川上弘美さん、『古道具 中野商店』

 新幹線の中で読んだりしていました。
 倉橋さんや笙野さんの作品を読んだばかりなので、主人公たちが普通のお昼ご飯を食べたりしている場面で、とても和みました(人肉喰いとか絶対ないもの)。肩の力が抜けて、ほぅ…っと。

 『古道具 中野商店』、川上弘美を読みました。
 

〔 東京の西の近郊の小さな古道具屋でアルバイトをする「わたし」。ダメ男感漂う店主・中野さん。きりっと女っぷりのいい姉マサヨさん。わたしと恋仲であるようなないような、むっつり屋のタケオ。どこかあやしい常連たち…。不器用でスケールちいさく、けれど奥の深い人々と、懐かしくもチープな品々。中野商店を舞台に繰り広げられるなんともじれったい恋、世代をこえた友情。幸福感あふれる最新長篇。 〕

 カレーライスにカツ丼、マサヨさんの作ったなかなか美味しそうなタンメン…。この作品の登場人物たちは、しっかり地に足が着いた人たちの如く、いつもしっかりご飯を頂いている。その割には結構皆、どこかしらとんちんかんなのにね。 
 全然地に足が着いていないという訳でもないけれど、もの凄く風変わりというのでもないけれど、微妙に世の中からずれている感じがして、まあそこがわかりやすいと言えばわかりやすい。この人たちの中に入って行けたなら、何の気負いも要らなさそうな気がしてくる。  

 読んでいる最中がとても楽しかったです。たとえば私の好きな『真鶴』に比べると、あわあわしさが物足りなさにも繋がりますが、これはこれで好きでした。  


  チョキチョキチョキ…。  

 最近、近くのパン屋さんでハード系のパンを買うのが、日々のあぶくのような楽しみです。
 グラハム粉やライ麦を使ったパン・オ・ルヴァン。酸味がいい塩梅に効いています。

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