー!」と叫ぶ日々)。ただ、お茶うけとしてデーツが一緒に出されるのだけど、これは抜群の相性でした。

■たばこ、喫煙
これまたカリフォルニアに慣れすぎて忘れていたこと:世の中には、たばこというものがある、ということ。カリフォルニアでは吸える場所はかなり制限されるので(外ぐらいか?)、ふだんの生活のなかでたばこの煙の被害にあうことはありません。ホテル、レストラン、カフェ、駅、ショッピングモール、etc. カリフォルニアでは絶対に公共の場でタバコは吸えないし、禁煙はものすごーく徹底されている。

それがサウジアラビアときたら、、、。到着初日、初めて足を踏み入れたホテルのロビーで感じたのは「うわ、日本みたい!」ということ。屋内でたばこの匂いがすること自体が久しぶりで、私の嗅覚が日本を思い出したのでした。しかもひと昔前の日本というか。どこでも喫煙天国!どこにでも灰皿が当たり前のように置いてあるよ、みたいな。分煙もまったくされていない。基本、ホテルのロビー、レストラン、ショッピングモール、とにかく人が集まるところはどこでも喫煙がOKのよう(カリフォルニアの真逆!)。吸っているのは男性がほとんど。白いトーブ(サウジ男性の伝統衣装)を身にまとった人からカジュアルな服装の人まで、誰でも。お酒ない代わりにタバコが流行るのかな、と思ったり。毎日着ていたアバヤに匂いがつくので、サウジアラビアの喫煙文化には本当に辟易。ホテルの自分の部屋は禁煙ルームでよかったー。

サウジアラビアあれこれ(1)

2012-07-08 09:58:44 | サウジアラビア
せっかく仕事でサウジアラビアという珍しい国に行ったので、滞在のあいだに見聞きしたことを忘れないうちにメモっておこうと思う。そんなわけで、サウジアラビアあれこれその1。

■くだものや野菜:
見渡すかぎりの砂漠ですから、ここで育つ作物はそうそうないわけで。
スーパーマーケットに行くとアメリカ同様に生鮮食品があるにはあるのだけど、産地をみるとどれも、遠いところから運ばれてきたものばかり。例えばカリフォルニアは今さくらんぼが旬ですが、それと同じさくらんぼをサウジアラビアのスーパーで見つけた。パックには「Product of USA」と書いてある。それを見てこのさくらんぼが摘まれてからここにたどりつくまでの長~い行程を思った。よくみると茎の部分は新鮮味を失い、乾き上がって茶色くなっている。と同時に、サンフランシスコやバークレーのファーマーズマーケットで地元の人がつくった地元の野菜やフルーツを買い物していた自分をふりかえり、なんと幸せな日常だったかと実感した。


それでもサウジアラビア特産のフルーツがあります。
砂漠でも育つなつめやし(デーツ)。これは毎日たくさん食べた。ドライフルーツになっていて、糖質は満点。味は日本の干し柿をさらに甘くした感じ。ワークショップでつかれた時に、スタッフエリアに置いてあるデーツをつまむのが常でした。


中学生の頃「なつめやし」って地理の授業で出てきたよなぁ。今やっと実体験と身体的感覚を持って覚えたよ。なつめやし:中東の乾燥地域で生産、サウジアラビアはエジプトに次ぐ第二の生産量をほこるって。現地で出会ったファシリテーターは庭にデーツを栽培している人もたくさん。ほんと、庭にデーツの木があって、黄色い実をたわわにつけていました。過酷な砂漠環境でも生きていけるデーツ。栄養分としては、鉄分、カルシウム、カリウム、リンなどのミネラルが豊富。

■水:
私が滞在していた Al Khobar は、サウジアラビアの東側、ペルシャ湾岸にありました。ある日、車で巨大な工場の前を通りかかった。すると同行していた現地ファシリテーターが、これは海水を真水に換えるための工場なのだと説明してくれた。

その時、彼女が「海水淡水化」という英単語をおぼろげながら、
"desalt...no, Oh! DESALINATION!"と思い出して私たちに語ってくれたのが印象的。恥ずかしながら、私はこの時はじめて自分がそれまでホテルで使っていた水やお湯が、もとは海水で、この設備で真水に変換されて送り出されてきたものだということを知った。

へぇ~、、、さすがお金あるなぁ、サウジアラビア。
海水を真水に換えるなんて、そのプロセス、技術やコストは相当なもののはず。しかし雨もほとんど降らないこの砂漠環境で人々の生活を支えるには、費用はかかるがやはり海水淡水化の設備に頼らざるを得ないのだろうね(石油で稼いだお金があるしね)。

でもこの水は農業にはめったに使われないそう。農業をするのに十分な土地はあれど、作物で得られる利益よりも育成に使う水のほうが高くつく。そんなわけで上の話にもつながるけどサウジアラビアは農作物のほとんどを輸入依存しているのだそう。


それ以降、街中でスプリンクラーがくるくるまわって人工的に植えられた緑の芝生や街路樹に水をまいてるのを見るたび、ものすごーく違和感を感じる自分。水をまいてもこの暑さではすぐに蒸発していく。砂漠という無理な環境で都市生活を成立させるため、景観を良くするためだけに人工的に植えられた植物達を、人工的に手間ひまかけてつくられた水で育てる。なんというかねぇ、、、お金があるがゆえに、虚構のうえに虚構をかさねているようなね、そんな不自然さを感じたよ。


今日はこのへんで。
また思いつくままにサウジアラビアあれこれをアップします。