フレッド・ヴァルガス、『彼の個人的な運命』

 『彼の個人的な運命』の感想を少しばかり。

 “「わかってる。どうもその男は近づく人間に混乱を感染させるらしい」” 54頁

 ふふふ、これも面白楽しかった! 三聖人たちそれぞれ、本当に好きだなぁ…。とにかく彼らは、会話のセンスが尋常でない。それに、いかなる時でも自分の専門である時代の淵に片足突っこんだまま抜こうとせず(そんな必要感じてないw)、残る一方の片足もちゃんと地に着いてない…みたいな、そんなところが好き過ぎる。
 さらにこの話では、元内務省調査員のルイが、友人で元売春婦のマルトに持ち込まれた厄介事の所為で、落ち着きを失くして調子を狂わせてるのがおかしかった。思いっきり飛躍して着地する(ルイが受け付けないくらい)、リュシオンの見せ場はお気に入りの一つ。…個人的に。
 老ヴァンドスレールのグラタン食びたいよう…。

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