計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

コーチング研修を受けてきました・・・。

2006年05月27日 | 何気ない?日常
 まあ、研修を受けてきたとは言っても、別に会社の研修の一環と言うわけではありません。ぶっちゃけ、そもそも弊社に社員研修という文化はありません。必要な知識は自分で何とかして勉強しろ!という社風です(ウチの会社はベンチャー企業です)。私がコーチングだの簿記検定だのと言っているのは全て、自分でその必要性を感じているからです。今度はマーケティングやビジネス法務辺りですかね。

 そういえば、最近はリカレント教育(=生涯学習)という言葉も珍しくありません。最近では私立大学等を中心に、広く一般市民に大学を開放し、趣味・教養・芸術・ビジネス等の講座を開講する事も少なくないようです。しかし、このような講座の大半が、大学の通常の時間帯に設定されているので、私のような普通のヒラリーマンが会社帰りにちょこっと・・・というわけには行かないのです。

 そんなこともあり、休日に開講されていて、しかもスキルアップに繋がりそうな講座を探し出して受講してきたわけです。今回の研修はコーチングとと言ってもその基本となる「コミュニケーション(会話)」に関する研修でした。

 会話はキャッチボールでありながら、実際にはキャッチボールになっていないケースも多いようです。一方が何かを尋ねたときに(ボールを投げる)、相手が何かを答える(ボールを投げ返す)というのが基本形です。

 しかし、相手からのレスポンスを待つことなく、次から次をと言葉を投げかけたらどうなるでしょう。それは相手に向かって次から次へとボールを投げるのと同じ事。相手はそのボールを受け止めきれなくなります。相手が何かを返そうとしているならば、それを待ってあげることも大事と言う事です。この時に沈黙が生じるのは悪い事ではないのです。

 また、感情に任せてボールを投げつける(もっとも「ぶつける」と言った方が良い)場合があります。いわゆる「言葉の暴力」です。このようなボールを、相手が受け止めることが出来るでしょうか・・・。

 とにかく人は直ぐに評価・忠告・助言をしたがるものです。しかし、それを受け止めるのか否かは相手の専権事項なのです。相手が「はい」と言ったからといって本当に納得したとは限らないのです。もしかしたら、その「はい」は嘘なのかもしれません。相手が受け止めやすい伝え方、相手を受け止める聴き方、というのは重要なスキルであると感じました。

コミュニケーション(会話)の主なポイントを纏めると・・・
・相手の話は最後まで聞く。
・言葉だけでなく、トーンや感情、テンションも合わせて受け止める。
・相手の話した内容を反復して受け止める。
・適度に相槌を打ち、その次の展開を促す。

・・・ここまで書いてみて、やっぱりこの研修は私よりももっと受講すべき人がいるのではないか、それも私のごく身近に!な~んて思っちゃいました。実は研修中、ずっとそのお方様の事を思い浮かべておりました(悪い見本として)。なるほど、講師の先生の言っている事が良くわかりました。
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何気ない日常

2006年05月22日 | 気象情報の現場から
 週末はCAMJの楽しい楽しい(んなワケないやろ)定期総会に行ってきたので疲れた身体に鞭打って出勤です。職場では、個人のPCが超ウルトラスーパーヘビー級の数値計算が常時稼働状態なので、高速計算PCの導入の話が何度も決済されている筈なのですが・・・何時になったらが来るのか?

 その傍らで、局地的な現象の発生ポテンシャルの予測法の研究も進めています。こういう地道な研究が重要なんだろう・・・とつくづく感じています。どんな現象でどんな研究かは書けませんが、その地域に発生する特定の現象・・・というのは案外気象庁の一般的な予報では取り扱っていないものです。

 一見、「お天気」とはちょっと違うような現象も、地域を絞って特性を分析してみると何かが見えてくるのかもしれません。

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写真撮影

2006年05月16日 | 気象情報の現場から
 今度の土曜日はCAMJの楽しい楽しい・・・?定期総会です。その翌週末は国内某所でお勉強、6月11日には試験の予定が立て続けに・・・。まあ、勉強し続けて技術に磨きを掛けていかなければなりませんから・・・。

 さて、職場の写真撮影がありました。要は業務風景をPR資料に掲載するのだとか・・・。普段はめったにネクタイなど締めないこの私ですが、撮影の約20分間だけは首を絞められる思いを我慢してました。ここ1年で(つまり今の会社に転職した辺りから?)首周りとお腹の辺りが太り気味なので・・・Yシャツのサイズが合わなくなってきているのです。

 ようやく撮影が終わったようで、「やれやれ~、終わった、終わった~ぁ」とばかりにネクタイを外してホッとしたのもつかの間・・・撮影で来ていた方が(世間話で)対応していた先輩気象予報士に「今年の梅雨の雨量はどうですか?」と話題を振ってきました。

 ネクタイを外し終わってすっかり気が抜けた私でしたが、事もあろうに?その先輩がいきなり「Tさん(=つまりこの私)、この梅雨はどんなもんでしょう?」といきなりこちらに話を振ってくるではありませんか!?「えーーーっ!?そりゃないよ~~ぉ」と思ったのは一瞬で、あれよあれよと巧妙な語り文句が口をついて出てくるのでありました。ま~、なんだかんだと言っても、いざと言うときに言葉がポンポン口をついて出てくるのは日頃の勉強の成果かな?・・・それにしても勉強することは膨大にあります。
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レーゾンデートルの否定か・・・?

2006年05月14日 | オピニオン・コメント
測候所原則廃止の方針 公務員削減で気象庁 (共同通信) - goo ニュース

 ついに現実のモノとなりそうですね。ここでは敢えて賛否は書きませんが、単純にこの事実に対する感想としては、測候所のレーゾンデートルが否定されたんだなあ・・・

 国土交通省や気象庁サイドからはもしかしたら「いやいや、本当はそんなことはしたくなかったのだが・・・」という声が聞こえてきそうでもありますが、結局は結果で判断されるのです。本当にコストの掛かる観測こそ、ある意味「公的気象機関」としての重要なレーゾンデートルではないかと思うのですが。最近のリストラを見ていると、観測を中心にリデュースしているように思えてなりません。

 観測設備には莫大なコストが掛かります。アメダス1地点分で数百~1千万円以上です。大手なら可能かもしれませんが・・・投資対効果が明確に出るまでには時間も掛かります。極端な話、自前で独自の気象衛星をぶち上げる民間気象会社はありません。

 民間でできる所は民間にというフレーズは何度も聞きましたし、その趣旨は理解できます。この言葉を文字れば、民間でできない所は公的機関でと言う事になると思います。この部分こそが公的機関のレーゾンデートルになると思いますが、その部分が否定されるような動きになってきています。この路線では官民の違いがより一層見えにくくなるのではないでしょうか。官民の線引きが曖昧にならなければ良いのですが。

 この結果、地域に密着した気象情報会社がその穴を埋めるニーズが高まってくるのかもしれませんね。投資してくれるエンジェル募集中!
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GWではありますが・・・研究に休みはありません。

2006年05月04日 | 気象情報の現場から
 私の自室のノートPCで動作していた超重量級シミュレーションも何とか無事修了しました。プログラム動作時間にしてまさに46時間!。今回作動していたのは・・・局地的な山岳地形条件を考慮した、熱移動を伴う3次元乱流現象の数値計算シミュレーションです。しかも有限差分スキームも高次精度化が進んでいるので、チマチマと?細かい計算が増えているのでトータルでの計算量が増大しているのです。まあ、ようやくここまできました。

 さて、昨日は「予報のソースを天気図ばかりに偏らないで・・・」という話題に始まりCAMJの行事の紹介に展開しました。もう少しこの辺のお話を書こうと思います。さて、読者の皆さんもテレビの天気予報は毎日チェックされていることでしょう。その天気予報は気象予報士のキャスターが解説することが多いのですが、どこも似たり寄ったりの予報に見える、なかなか当たらない、と言う声が聞こえてきそうです。

 その根本には、気象予報士は基本的に(気象庁が発表している)同じ天気図を見て判断するので同じような予報になってしまう、という事があるのでしょう。気象予報士の事を天気予報士と思っている人もいるようですが、全く違います。晴れ、曇り、雨などの「天気」だけを予報することが気象予報士の守備範囲ではありません。

 ちなみに・・・私の場合はこのような「天気」の予報を行っているわけではありません。それでは一体何を予報しているの?と突っ込まれそうですが、その詳しい所は企業秘密事項なのでうっかりこの場で言及する事は出来ません。

 しかし、単なる天気だけではなく「局地的な大気現象」という視点で考えてみると、特定の地域に特有の現象が発生するような事例があることでしょう。このような地域特有の現象の発生を予測する事が局地予報の究極のレーゾンデートルに繋がるものであり、そのためのアプローチのメソドロジーとして、総観規模の天気図や局地天気図だけでは不十分ではないか?また違った切り口があるのではないか?という考え方があります。

 そこで「予報のソースを天気図ばかりに偏らないで・・・」なのです。予測対象の現象がどのような気象場の時に発生するのか、その概要を解き明かし理解する上で天気図はとても有効です。そしてさらに、その現象のより詳細な挙動であったり、どのような要因パラメータが支配的なのかを解き明かすためには、計算シミュレーションのような数理解析的手法が威力を発揮するのです。

 つまり、天気図の分析と計算シミュレーションは水と油なのでは無く、相補的な関係にあるのです。シミュレーションの結果は数値データの羅列です。これをビジュアルの天気図と言う形に表す事はとても有効です。
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「てんきすと」届く

2006年05月03日 | 気象情報の現場から
 皆さんはこのGWを如何お過ごしでしょうか?

 私はのんびりとした休日を満喫しています。しかし、PCでは超重量級シミュレーションを動作させています。何種類もの研究テーマを抱えていると、休日もこんなものです。

 さて、CAMJの会報「てんきすと」が届きました。何やら顧問等会議が開催されたようで、その際の顧問の先生の言葉が紹介されていました。特に印象深かったのは・・・

(これからのCAMJ期待したいこととして)
●予報のソースを天気図ばかりに偏らないで、大気状態の数理的な理解に立脚した新たな予報のあり方を模索して欲しい。
●天気の実態を見ること、GPVを活用すべきである。

 の2点です。私が研究しているテーマと見事に符合していることに、正直驚きました。

 CAMJの活動のいわばメインとも言える行事が「天気図検討会」。その名の通り、種々の天気図(実況地上天気図、実況高層天気図、数値予報図など)を分析(色鉛筆でぬりぬりして・・・など)して大気の立体構造を理解して予報を組み立てていく・・・と言った内容です。主に、気象台等の予報官や民間気象会社の予報担当者、OBなどが講師となって指導することも多いようです。

 資格を取得してもそれを活かせる場が少ない事もあり、実際に気象関連業務に従事している会員が少ない中、このような実習を通して技量の向上を図ることはとても意味のある事です。この他の勉強会も少しずつ開催されるようにはなってきましたが・・・大都市圏に集中しているのが事実です。地方支部単独で開催するには天気図検討会が最も手頃なのかもしれません。天気図の準備ができれば、後は何とかなるものです(という話を主催者サイドから聞いた事があります)。

 逆に例えば話題提供中心の会合をセッティングする場合、話題が集まってくる保証はありません。話題を提供する人が常に確保できるわけではないので、ある意味リスキーな企画なのかもしれません。

 そんなこともあってか、全体的な活動が天気図検討会に偏っているように見受けられるのもまた事実。「予報のソースを天気図ばかりに偏らない」為には、その新しい方向性を見出している会員が、より積極的にアピールしていく必要があるのかも知れません。

 私の場合は、数ヶ月に1度の割合ですがCAMJ仙台支部で話題提供するように心がけています。今現在私が潜伏?している所から仙台へ行くためには、一旦新幹線で大宮まで出て、そこから乗り換えて新幹線で仙台まで行くしかありません。もしくは、泊りがけ覚悟で、一旦在来線で県庁所在地まで出て、そこから更に在来線を乗り継いで、米坂線~羽越本線乗り継いで山形まで出て、そこから仙山線・・・あ~やっぱりコストは高くつくけど新幹線の方がマシ!

 この状況からも既にピン!と来た方もいらっしゃるかもしれませんが、私は東北地方からちょっと外れた所にいます(それでも立派な仙台支部会員じゃ!)。実は、今いる県は県単独でCAMJの支部が存在しています。さて、私はどこにいるのでしょう?
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新しいビジネスの誕生に期待したい。

2006年05月01日 | オピニオン・コメント
「1円」会社設立も…新会社法施行で窓口フル稼働 (読売新聞) - goo ニュース

 いよいよ、この日が来ましたか。誰でも手軽に起業できる時代になってしまいましたね・・・。それが良いのか悪いのかはわかりません。ただ一つ言えるのは「チャンスは広がった」と言う事です。このチャンスを活かすも殺すも起業家次第です!

 起業と言うと非常にリスキーな「人生の一大事」という側面もありますが、その一方で会社に勤めながらサイドビジネスとして起業する、というメソドロジーも提案されています。「情報起業」や「週末起業」が良く知られている所です。かく言う私も「週末情報起業家」の一人です。ただ・・・儲けはもう、スズメの涙です。

 遂に施行された「新会社法」では1円での株式会社の設立が可能になり、また取締役も1人でOK等、週末起業法人の実現もより容易になりました。これからの時代は複数の企業に所属する(平日は会社員、週末は社長)ようなビジネスパーソンも増えてくるかもしれません。このような「兼業起業家」であれば、仮に新規事業が失敗しても路頭に迷う心配が無いので、大いにチャレンジできるかもしれません。

 しかし、そこで立ちはだかるのが・・・就業規則に明記されている「かもしれない」副業禁止事項ですね。でも、自社の力だけで従業員の生活をギャランティーできるのならば副業禁止も一理ありますが、能力主義・成果主義・非正社員化が進んでいく状況下で企業へのロイヤリティーがどこまで見込めるのか・・・?ちょっと頭をひねってしまいます。いろいろな事にトライして経験を積む事は企業にとっても社員にとってもプラスになると思えるのですが・・・それはもう読者の皆さん一人一人の置かれている状況によっても違うので一概には言えないのでしょうね。

 1円起業で新しい気象情報会社が誕生するかどうかは未知数ですが、まあ気象業務法17条に基づく予報業務許可が無いと独自の局地予報が出せないので、相変わらずハードルは高いでしょうねえ。・・・かと言って「週末情報起業」に手を伸ばしても、はっきり言って儲かりません!経験者語るフォ~~\(●O●)/。

 私の古くからの?知人達は「○○さん、会社を起こそう!・・・って考えは無いんですか」と言ってくるのですが、新会社法が施行された今も尚、私の起業構想が実現するにはハードルが残されています。まあ、ビジネスプランや戦略面、マーケティングと言った部分が弱いのはデフォルトとして、実は思わぬ所にも落とし穴が・・・

 それは何と、登記上の「住所」です。え~!?それって、自宅で良いじゃん!と思われるかもしれませんが・・・私の場合は「賃貸マンション」に住んでいるので、こちらの住所を勝手に法人登記に使用する事は出来ません。ですから、どこかの事務所を間借り・・・することになるのかなあ。

 法人化の前にまずは「儲けの仕組み」をしっかり固める事が先ですねえ。私が事務所を構える日は・・・果たして来るのだろうか・・・(爆)。

 そういえば「ウィークエンド気象トレンド研究所」「おきたまお天気ねっとわーく」という週末情報起業サイトを運営しておりましたが、今ではコンテンツがサイトから完全独立してしまいました。有料メールマガジンの収益は安定しておりますが、中々厳しい状況が続いております。やっぱり「独自の予報」が出せないと厳しいのかなあ・・・。

 まあ、一人ぼっちで起業するのは難しいのかもしれないなあ。技術的な専門知識それ自体はコンテンツ(商品)開発で重要ですけど、財務・法務に関する知識も必要ですし、インターネットビジネスにおける営業戦略も必要になってくるでしょう。

 いろいろと書いては見たものの、新しいビジネスの発展に期待したいものです。私も何らかの形で挑戦したいですね!
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