計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

ツバメのその後

2019年05月31日 | ツバメの観察日記

 先日、予報センター(事務所)の外壁にツバメが巣を作り始めました。前回(05月27日)の記事では、1羽のオスのツバメが巣を作り、そこへメスがやってきて・・・、という展開までをご紹介しました。ツバメは果たしてつがいになれたのでしょうか。

5月27日(月)

 この時期とは思えないような、照りつけるような日射しが降り注ぎ、朝から暑い日となりました。巣を見ると、ツバメが止まっています。そして、直ぐ横のベランダを見ると・・・




 もう一羽が止まっています。事務所の中を覗き込んでいます。天気予報の現場に興味があるのでしょうか。この表情が何とも言えませんね。




 一羽は巣の中に入り、もう一羽はベランダで周囲を見張っているような感じです。どうやら、二羽はつがいになったようです。めでたし、めでたし。

 それにしても、メスがずっと卵を抱く、いわゆる「抱卵」の様子はありません。実はこの日は真夏日となったので、産卵したとしても、抱いて温めると、かえって「ゆで卵」になりそうな暑さなのかもしれません。

 季節外れの余りの暑さに、ツバメもこの様子。




5月28日(火)

 朝の内は姿が見えなかったのですが、暫くして鳴き声が聞こえてきました。

 それから暫くして、ふとベランダに目をやると、ツバメが止まっていました。これは決してカラスの後ろ姿ではありません。




 巣の方に目を向けると、もう1羽が枯草を運んでいました。




 その後も、二羽が交互に出たり入ったり、直ぐにどこかに飛んで行く・・・を繰り返し、その様子は何ともせわしないものです。そういえば、あまり賑やかに鳴かなくなりました。鳴くには鳴くのですが、求愛の段階が終わって、落ち着いたようにも見受けられます。

 ついでに「ツバメの2ショット」です。仲が良さそうですね。




 ・・・それにしても、抱卵しなくて良いの?

5月29日(水)

 前日の夜から明け方にかけて雨が降り、午前中も雲の多い空模様となりました。こうなると、ツバメの姿はなかなか見えません。ただ、耳を澄ますと、ピィッ、ピィッ・・・とどこかで鳴いているようです。

 昼前になって少しずつ、雲の間から日射しが届くようになって、ツバメが1羽巣の中に現れました。何か巣の中に向かってモゾモゾと・・・何をしてるのでしょうか?そしてどこかへ飛び立っていきました。




 そして、ベランダに1羽が止まります。晴れて日射しが強まり、逆光で映りがよくありませんが、ツバメです。




 その後も2羽で飛び回ったり、ひょこっと巣に立ち寄ったり・・・抱卵の様子もなく、でも巣の中に深く潜り込む様子がちょくちょく見られます。

5月30日(木)

 最近は、出勤直後にツバメの巣の様子を確認するのが日課となっています。この日は朝から快晴の空でしたが、ツバメの気配がしません。しかし、どこかで私の出勤を見ていたのでしょう。数分足らずで、ツバメの声が聞こえてきました。

 1羽は巣の中に潜り込み、尾を外に向けるような体制を取ることが多く・・・




 もう一羽はベランダにちょこんと立って、チュピチュピチュピ・・・と鳴きながら、周りを見渡していました。毎日、ご苦労様です。




 それから程なくして、ベランダの1羽も巣に向かい、それから2羽仲良く飛び立っていきました。・・・暫く経つと、また2羽とも戻ってきて、数分後には再び飛び立ちました。最近は、こんなことを繰り返すようになりました。

 休憩中のツバメさん。頭をポリポリ・・・





5月31日(金)

 朝から雲が広がっています。私の出勤後、暫くしてツバメが巣にやってきました。




 その間、もう1羽がベランダに止まって周囲を見回しています。




 相変わらず、ツバメは出たり入ったりを繰り返しています。時折、チュピチュピチュピ・・・と鳴き声も聞こえてきます。

 6月に入ったら、雛の姿も見られるのでしょうか・・・。



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コアコンピタンスのポートフォリオ

2019年05月28日 | オピニオン・コメント
 このブログは本日をもって、開設より4900日目を迎えました。
 
 そんな日に、一つ気になる記事を見つけました。
 NEC、創薬事業に本格参入 AI活用、新型がんワクチン (gooニュース・共同通信)

 記事によると、NEC(日本電気株式会社)がAIを用いて創薬分野に参入するそうです。私にとって「NEC」と言えば、やはり「PC-9801」シリーズなどに代表されるコンピュータやOA機器のイメージが強いです。子供の頃は「PC-6001mkII」「PC-8801FA」「PC-9801F2」などに触れ、プログラミングに親しんだものです。

 さて、現在では、様々な電気・電子・機械メーカーが医薬品事業に参入するなど、従来の専門分野の垣根を越えて異業種参入する動きが見られます。その内、気象情報分野への異業種参入も珍しい事では無くなるでしょう。見方によっては、既に始まっていると言っても良いかもしれません。私も元々「気象学」ではなく「工学系」に身を置いていたので、「異分野参入組」と言えるでしょう。

 かつて、半導体事業に従事していた頃、当時の経営幹部から「これからは各自の『コアコンピタンス』が大事だ」と力説されたものです。この考え方については、私も同意見です。

 さらにこれからの時代は、自分のコアコンピタンス、もしくは「専門分野」と呼べるものは少なくとも「複数」必要になるでしょう。それらの専門分野(コアコンピタンス)について「フレキシブルなポートフォリオ」を確立することが求められるのではないか、と思います。

 ビジネスの世界は常に変化しています。一旦ポートフォリオを確立したからと言って、それがいつまでも通用するとは限りません。事業の対象分野がガラッと変わってしまうことも珍しくありません。どのような分野にも対応し得る基礎を固めつつ、様々な応用分野に目を向け、チャレンジし続けることが求められる時代になって来ているように感じます。

 さらに、巷では「AI」という言葉が「流行のファッション」のように使われています。周知の通り、AI(人工知能)は過去の蓄積された情報を基に類推・判断する事に長けています。つまり「与えられた問題を解く」事については、物凄い能力を持っています。これからの人間の役割は、むしろ「AIに解いてもらう問題」を見出すことにシフトすることになるでしょう。

 社会やビジネスの多様化は、それまでの細分化された専門分野を幾つも横断・融合するような課題を有しています。複数の分野から成るポートフォリオによって、新たに解くべき問題を見出す・・・例えば、Aの分野とBの分野を組み合わせたCという問題を設定する所までは人間が担い、それを解くのはAIに委ねる(人間がやると途方もなく骨の折れる仕事)という流れになるでしょう。

 何となく、そんなことを感じました。
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ツバメの巣作り

2019年05月27日 | ツバメの観察日記
 予報センター(事務所)の外壁にツバメが巣を作り始めました。今回は、ツバメの巣の作り始めから出来上がるまでの記録です。ツバメが巣作りをすると「縁起が良い」と聞きますが、実際の所はどうなることやら。

5月16日(木)
 最近、鳥の鳴き声が賑やかになってきた・・・と思ったら、外壁の換気口の上にツバメが巣を作り始めていました。


5月17日(金)
 巣の底(土台?)になる部分がハッキリと見えてきました。せっせと枯草や泥を運んで、少しずつ周囲の壁を固めています。


5月20日(月)
 土日も休まず働いていたのでしょう。周囲の壁が積み上がり、巣も大きくなってきました。ツバメもこちらに気付いたのか、カメラ目線を決めています。


5月21日(火)
 この日は朝から雨脚が強く、昼頃まで雨の空模様が続きました。ツバメの姿も見えなかったのですが、午後になって雨が止むと、微かにツバメの鳴き声が・・・そして、戻ってきました。


5月22日(水)

 巣の形もそれらしく仕上がって来ています。外壁がしっかりしてきたので、今度は内装を整えているようです。日中はツバメの鳴き声が聞こえてきます。


5月23日(木)
 どうやら巣が完成したようです。カメラに向かって、ツバメがドヤ顔を決めています。ツバメの鳴き声も、一層賑やかになってきました。メスが近くにいるのでしょうか。


5月24日(金)
 出来上がった巣にメスが来ました。オスも懸命にアピールしています。気に入ってくれると良いのですが・・・。オスの求愛?の鳴き声が一層、響き渡ります。頑張れ!!


番外編
 ツバメが事務所を覗き見ています。こちらが仕事をさぼらないように監視されているのでしょうか・・・(--;)。


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英語論文を読み進める

2019年05月19日 | 何気ない?日常
 先の10連休は時間の合間に英語論文の和訳を進めていました。和訳自体は連休中に完了できたものの、内容はさすがに高度かつ難解なものでした。

 この論文は、気温デリバティブに関する論文ですが、最初の式(1)を見た途端、目が点になってしまいました。そもそも、この式がどこから出てきたのか、全く書いていないのです。ひょっとすると、(ハイレベルな)金融工学や経済学の分野では当たり前の公式なのかもしれません。


 幸い、この論文は国内の研究者の方にも多く引用されているので、その引用先の文献(もちろん日本語で記載されている)のレビューを何報か読みました。その結果、ミクロ経済学に登場する「異時点間理論」に基づくものと判りました。

 以前、独学していた「ミクロ・マクロ経済学」の知識がこのような形でつながってくるとは。さらに「効用関数」を考慮すると言う考え方は、ミクロ経済学の応用問題と言っても良いかもしれません。国内では「天候デリバティブ」と言うと「天候リスク保険」のように、リスクテイカーとしては保険会社を考えることが多いのですが、実際にはさらに広く、市場の投資家にまでその対象を広げて考えることもあります。
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謹んで新時代「令和」のお慶びを申し上げます

2019年05月01日 | オピニオン・コメント
 美しき黄金週間に加え、改元と言う歴史的な出来事の調和もあり、世間は年末年始のような盛り上がりを見せているように感じます。超長期休暇を満喫される方もいれば、休日返上の繁忙期となっている方もいらっしゃることでしょう。

 年末年始(大晦日~元日)や年度末年度始(3月末日~4月1日)も節目ではありますが、これらは毎年のように訪れる周期的な節目です。しかし、改元は数十年に一度の歴史的な節目と言うこともあり、感慨深いものであります。

 これまでの自らの人生を振り返ってみると、昭和時代を小学校で過ごし、平成時代の始まりと共に中学校に進学し、それから学生時代を経て社会に飛び立ち、幾多の紆余曲折を経て今日に至ります。人生の過半数を過ごした平成時代は、言わば自らの基礎・基盤を固め、進むべき専門分野を確立すべく、自己研鑽と修行を重ね続けた時期であったように思います。そして、これから始まる令和の時代は、さらに次のステージに挑む時期になるかも知れません。

 さて、国内外の情勢に目を向けると、ネガティブな話題の多さに目を背けたくなることがあります。ナショナリズムとグローバル・スタンダードの対立も去ることながら、様々な思想や価値観のバランスを如何に調整するのか、難しい問題が山積しています。新元号「令和」は英訳すると「beautiful harmony(美しい調和)」。この言葉の通り、多くの問題に対して「美しい調和」の光が届くことを祈念して止みません。
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