計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

大気大循環のメカニズムに感動

2007年01月31日 | 気象情報の現場から
 先日ニューロ理論のアルゴリズムが一通り形になったので、しっかり検証を・・・と思っていた矢先、大規模現象のメカニズム解析に当たる事にもなりました。本格的な大気大循環モデルはさておき、簡単な循環の仕組みを表現する手法を検討しています。要するに回転条件下における熱対流挙動の解析です。

 本格的な大気大循環や傾圧不安定波、高気圧・低気圧を再現するためには気象力学の方程式系を解く必要がありますが、簡単なメカニズムの解析であれば基本的な方程式系でもできるのではないか?というものです。これまでは局地的な現象の解析だったので大規模な熱対流や回転系の影響を考えるよりも複雑な乱流の三次元的な挙動を解析する事が主眼でした。取り扱うスケールの違いで、こんなにも悩みどころが違うのか!?と言った状態です。

 この問題を検討していると大気大循環の三細胞構造の理由や水平風の鉛直シアーによる波動の形成など、いろいろな大規模現象に関する知識がつながって、より大気の巨大なダイナミクスへの理解を深めることができます。ちょっとでもパラメータのバランスが崩れると、全く違う挙動を示します。それだけに、地球の大気現象は何と絶妙なバランスで構成されているのか!と感じます。この関連については、本格的に気象力学の方程式によるアプローチも検討したい所です。

 来月の半ばには共同研究でお世話になっている大学の研究室の研究会に参加予定です。あ゛!・・・って事はそのプレゼン資料も作成しなければ・・・。

 と、その前に今度の日曜日は漢字検定の試験日なんですよね・・・f(^^;)。
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怪しいハガキには注意しましょう

2007年01月29日 | 何気ない?日常
 仕事が終わってマンションに戻ると、無料運勢鑑定のはがきが郵便受けに入っていました。折角なので、文面を一部紹介しましょう。皆さんの郵便受けには、こんなはがき入ってることありませんか?

======= (引用はじめ) =======

二十一世紀 新しい運勢の出発!
一通のハガキがあなたの未来を左右する!!
鑑定には興味があった。しかし、誰に見てもらえばいいか、わからなかった。そんなあなたに幸福をお約束します。
健康運・仕事運・人間関係・愛情運・金運などを総合的に詳しくお伝えします。

姓名があなたの未来を語り出す・・・
姓名はあなたの分身であり人格の象徴です

アンケートにご協力頂いた方に無料鑑定書をもれなくお届けします
尚、詳しい鑑定をご希望の方は鑑定料三千円(学生は二千円)で総合鑑定を致します。

======= (引用おわり) =======

 いかにも霊感商法へのお誘いと言った感じですね。

 普通の占いや運勢鑑定の場合、誰が鑑定するのかは明示されているはずです。しかし、この手のはがきには鑑定士の名前は明示されていません。また、「お手数ですが50円切手を貼って下さい」という表示と、はがきのあて先には企業名が印刷されているのが特徴です。

 まじめに答えたところで、このままでは先祖因縁の影響で家族に不幸が及びますとかウマイこと言って、この因縁を払拭するには浄財しかないと言う巧みなセールストークで高額な印鑑や多宝塔、挙句の果てには高麗人参などを売りつける・・・というお決まりのストーリーが即座に読み取れました。

 ネットでも霊感商法の実態についてはいろいろと紹介されています。被害に遭わないためには、予めこのような霊感商法のアプローチについて知っておく必要があります。参考になるサイトとして一つ紹介しておきましょう。「霊感商法の実態」は、全国霊感商法被害対策弁護士連合会が運営しているサイトです。霊感商法に関する実例や訴訟関連資料、判決文の紹介や、被害に関する相談も受け付けています。法律の専門用語は難しいですが、なかなか勉強になります。
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漢字検定の受験票届く。

2007年01月27日 | 何気ない?日常

 日本漢字能力検定2級の受験票が届きました。会場はマンションから歩いて5分足らずの場所。しかも、日商簿記4級を受験した所でもあるので、馴染みがあります。迷子になる心配はなさそうです。もう残り1週間となりました・・・。

 そういえば、この週末は気象予報士試験なんですね。私が合格したのは第9回試験で2度目の受験でした・・・。第8回試験では学科でダブル落ちして、第9回で学科・実技共に一気に合格という、オール・オア・ナッシングのパターンでした。そして、この合格から実際に気象の世界に入るまでに数年掛かったわけです・・・。

 さて、私も時間差はありますが受験生です。2月4日に漢字検定、3月25日に○○市観光・文化検定3級をそれぞれ受験します。

 簿記や漢字など実務を進めていく上で必要な知識、というよりは常識として知っておきたい知識の勉強です。専門分野の勉強は実務を通じて深めることができますが、ビジネスパーソンである以上それだけでは不十分でもあります。必要な知識を学び、スキルアップするために勉強し続けなければなりません。当面は漢字、そして地域に関する勉強(←私自身この地域のネイティブではないから!)ですが、その次はいよいよ法律系の勉強ですね(特に民法、会社法辺りを重点的に)。

 まずは目の前にある目標、漢字検定2級合格に向けて勉強します。
 
 
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ニューロ・モデルの基礎実験

2007年01月23日 | 計算・局地気象分野
 早いものでニューロ理論を用いた気象予測の実験も始めています。気象庁の量的予報ガイダンスに近いレベルには達しますが、それ以上の劇的な精度向上は難しいようです。なるほどガイダンスの予測限界の理由がなんとなく掴めて来たような気がします。この程度の系統誤差はど~しても生じてしまうんです!どのような手法でもそれぞれに限界を持っています

 但し、気象庁の数値予報プロダクトを基にニューロ予測を行う場合でも、気象庁が量的予報ガイダンスとして提供していない形式での予測情報、つまり独自に必要とするカスタマイズド・ガイダンスの生成という分野でもニューロ・モデルの技術は使えそうですね。当面は自分が予報する際に判断指標として用いることにはなるでしょう。つまり、どのようなカスタム資料を用意するかが重要になってくるでしょうね。

 個人的には「♪こんなこといいな できたらいいな あんなゆめ こんなゆめ いっぱいあるけど・・・」なのでニューロ技術は重宝しそうです。カスタマイズド・ガイダンスの作成及び実用化に向けた予備実験につなげていきたいです。まあ、最も理想的なのは、独自に観測網を整備してその観測地点に関する局地気象予測というものでしょうけど・・・。観測網については、私一人の力ではどうすることもできませんので(爆)。

 そういえば、かつてはバイオメカニクスの専門出身でもあるので、ニューロンの話は懐かしくなります。大脳生理学の勉強でもしてみたいです。・・・学生時代はニューラルネットワークなんて空をつかむようなシロモノだったんですけどね。学生時代は関連の講義がまったく理解できなかったのですが、インターネットで調べて勉強したら独学でも理解できました。ホントに便利な時代になりました。

 さて、私は再び流体計算に戻ります。今度は計算力学的手法による気象予測の案件が山積しています。
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検定試験立て続け・・・

2007年01月22日 | 何気ない?日常
 乱流解析をちょっとお休みして、知能情報処理に興じている今日この頃です。

 気象庁の数値予報を基にしてより、具体的な天気予報へ翻訳した情報に量的予報ガイダンスがありますが、このガイダンスもまた予報誤差を含んでいるのは周知の通りです。このガイダンスの計算手法には統計的手法や知能情報処理の手法が多用されていますが、いざ自分でやってみると・・・なるほど~~ぉ・・・そりゃあ系統誤差が入ってしまうのもしゃあないわなぁと妙に納得してしまいます。ここからどのように誤差を攻め落とすか・・・じっくりと腰を据えてかからなければなりません。

 ところで・・・もう1月も下旬になりました(そうか、まだ1月か!)。いよいよ2月も目前です。2月といえば上旬に、いよいよ日本漢字能力検定2級の本試験です。そろそろ受験票が届く頃でしょう。それにしても、四字熟語がなかなか覚えられません。何せ、ほとんど使わないですからね(爆)。

 さて、東京の地で前職に身を置いていた当時から愛聴している、麻生詩織さんの名曲「愛のさすらい人」の歌詞に「時の流れが いつか悲しみを 消してくれるなら 見知らぬ町の何処かで別の 私になりたいのです」というフレーズがあります。確かに、かつての状況から見れば「見知らぬ町の何処かで別の私に」なっています。確かに・・・さすらってます・・・愛はないけど(爆)

 私自身、転職して当地に移ってくる際には、過去を振り返らず、自分の人生をリセットして全てを一からやり直す覚悟でした。そして今、この町において会社関係者を除けば知ってる人がいないという状況。まあ、いずれは有名人になってしまうかもしれませんが(謎)。

 そんな折、当地においても観光・文化検定なるものが3月下旬に開催されることになったようで「ホホ~ゥ、それなら拙者も『さすらい人』の意地を見せてやるわオラァー!!」ってなノリで、受験申し込みを済ませました(早)。早くも2種類の受験勉強状態に突入しています。まあ、地元に関する知識は営業上の必要知識なので、勉強しておかないといけないわけです。

 まあ、必要な知識は自分で勉強するというのが我社のスペシャリストに相通じる文化です。様々な専門知識もさることながら、種々の一般知識についても日々勉強して自らを高めていかなければならないのです。これから年度末にかけて、怒涛のようになだれ込んで行くことでしょう。
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脳は自らを理解できるか?

2007年01月15日 | 計算・局地気象分野
 そういえば・・・全然ブログを書いていませんでしたね。

 実は、最近ニューラルネットワークにハマっています。ようやくバックプロパゲーション型学習回路に3ビット信号の反転信号を返すパターンを学習させることに成功しました。何だか情報工学科の学生実験みたいな内容ですね。まあ、この程度の内容ですと、単純にNOT回路(インバータ)3つで実現できる論理じゃないか、そもそも気象と何の関係があるの?別に「学習」させなくても単純に反転させれば済むだけの話ではないか!という突っ込みが聞こえてきそうですね。

 ウッ、耳が痛い・・・確かに気象とは関係ありません。(なんじゃそりゃーぁ)

 でも、これが実現できた事は大きな意味があるのです。要するに、バックプロパゲーション型学習回路の独自のノウハウを持つことが出来たのです。あとは、このコードをいじくり回して数値実験がやり放題になります。そういう意味では、またあたらしい「おもちゃ」を手にした事になります。また一つ、奇想天外な研究が始まろうとしています。

 さて、天気の予報も究極的には人間の感性に委ねられる、とはこれまでも主張してきた事ですが、この人間の感性=経験的学習を数値モデル上で再現しようとするのがニューラルネットワークである、と考えることが出来るでしょう。

 気象庁の量的予報ガイダンスにもニューラルネットワーク理論は応用されていますし、民間気象会社の中にも独自のニューロ・コンテンツを配信している所もあるでしょう。天気予報にニューロ理論を導入するという発想それ自体は珍しくも何ともありません。むしろ、このニューロ理論をどのように活用するのか、何をやるのか、の問題ではなかろうか、と私は思います。私の中には大まかな構想があります。その実現手法について、これから研究することになるでしょう。

 ニューラルネットワーク/ニューロ理論というのはなかなか難しいと思われがちですがやっぱり難しいです。私が使用しているのは階層型ネットワークの基本的な内容ですが(しかし、バックプロパゲーションはいろいろなところで活用されています)、相互結合型ネットワークであったり、フィードバック結合型等、まだまだ未知の理論も多々あります。

 但し、これらの出発点はニューロンであるので、究極的には脳機能をコンピュータ上に再現しようとしているわけです。脳が自らを理解する時がいつの日か到来するのでしょうか。この辺の議論は興味のある方は各自勉強してみて下さい。

 私の言う「計算気象」は、何も計算流体力学には留まりません。数値計算による気象予測はその全てが興味の対象です。要は、独自の局地予報を実現するためのエキスパートシステムになれば良いのです。
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謹賀新年

2007年01月01日 | 何気ない?日常
 皆様、新年明けましておめでとうございます。

 さて、いつも年末を飾る名曲と言えばやはり交響曲第9番「合唱付き」。作曲したL.V.ベートーベンの「苦難を乗り越え歓喜に至れ」との思いや祈りが込められた名曲です。歓喜に沸き立つ心の高揚が壮大な混声合唱によって高らかに表現されています。

 また、この「苦難を乗り越え歓喜に至れ」と思想は交響曲5番にも現れています。運命に立ち向かう一人の英雄が雄々しく突き進む第1楽章に始まり、戦いに勝利しそれを賞賛する第4楽章につながります。この第4楽章ではトランペットやトロンボーンをはじめ金管楽器が高らかに勝利のファンファーレを歌い上げるのです。

 いよいよ2007年。昨年が苦難の年であったならば、今年はそれに続いて是非とも歓喜の年になって欲しいと願っています。しかも、「7」の年です。ラッキーセブンの年じゃないですか!

 私にとって昨年はささやかな悲願達成もありました。しかし、まだまだこれからです。ようやく本格的になってきました。今後はさらに研究の幅を広げていこうと思っています。その様子はこのブログやメールマガジンでもしっかり紹介していきます。

 本年もアクセル全開フルパワーで仕事に、予報に、研究にガンガンぶっ飛ばして行く所存です。昨年以上に爆弾発言や過激発言も飛び出すかもしれませんので、今年も心臓を強くしてお付き合いの程、宜しくお願いします!
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