Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

Learning by expanding

2006-02-20 01:55:55 | 日常
オフィスへ。
同僚がワークショップをする日で、2ヶ月前からがんばって準備してたので見に行く。子ども達に等価変換の理論をベースに発明をしてもらおうという趣旨。おなじみの地域の子ども達が集まる。

なんでそんな難しい理論をわざわざ…と思うのだけど、これは彼女の案ではなくて、この理論を考えた博士の所属する学会から依頼されたワークショップなのでした。だから準備がすごく大変だったし、昨日、おとといはほぼ日付が変わるまで残ってたのを知っていたので(私は私で別件でオフィスに残ってたのだけど)、フィードバックをしに日曜は見に行くね、という約束。

今日はその博士も来て、4時間のワークショップで子ども達に発明品を考えてもらい、実際につくりこむところまで。結論から言えばとても楽しくて、子どもの発想力にやられっぱなしだった。フロアではものを作る子、考える子、博士に質問する子、素材をあさる子、グループで協調している子達、などなど様々な学びの風景。

いつも一緒に仕事をするMさんとそれを見ながら「今の、この場で起こっていることを、ちゃんと理論で説明せねば」という話になる。

子どもの学びという話になると、必ずヴィゴツキーが出てくる(主体ー客体ー対象の三角形のモデルやZPD理論)。でも今日の様子を見ていて、もう1つ読んでみようと思う本が出てきた。ヴィゴツキーの後にでた活動理論『拡張による学習』(Learning by expanding)というもの。探してたら原文が全部載ってるページがあった。学習は他者(あるいは道具)とのインタラクションによって起こるとしたヴィゴツキーを超えて、もっと広い範囲で捉え、学習は集団あるいはその状況で起こるものという主旨らしい。

朝のリレー on Skype

2006-02-20 01:44:41 | 日常
心身ともに怒濤の一週間が終了。
金曜、家に帰るとSkypeが鳴る。アメリカ東海岸にいる友達と長距離電話。スピーカー別付けでマイクはPC内蔵なので、ヘッドフォンなしで部屋を歩き回りながらしゃべれるのだけど。ふらふらとソファへー。

・・・しゃべりながら寝てたよ。でも向こうは朝なのね。

でも、おちる寸前アタマの中で思っていたこと。谷川俊太郎さんの詩みたいだぁと思った。

・・・

「朝のリレー」   谷川俊太郎

カムチャッカの若者が
きりんの夢をみているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている

ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝返りをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウィンクをする

この地球ではいつもどこかで朝がはじまっている

ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと

(後略)

・・・

翌朝起きると、SkypeのDurationが10時間を超えている(=まだオンラインでつながってた…)。びっくり。タダだからいいんだけどね。それにしても、電話切らずにどこ行っちゃったんだろ。もう夜のはず。部屋の雑音はすれど、本人はいない、という状態(笑)。そんなの初めて。

リフレクション

2006-02-20 01:07:21 | 日常
「DVD、見たよ。よく編集されていて、なかなかのもんですね。
それにしても、自分ではまだ若いつもりでいるけど、カメラは正直だねぇ…。歳は隠せない。一瞬一瞬にバァさんが見え隠れしてました。
これを機に、我が身の振る舞いに気をつけよーっと。ありがとね。」(母親からのメール)


いえいえ(笑)、キレかわいいおばーちゃんを目指すのもよいかと。なんてね、まだまだ若いでしょ。>母親

これぞリフレクションの効果。

メディアツールを使ってのリフレクションを自分なりに始めたのは、今思えばアメリカでのカウンセリング実習がきっかけ。
英語という第2言語での実習、しかも、カウンセリング。そこでの私は、100パーセント言葉だけを武器にして生徒達の気持ちや様子を描写してうまーくリフレクションすることができなかったのだよね(カウンセリングでリフレクションといったら言葉によるものを意味します)。そりゃ、ネイティブ並みにするのは無理っしょ。

もちろん個人セッションでは、言葉だけでやっていたのだけど、グループセッションや、教室での全体ワークショップとなると、別に言葉だけじゃなくてもいいじゃん、と思うようになった。だからその頃毎日のように持っていたデジカメで、セッション中の生徒達の様子や表情をよく撮っていました。アメリカの高校でやってた放課後の落ちこぼれグループのスタディスキルワークショップでは、最終回にそれまでの生徒達の様子を映した写真をならべて視覚的に全6回のワークショップの振り返りができるようにしたり。

それがいったい何にどれだけの効果があるのかはわからない。測ってないから。(←測ってから言え)その頃は特にメディアリフレクションというふうには意識してなかったしね。

でもメディアによって反射された自分を見て、メタ的に何かを感じ、それ以後何がしかの行動変容がもたらされるとするならば、メディアによるリフレクションをメディアリテラシーだとかメディア教育だけのものにせずに、カウンセリングセッション(とくにグループや家族カウンセリングの場面)で使うといいと思うのだけれど。

そういうふうに考えて実践している人はいるのかな。