計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

真夏に二つの高気圧の背景

2021年08月23日 | 気象情報の現場から
 8月の気圧配置と言えば「日本付近は太平洋高気圧に広く覆われる」形(夏型の気圧配置)が連想されます。しかし、最近の気圧配置は「日本付近がオホーツク海高気圧太平洋高気圧に挟まれる」ような形となっています。

 最近の大気の循環場を見ていると、次のような構図が「おぼろげながら」浮かんできました。


 熱帯付近の活発な対流が平年より北上しているようです。この影響で、偏西風の蛇行も日本上空で北に盛り上がる形となっています。この偏西風の盛り上がり(リッジ)に伴って、日本の北側でオホーツク海高気圧が顕著に現れました。

 一方、太平洋上空では偏西風が南に盛り下がり(トラフ)、この影響で太平洋高気圧もやや南下傾向にあるようです。
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梅雨末期のような「秋雨前線」

2021年08月13日 | 気象情報の現場から
 お盆の時期となりました。
 人の移動に伴うCOVID-19の感染拡大も気になる所ですが、秋雨前線の動向にも注意が必要です。まるで「梅雨末期の大雨」を彷彿とさせる状況です。関係機関から発表される気象情報・防災情報をこまめに確認することを心掛けましょう。


【参考になりそうな過去記事】
3種類の線状降水帯
バックビルディング型の線状降水帯
梅雨前線の構造
湿舌と梅雨前線
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暑い日が続いております。

2021年08月07日 | 気象情報の現場から
 猛暑日とも言えるほどの暑い日が続いております。

 最近の当地(北陸地方の日本海側)の非常に厳しい暑さは、直接的な要因としては「台風や熱帯低気圧に伴う南からの暖かく湿った空気の流入やフェーン現象の影響」とも言えるでしょう。

 しかし、その背景をさらに探ると「熱帯の活発な対流が北に寄っている」ようにも見えます。この影響で偏西風が北上し、高気圧が北日本で顕著となる傾向が見られます。

 この結果、日本付近の海面水温も平年よりも高めで推移しています。台風や熱帯低気圧にとっては勢力を維持しやすい環境となっているので、その点も気掛りです。
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