計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

2005年度も終わりますねえ。

2006年03月30日 | 気象情報の現場から
 まもなく年度替わりですね。
 ちょうどこの時期は1年間の総決算と言った所ではないでしょうか?

 と言うわけでお久しぶりです。私は報告書を始めとする各種技術開発資料の作成や数値解析の総整理、日々の気象解析等々・・・まあ、いろいろやっております!!正直、資料だけでもどれだけ書いているか分かりません。

 一口に「資料を書く」と言っても、ただダラダラと文字を並べるわけではなく(爆)、書くために必要なデータを集計し、然るべき分析を経て、見解を纏めて、理論的に書き上げるわけです(まあ、常識ですな)。そ~んな研究レポートを何本も書く、と言った感じです。同じ一つの事業について、社内技術資料と社外に対する報告資料とではおのずと書き方が違ってきます(企業秘密事項の取り扱いがあるので)。その他にも突発的な書類作成もあります。

 計算気象分野でも、業務の一環として開発しているシミュレーション技術の他に、予備検証用として用いていた独自のシミュレーション・モデルの研究報告書も纏めています。私は唯でさえ忘れやすいので(単に歳を取ったと言うのもあるかもしれない!?)、これまでやってきた事をしっかりレポートという形に残しておかないと、後でワケが分からなくなってしまうのです。それ以前に、研究に関することはノートに書き記していますので、忘れることはないのですが・・・。

 ・・・どうやら4月上旬までは資料作成ラッシュが続きそうです。
 
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こっちは数学だけで9時間以上ザラですよ

2006年03月13日 | 計算・局地気象分野
数学だけ5時間…東工大「究極の1科目入試」今秋から (読売新聞) - goo ニュース

 東京工業大学が1科目入試を実施するとは・・・私が受験生の頃には考えられなかったことですねえ。まあ、当時の国公立大学は大学入試センター試験が必須でしたからねえ。今も大抵の所は5教科7科目の受験を義務付けているようですが・・・。今度は数学1本だけで国立大学を受験できるというのが、信じられない。一体どんな問題が出てくるのか興味があります。まあ、競争倍率もすごいことになりそうだなあ・・・。

 確かに受験勉強は大変だろうと思います。しかし、ここでみっちり基礎学力を固めておいたかどうかで、大学に入ってからの伸び方が違います。私は理系だったので理系の場合でお話しますと、受験勉強で必死に学ぶ(鍛える)であろう数学(特に微分積分)があやふやだと、大学生としてやっていけません。別に脅かすつもりはありません。私が見てきた事実です。

 受験勉強というのは単純に受験で勝つためだけのものではありません。大学というハイレベルな場で自分の勉強を積み上げていくための基盤作りという意味合いも十分に含まれているのです。現在の高校のカリキュラムのことは分かりませんが、しっかりと基礎が固まっている人とそうでない人の差は、どんどん広がっていきます。要はやるべきときにやるべきことをしっかりやっておけばその後がスムーズにいく、と言う事です。

 さて、タイトルに書いた「数学だけで9時間以上」というのは私のシミュレーション研究の過程では非線形偏微分方程式の時空間4重積分を始め、テンソル解析や離散化など、数式と格闘することも珍しくありませんでした。もう1日中数学の試験を受けているようなものです(爆)。専門職にとっては日々是勉強です。このままでは即身成仏しちゃうかも?
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さ~て、今度の週末は?

2006年03月09日 | 気象情報の現場から
 3月14日の直前の週末!ということで・・・約1ヶ月前にプレゼント?をもらった皆様はお返しは3倍返しで!という暗黙のプレッシャーを受けながら?いそいそとデパート等でお返しの準備に明け暮れるのでしょうか(ってな具合に煽って楽しむのがいとをかし)。まあ、私にとっての3月14日と言えばもちろん「円周率πの日」!ここぞとばかりの数学ネタですね。

 そういえば・・・sin,cos,logなど最近使っていないんですね。微分積分は北斗百列拳のように出てくるんですけどね(爆)。

 気象(というより広義の熱流動現象)の動きは非線形偏微分方程式で記述されるため解析的に解く事が非常に困難であり、数値積分によって数値解を求める・・・ってのは、気象系(例えば気象予報士など)の方ならご存知と思いますので、この辺の解説は割愛します。さて、機械は四則演算の組み合わせしか計算できないので(機械は微分積分が出来ない)、空間内に連続的に分布する物理量を、空間内に離散的に分布する格子点上に物理量で表現し、その四則演算の組み合わせで表現するわけです。

 この組み合わせ方(スキーム)一つで結果が微妙に違ってみたりするわけです。また格子の組み方やきめ細かさの影響も大きいですし、格子点1個に着目してその周りの演算をどのように行うか・・・を細かく決めていく必要があります。自分で書いていて良くわからなくなってきましたが、数値シミュレーションというのは、細やかな計算の組み合わせが複雑に絡み合って一つの大きな結果を出すものなのです。

 1年もこの分野にどっぷり使っていると寝ても覚めても、計算アルゴリズムのことを考えてしまいます。今年度の目標達成まであと少し!すがすがしい気持ちで年度末を迎えたいものです。もちろんその傍らでしっかりお天気の研究も進めてるんですけどね!

 さ~て話は戻って、今度の週末は世の幸せな?殿方の皆様はホワイトデーの準備で顔面蒼にならないように・・・!!な~んちゃって。私はずっと仕事ですよ~ん♪
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♪卒業だけが自由でしょうか~ぁ

2006年03月05日 | 何気ない?日常
 どうしてかは分かりませんが、♪卒業だけが自由でしょうか 逢えなくなるねと 右手を出して ・・・(中略)・・・春なのに お別れですか 春なのに 涙がこぼれます 春なのに 春なのに ため息また一つ ・・・の歌のフレーズが頭の中で鳴り響いています。それにしても・・・これで歌詞が合っているのかは自身がありません。

 暦はもう3月に入りました。この冬から春の到来の時期がとても好きです。春は別れと出会いの季節。そして、中には新たな門出を迎えられる方もいらっしゃるのではないでしょうか・・・。年末年始よりも年度末年度始の方が、私にとってはより深い思い入れがあります。年末年始は単なる冬休みのイベントなのですが、年度末年度始はそれこそ、何かが終わり、新しい何かが始まる時なのです。

 場合によってはそれまでの人生とは違った新しい人生の始まりとなる事もあるでしょう。就職・進学・進級・転職・人事異動などインセンティブは人それぞれとしても、新しいスタートを迎えようとしている皆様のご活躍をお祈りしております。

 私の場合は4月の半ばでようやく、私も晴れて計算気象予報士になって1年目を迎えるわけです。この1年を振り返ってみると、これまでの人生の中で、特に新卒で就職してからのトータルで約5年の中で最も静かに時間が流れて行ったように感じました。それは決して単調な日々で終わったと言うのではありません。一つ一つの分野の勉強や研究・技術研鑽に、それこそしっかりと腰を据えて取り組む事が出来たということです。

 そして、今はその1年の成果報告書を纏め始めています・・・。これが一区切りつく頃には・・・本格的な春の到来となることでしょう。

(※)ところで冒頭に歌っていた歌って・・・何と言うタイトルなのでしょうか(爆)
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秀才よりも人気者?・・・

2006年03月02日 | オピニオン・コメント
日本は「できる生徒」より「人気者」…高校生意識調査 (読売新聞) - goo ニュース

 記事によると「米中韓では「勉強ができる生徒」を志向する傾向が強いのに対し、日本の高校生が最もなりたいと思うのは「クラスの人気者」。もっぱら漫画や携帯電話に関心が向けられているという傾向も表れており、“勉強離れ”が際だつ結果となっている」との事・・・。

 まずは「国際的な比較」と言う事を考えると、日米中韓の4か国だけで良いの?って率直に思いました。教育水準の高さで言うならば、インドやフィンランドも注目すべきではないか?と個人的には感じています。他の先進国との比較結果にも興味があるところです。・・・とまあ文句を言っても始まりませんね。

 米中韓では「勉強ができる生徒」を志向する傾向が強いと言われると、その他の国の場合はどうなのよ?と突っ込みたくなる欲求はさて置いて、日本の高校生が最もなりたいと思うのは「クラスの人気者」ですか~~(納得)。

 私自身、過去を振り返ってみると・・・クラスには必ずと言って良いほど人気者的な存在がいました。しかし、人気者って「なってやろう」と思ってなれるようなものではないように思います。もともとの人徳?というか天性のキャラクターによって支えられているような気がしてなりません。子供の頃から世渡りの上手いタイプってどこにでもいるものです。なれと言われてなれるものではないのです。確かに、周りから敵視されて虐められるのはマッピラゴメンですが・・・。

 それにしても・・・勉強が出来る事と人気者である事が対極的になっている事がちょっと気になります。勉強が出来てスポーツも万能で人気者ってタイプもいれば、勉強は苦手でも明るくひょうきんな人気者もいるのです。この辺はアンケートの取り方・解釈の相違と言った所でしょうか。

 記事の中でなるほどと頷けたのは、最後の「未来志向の米中韓に対し、日本の高校生は現在志向が顕著で、『勉強しても、良い将来が待っているとは限らない』と冷めた意識を持っている」という一文でした。

 確かに、一生懸命勉強したからと言って良い将来が待っているとは限らない。では、その逆はどうか?一生懸命勉強サボったから良い将来が保証されている?・・・馬鹿な事言うんじゃない!とお叱りを受けそうですねf(^^;)。ある先生が「人事を尽くして天命を待つ」という言葉を文字って「人事を尽くさずして天誅が下る」と言う格言を示されました。これは上手い!

 人事を尽くしても良い結果に結びつくかどうかはわからない。努力に裏切られる事もあるだろう。しかし、だからと言って始めから投げ出すような姿勢では決して、人生の逆転満塁ホームランの大砲を放つことはできない。私はよく宝くじも買わなきゃ当たらん!という言葉を使います。み~んな言ってることは同じなんです。

 人事を尽くす、宝くじを買う、努力をする、それぞれの言葉は違えど、言ってる事は同じ。自分をより高めていくための勉強をすること。ちなみにここで言う「勉強」とは、学校や塾のお勉強が出来るという狭い意味には留まりません。知識を仕入れることはもちろん、色々な人とふれあい、様々な経験をし、成功もあれば派手に失敗する事もあり、そんなこんなを繰り返しながらも、何かを掴み取って少しずつでも成長していくこと・・・。簡単に纏めると「未来の自分に対する先行投資」です。

 私も学校のお勉強はあんまり得意ではなかったなあ・・・。小学校の頃は勉強もスポーツも子供同士のふれあいも全てダメだったこともあり、このまま高校にさえ入れないのでは・・・と両親に将来を絶望されていた程だったのです。でも、人一倍勉強しましたよ。中指のペン胼胝が痛くなるくらいに・・・。やっぱり昔からスペシャリスト志向が強かったことが大きく影響していたのかもしれません。

 ちなみに、子供の頃は気象にはぜ~んぜん興味がありませんでした。そんな私がなぜ気象予報士になったのか?それは気象トレンド未来予報を御覧の皆様はもうご存知ですよね!

 まあ、教科書だけが全てではないと思います。でもね、いろんな知識を吸収し理解していく上で、教科書から学ぶ知識が基礎になるんですよね。学校で勉強する事が即実用的かと言うとそうでもないかな~・・・って思います。しかし、より実践的な技術を学んでいく上で、それまでに学校で勉強した知識が活きて来るのです。

 例えば、(この意見には異論反論もあるかもしれませんが)、気象予報士試験の勉強を進めていく上で、数学や物理の基礎知識や思考力は必須です。そして、私のようにCFDを中心とする計算力学や数理モデルを駆使した局地気象へのアプローチを専門に行う方にとって、高等数学はもはや常識です。そして、このような基礎知識は既に学校で学んでいるのです。

 所詮、学校で学ぶ知識というのは未来に出会う知識を理解するための基礎知識に過ぎません。本当に必要なことを理解し、認識するための準備する場が学校なのです。そう考えると、今が楽しければそれで良いと言うのは、ちょっと先が恐ろしいなあ。

 その前に、今頑張るとこんな素敵な未来が待っているよ!っていうお手本が見出せない現状にも問題があるのかなあ。幸せな人生のお手本なんてあってないようなものだと思うのは私だけでしょうか?なぜなら幸せの定義って人それぞれなのだから。
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