木漏れ日

日差しがキラキラと躍ってる…

宮脇綾子のアップリケ展

2011年03月26日 | おでかけ
KちゃんとTさんを誘って秋野不矩美術館へ
「飛び出す創意 宮脇綾子のアップリケ展」観に行ってきました

実は私は2度目の観賞です
 3月11日の午後 友人と3人連れで観賞してきました

折りしも地震のあったその頃…午後2時46分頃
美術館は小高い丘の上 コンクリート造り 地盤も固いらしく気がつきませんでした

そう言えばあの時 帰路 坂を降りている途中 
「アッ 日本カモシカ!」下から上がってきた人の声に見上げたら



今 思えば地震を察知して下りてきたのかも…

美術館から帰り道 立ち寄った農協「天竜の市」に流れるニュースに驚き
「少し前地震があったの 目眩がする様な気持ち悪い揺れだったのよ」と聞き初めて知りました

家に帰りつくまでは震源地 大規模な複合地震だった事も知らず…
 帰宅後テレビから流れる災害の大きさ 悲惨さに呆然…
胸が張り裂ける思いで過ごす日々…


災害地の皆さんのこと思うと躊躇しましたが 
感性豊かな作品の数々を Kちゃんに見せてやりたいとの想いはつのり
 27日で会期終了 思い立って出かけました

ゆるゆる上る坂道の両側には2週間前にはまだ蕾も固かった水仙が咲き乱れ
 ムスカリもアネモネも優しく迎えてくれました



作者の宮脇綾子さんは明治38年生まれ
40歳のとき 終戦を機に手近にあった布切れで創作アップリケを始めたそうです 

布の端切れのいろいろな模様や織りの質感を生かした
 野菜 果物 草花 魚 鳥などの作品は
  命が吹き込まれたように生き生きとして味わい深く
魚の口の泡がレース地をちょこっと使って表現してあったり
ぬくもりがあって見る者の心を優しくして そして作者の創作の喜びも伝わってきます



藍 縞 縮緬 レース地 多彩な布が絶妙に組み合わされ色彩も美しく 
 若い方の作品と思えるくらいみずみずしい感性です

90歳で亡くなるまで創作を続けられ 晩年まで新しい挑戦を続けられたそうです 

どの作品にも「あ」という字の縫い取りが入っています
それは綾子の“あ”という意味と 自然を見て「あっ」と新鮮に驚いたときの感動をひそかに縫いこんでいるつもりなのだそうです

魚の形をきれいに描くには背側を直線にし腹の方を曲線にする
 そして魚は大体受け口であることに気付いた時の喜びは忘れられない
とも書いてありました

驚きと感動 幾つになっても持ち続けたいものです