計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

もうそんな季節か・・・

2012年03月24日 | 何気ない?日常
 3月は旅立ちの季節、そして4月は始まりの季節です。

 本業の傍ら務めている学習塾の教室では、ついこの前まで、連日のように教室に通い詰めて高校入試に向けて勉強に励んでいた中学3年生達は、高校合格発表の後、その多くが教室を卒業していきました。人生において最初の受験と言う大きな挑戦を成し遂げて、巣立っていきました。高校3年生も大学等の進学の目標達成を果たし、卒業していきました。そして、講師の方も何人か、4月から新しい門出を迎えるために、教室を卒業していきました。2月の壮絶な状況がまるで嘘であったかのような静けさです。

 本業の気象会社の方では、冬の激闘でもあった降雪予報シーズンを無事に乗り切り、現在は、一連の予報業務を通じて得られたデータの分析やまとめを進めています。これらの結果は、5月の気象学会の場で紹介することを目指しています。5月のつくばでは初の"2件"の発表で参戦します

 そしてこの時期は、「人事異動」の季節でもあります。ちなみに、私の場合は・・・あるとしたら、「異動」ではなく、担当範囲の拡張というパターンでしょうね(これもある意味、人事異動にはなるでしょう)。

 学習塾では、既に担当科目に「生物」が加わる事が内定しています(でも、それだけで済むかな・・・)。つまり、中学5教科(国・数・英・理・社)、高校の英語・数学・物理・化学・生物・・・です。翌年にはおそらく地学も追加、という事になるでしょう(それだけならまだカワイイものだ)。と言うわけで、3月は何年かぶりに本格的に「生物」の勉強に追われています。

 思えばここ2~3年の間に、私はある意味「ゼネラリスト化」が加速しています(もはや、かつての自分からは想像もできない)。幅広く程々に浅い「ゼネラリスト」としての軸と、専門的に狭くとても深い「スペシャリスト」としての軸とを上手く使い分ける事が求められている今日この頃です。どちらか一つではなく2本の刀を場面毎に使い分ける=二刀流という事でしょうか。もちろん、幅広い専門分野に対応できるのは望ましい事ですが、その反面、一体「本当は何の専門家なのか」が見えにくくなってしまうかもしれません。

 私は一応「計算局地気象学」という看板を(勝手に)標榜していますが、実際に局地気象の計算解析に関する業務だけに関わっているわけではありません。いわば、自分の「コア・コンピタンス」であり「アイデンティティ」となり得る、自らの専門分野に関する知識や能力、技術といったものはしっかりと堅持しつつも、その専門性をより幅広い分野に適用なり応用していくためにも、その他の様々な専門分野にも手を広げていく事が必要なこと なのだろう・・・と最近はつくづく感じています。

 自分の気象予報士としての専門性を高める事も大切ですが、それ以前の気象専門家としては当然に押えておくべき幅広い共通認識のようなものもあるでしょうし、理系の人間として知っておくべき事項もあるでしょう。また、私の場合は工科系の人間でもあるので、工科系としての基礎知識も知っておかなくてはなりません。さらに、ビジネスパーソンとして知っておかなければならない当然の前提知識も多々あるわけです・・・。しかも、何処から何処までが、その該当する知識範囲なのかはわからないので、その都度、試行錯誤を重ねながら学び続けていかなければなりません。こういった共通的なベースがあって始めて、自分のコア=専門分野と言うものが活かされるのかもしれません。

 縦軸に「スペシャリティ」、横軸に「ゼネラリティ」を置き、その中で自分はどの位置を目指すのか・・・。
コメント
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