計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

夏の試験も一区切り・・・ですね。

2007年08月26日 | 気象情報の現場から
 今日は、夏の風物詩である気象予報士試験だったようですね。大学院入試もそろそろ一区切りついた頃でしょうか・・・。私の場合は相変わらず、勉強に研究にトレーニングに・・・追われています。

 最近は自分の研究も去ることながら、文献調査の方に力を入れています。地形と風に関する研究は気象学のみならず工学の分野からもアプローチされています。論文の文面からは数値シミュレーションのディティールまでを窺い知る事はできませんが、それでもやはり著者の数だけ手法があるのです。例えて言えば、同じ交響曲でも指揮者やオーケストラが違うと「こうも違うのか」と思える位違います。また、シミュレーションの他に気象学的なアプローチもなかなか興味深いです。地形効果を流体力学で説明しようとする試みもあり、例えばV字峡谷での風速強化メカニズムの説明で、ベルヌーイの定理を基に位置エネルギーが運動エネルギーに変化されるため、という論理展開をしている文献もありました。なるほど、こういうやり方もあるのか!と思いました。様々なアプローチに触れていると、また新しい研究のアイデアが閃いて来ます。

 さて、気象業務においては「気象監視体制」がまだ続いているので、特に山沿いに発生する局地的な雷雨の発生についても、何とか少しでも予見できないものかと検討を重ねております。数値予報のデータを見る際も、湿度の鉛直分布や上空の寒気も去ることながら、あるものにも注目し始めています。ここまでくると物理的な根拠というよりは、シックス・センスに近いものがあります。まあ、神出鬼没の雷雨を予測するのはやはり至難の業です。しかし、だからといって「やっぱ無理だわ」と匙を投げるわけには行きません。これもまた一つの研究です。

 さて、夏の試験も一区切り。で・・・いよいよ夏休みが明けると今度は、大学の定期試験の季節ですか?(爆)。もう「秋」がそこまで来ています。
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夏休みもそろそろ終わり・・・でも、受験生は頑張っているのだ。

2007年08月19日 | 何気ない?日常
 この時期は、世間では夏休み、受験生にとっては天王山ですね。それにしても暑い最高気温記録は塗り替えられるし・・・。今月の下旬には気象予報士試験もありますし、また大学院入試の季節でもあります。ちなみにこの夏、私がどこかの大学院を受験すると言うわけではありません。

 日々会社では気象業務として気象データの分析や技術開発に文献調査、そして日によっては気象監視に追われている訳ですが、部屋に帰ると今度はトレーニングです。「勉強」ではなくて「トレーニング」なのです。ここで、勉強とは未知の知識をインプットする事であり、トレーニングとは一度インプットした知識を使ってアウトプットする事です。要するにいろんな大学の講義で用いられる演習課題や定期試験問題、そして大学院の入試問題をひたすら解いていくというものです。実際にやってみた感想ですが、これはなかなか勉強になります。とは言っても、スラスラ解けるものではありません。一つの問題にず~っと頭を抱えて時間を掛ける事も・・・。ですから、勉強の後には充実感を伴いますが、トレーニングの後には疲労感を伴います(爆)。

 ここ1ヶ月は「流体力学」の問題をメインにトレーニングを行っていました。最近は、夢の中でも問題を解いているような状態にも陥りました。この前は・・・確か、粘性流体の問題をNavier-Stokes方程式を積分して厳密解を得ようとしていた所で目が覚めました(爆)。一通り解き終えた所で、正しい答えが分からないので採点のしようがありませんが、それよりも解く過程で、色々と調べたり計算を繰り返すことに重点を置いています。分からなかった所はまた、インターネットや図書館で調べれば良いのです。

 何も「今更」そんなことしなくても・・・そんな声も聞こえてきそうですね。実は、最近色々な文献を読んで見て、自分の基礎知識の衰えを感じたのです(一度勉強した事でも、時間が経てば忘れてしまいます)。しかし、だからといってゆっくりとまた「教科書開いてお勉強」とも言っていられないので(そこまでの余裕はない)・・・手っ取り早く実践的な頭のトレーニングとしてこのような事を始めたのです。それに今は「脳トレ」がブームですからね。

 基礎知識を学び理解するには書籍・文献を沢山読む事が大切ですが(とにかく知識を仕入れるというのであれば)、いざその知識を使いこなして具体的な問題解決に役立てるという段階では、実際に試行錯誤して「やってみる」事が必須です。その一番簡単な練習方法が「問題演習」なのです。

 さて、同じ理系学部でありながら、しかも「理工系」と一括りにされる「理学部」と「工学部」。この両者の違いは何か?という話題で良く聞くのが・・・
○理学部:未知の自然界の原理・法則を解明し、体系化された知識の形にまとめていく。
○工学部:これまで解明されてきた自然界の原理法則を用いて、具体的な諸問題を解決に導く。
・・・という指摘です。早い話「理学部は基礎を担い、工学部は応用を担う」という事です。

 なるほど私の日常を見ても、用いている方程式や基礎理論、原理・法則は既に確立されたものであり、私がやっている事はそれらのいわば「素材」を組み合わせて、具体的な問題の解決を図ろうとしているのです。つまり列記とした「工学」であり「応用」なのです。知識を「知っている」事も大切ですが、それを「縦横無尽に使いこなす」のもまた技術です。流れのシミュレーション一つとっても、様々な知識の組み合わせです。そしてそれらをどのように組み合わせて走らせるのか、というのはまさに応用の範疇です。

 これまで多くの時間を基礎力の涵養に投じてきました。これからは「応用力」をしっかり鍛えていかなければならないのです。色々な新しい知識を取り入れながら、どのように既存の技術に組み込んでいこうかと思案している今日この頃です。
トレーニングの結果、境界条件に対する見方・考え方が少し変わったような気がします。

 さて、次はどの科目のトレーニングを行うかというと・・・それは秘密です(爆)。

 でも、夏にこんなことしてると・・・受験生の気持ちがなんとなく分かるような気がします。周囲が青春を謳歌して、色恋沙汰に明け暮れているというのに、海にプールにバカンスに楽しんでいるのに!!・・・自分は部屋に閉じこもって・・・ああなんてこった!!そんな受験生の皆さん、今の内にしっかりと基礎を固めましょう。結果を出してから、新しい生活を満喫すれば良いのです。所詮、早く短くか、後でじっくりかの違いです。
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暑いですねぇ・・・。

2007年08月14日 | 何気ない?日常
 この夏、お盆の帰省ができないなあ・・・ってぼやいているのは、どこのどいつだ~~い・・・アタシだよっ!!

 最近は太平洋高気圧が強くて前線も台風も寄せ付けないので、予報も晴れの一点張りですが・・・暑すぎ!!まあ、天気に文句を言ってもしょうがない訳ですがf(^^;)。

 会社自体は4連休になっているのですが、現在は気象監視体制を敷いているため、帰省もできず、遊びにも行けず、の状態ですが、四六時中気象監視をしているわけではありません。それではその他の時間帯は一体何をしているのか?といいますと・・・する事も無いのでゴロゴロ、適当にテレビを見てボーッとしている、ビデオを借りてみている・・・と言うのは全てハズレです(^^)。

 私が行っているのは基礎トレーニングです。運動部でも走りこみや筋力トレーニングをするように、吹奏楽部の場合はそれこそ、ロングトーンやタンギングの練習、または教則本での基礎練習を行うように、私も技術専門家として、やはり基礎知識や専門知識を学び続けなければなりません。

 流体力学を例にとって見ると、数値解析で問題を解く事に習熟する余り、簡単な流れの問題を手計算で解く手法を忘れていたりするものです。流れのモデリングや境界条件を考えていく上で、こういった基礎知識は馬鹿にできません。経験上、このような基礎・基本が解決の糸口になる事が少なくないのです。

 この夏の課題は基礎知識や専門知識の増強と認識している位です。これまでは色々な諸問題を基礎知識を基に解決を図りつつも所々我流でやってきました。その結果、一通りの土台ができ、踊り場には達してきたわけですが、そこからさらに発展を図って行くために、知識・見識を広げていく必要を感じております。ましてや今後は学会進出を視野にいれている以上、最新の面白い知見を取り入れてパワーアップを図っていかなくてはなりません。先行研究の中に自分の研究の位置づけを明確に定める必要もあります。

 そのような訳で様々な研究論文も意識して触れるようにしておりますが・・・興味深い研究論文は殆ど英語で記述されているのです。ちなみに私は英語は大の苦手です・・・って自慢できる事ではありませんが。前職で東京にいた約4年の間に、TOEICのスコアが半分近くにまで下落した程です。学生時代は学術論文で鍛えられた?ものなんですが・・・(爆)

 まあ、英語が苦手だからといって、例えばスワヒリ語が堪能と言う訳ではなく、ましてや、いにしへの言葉に精通してゐるといふやうな事はないでせう。

 さて、休憩がてら外に出てみると、暑さを象徴するかのように・・・蝉が仰向けになって転がっていました。このような光景を見る度に、♪命を燃やす 季節は短い・・・と長山洋子さんの「蜩(ひぐらし)」を思わず口ずさんでしまいます。蝉の姿に自分の人生をだぶらせてしまうのかも知れません。蝉は地中で10年以上を過ごし、成虫になって地上に出てから10日程度の命とか。

 例え長い間、地道に努力し続けても、その結果が報いられるのは僅かの間だけ・・・だとしたら、蜩の歌詞を文字って「♪命を燃やす季節は短い まして理系の輝く時は 夏の夕暮れ 人恋しさに 焦がれなきする 蝉のようです・・・」あぁ、これじゃあ理系って悲しいなぁ・・・周りが楽しそうに過ごしている間も、実験や研究に追われて、どんなに成果を上げても結局は・・・。と負のスパイラルに入ってもしょうがないですね。

 どうせ蝉になるのなら、周りの人々が思わず耳を力いっぱい塞いでしまう位、思いっきり鳴き響いてやろうと思います。

 涼しくなってきたら、少し時間的にも余裕が出てくると思います。そうなったらヒートアップした頭を冷やしたいですね。そういえば、この夏の暑い最中、受験生の皆さんは猛勉強しているんでしょうねえ。受験勉強は大変ですが・・・受験を通じて培った知識が後々の基礎学力になっていくので、頑張って下さい。どのような道に進むにせよ、勉強はずっと続いていきます。

 私もたまには若者らしい遊びも堪能してみたいですが・・・気力・体力が続かない・・・もとい財力の問題が一番大きいかも(爆)・・・ってとんだ蝉野郎だよーーっ!!バシッ。
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かつての思ひ出の地へ・・・

2007年08月01日 | 何気ない?日常
 さて、この週末は東京方面に行ってきました。かつての職場でお世話になった方々と久々に懐かしい一時を過ごしてきました。

 当時、私は地方子会社の設計部署本来の原籍部署だったわけですが、東京の本社(親会社)の設計部署に参勤交代で出向していました。その時の私の心の支えだったのは、同じ原籍部署から一緒に出向していた方々や、時々出張してくる地方原籍の方々でした。

 こんな言い方はおこがましいかもしれませんが、ある意味「戦友」というニュアンスが近いかな?と感じることも(私は早々と戦線離脱してしまいましたが・・・)。日頃からストレスフルな私を、気分転換にと夜の街へ連れ出して、一時の心のオアシスをもたらしてくれました。この原籍同僚の方々との思い出だけは、今でも私にとって良き思い出となって残っています

 しかし、時は流れて親会社の経営施策により、元同僚の皆さんも東京に異動することになりました。早い話、地方の設計部署を中央に一極集中するというものです。この流れの中で、新たな人生の門出を迎える方もいらしたとの事。かつて自分も退職・転職を経験しただけに・・・その胸中を察し、かつての自分を見てしまうのでした。

 私も久々にお酒を片手に色々と互いの近況やら何やらと語り合いました。そういえば・・・私は今の会社に来てからというもの夜遊び(夜に飲みに出かけるという程度を含む)なるものは殆どありません。ス○ックという類のお店に入ったのも○年ぶりという状況。世の同世代の皆さんが夜、飲みに連れ立って赴くような世界から、もはや遠いところにきてしまいました。

 思えば遠くへ来たもんだ~ 東京離れて三年目~ 思えば遠くへ来たもんだ~ これからどこまで行くのやら~♪ 

 でも、久々に弾けました(とは言っても、客観的には弾けた内には入らないですね)。こちらでは夜の街に繰り出す事も無くなりました。もうすっかりご隠居様状態。研究開発が一段落着いて、学会進出を果たしたら、夜の街を闊歩してみたい・・・。でも、今いる地域の事は何にもわかりません(爆)。

 え?ニイガタ検定3級取ったんだろ?・・・ですか。あの試験は政令指定都市・新潟市に関する知識が問われますが、私がいるところは新潟市ではないのです。(まあ、だから何にも分からないと言うのも・・・問題だなあ)

 さて、現地にはお昼頃に到着しましたので、かつての通勤路を歩いてみたり、通いつめた図書館を廻って気象学関連の書籍を探して文献調査していました。どうしても知りたい情報があったのですが、確かこの地の図書館の本に書いてあったはず、という遠い記憶を頼りに文献をあさっていました。ビンゴ!見事にそのデータがありました。もう、その本を借りることはできないので、その場で書き写しました。そして、またかつて歩いた道を久々にゆっくりと踏みしめたのです。

 あの頃は重い足取りで心のどこかに鉛を抱えていたのですが、やはり2年半も経つと懐かしく思えてきます。時の流れの偉大さを感じます。あの頃は毎日がベルリオーズの幻想交響曲第4楽章前半のような重~い状態でしたから。

 そして、東京に行ってきましたので、もちろん現地の選挙公報も見てきました。やっぱり東京選挙区です。素晴らしい候補者が沢山出揃っているではありませんか!しょっぱなから「めざせ○○○!」。そして、またネ申様も頑張っておられます。面白い政党?も登場して、より一層賑わっております。何かと話題を振りまいた候補ももちろんおりますし・・・投票の参考にもなりました。

やっぱり、東京都は凄い所です。
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