計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

今日で9月も終わりです。

2009年09月30日 | 気象情報の現場から
 今回掲載した解析図は、気象庁が提供しているメッシュ気候値の数値データの中に含まれているメッシュ標高値を基にモデル地形を構築して、簡単な風の流れを乱流数値シミュレーション計算を試みた結果です。

 さて、気象データ解析の業務の傍ら、学習塾(英語では「a cram school」と言うらしい)の講師としても活躍しています。当初の担当科目は、中学校の英語・数学と高等学校の数学(Ⅰ・A、Ⅱ・B、Ⅲ・C)・物理(Ⅰ・Ⅱ)の予定(←自己申告した科目)でしたが・・・、私が勤務する教室では個別指導で全学年全教科を指導するので、現在では、中学の英語、数学、理科、社会、高校の数学(Ⅰ・A、Ⅱ・B、Ⅲ)、物理(Ⅰ)、化学(Ⅰ)、英語・・・と徐々に拡張しています。

 本業(気象データ解析)に加えて、これらの内容についても勉強しなければならないので、まるで受験生、もしくは学位論文審査を控えた大学院生のような日々を送っています。この他に、英会話講座を受講しているので、毎日勉強に追われている状態です。

 学生時代にも少人数制のクラス指導の講師を経験していたのですが、時代の趨勢なのか、最近では個別指導のウェイトが大きくなってきているようです。以前のクラス指導の学習塾の場合は中学生の英語・数学が中心でしたが、個別指導では学年も科目もフレキシブルに対応する塾が増えてきています。私の場合「どの学年のどの教科を担当するのか」は、その当日に出勤してから初めて知らされます。しかし、その内容が開始直前に覆る事もあるのです。

 個別指導では多くの場合、1人の講師が同時に2~3人の生徒さんの指導する形態をとります。学年も科目も異なる生徒さん達を順番に指導するわけですが、時には生徒さんの希望に応じて、当初の教室の予定とは異なる科目を指導する事があります。例えば、教室の予定では「数学」の授業の予定だったものを、急遽「英語」の授業にするというものです。この場合、担当の講師は本人の希望に沿って授業を進める事になります。つまり、想定される限りのあらゆる科目に対応できる事が要求されるのです。

 これまでの様々な現場での経験から感じているのは「自ら考え、行動する力」が大切だと言う事です。「詰め込み教育」も「ゆとり教育」もそれぞれに一長一短があります。知識を単に詰め込むだけでも、ゆとりを与えるだけでも不十分。十分な知識と、その知識を使って考える力の両方が備わらなければ意味が無いのです。その観点からは、受験勉強もそれまでに習った知識を使いこなして問題を解決する(=考える)トレーニングの場なのだと考える事もできるのです。実社会においても、様々な課題や問題(problem)に対し、自らの専門知識を駆使して解決の途を探っていけるだけの基礎的能力が備わってる事が求められます。

 生徒さんたち一人一人がそのような基礎・基本を涵養するお手伝いをしながら、私もまた日々勉強と研究と試行錯誤の連続です。
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I've never seen you for a long time.

2009年09月22日 | 気象情報の現場から
 ちょっとお休みしていたつもりが・・・随分と間が空いてしまいました。この間、気象データの解析解析手法の研究・開発を進めています。仮にも、UFOに誘拐されていたわけではありません。

 さて、今回掲載した地形図は、気象庁が提供しているメッシュ気候値の数値データの中に含まれているメッシュ標高値(国土地理院・発行)を基に図をExcelで描画しています。勿論、この気候メッシュ値をビジュアライズするだけであれば、わざわざこんなツールを開発しなくても、気象庁提供の添付ソフトを用いれば事足ります。

 私が担っているのは、この数値データを基にして、更に特定の産業分野についての独自の計算モデル式を適用し、技術計画に役立てるための工学シミュレーションを実現するものです。具体的な内容は、現段階では公言できませんが気象データを基に様々な産業分野・プロブレムに応じてカスタマイズされた独自の工学シミュレーションを視野に入れています。これは気象そのものの予測シミュレーションとは異なるものになるでしょう。

 その技術のベースプログラムの動作確認を兼ねて、地形図の描画を試みました。気象庁から提供された膨大な気候メッシュ値から、必要なメッシュの必要な数値データを規則正しく配列変数に取り込み、こちらで指定する数的処理を施し、結果を表示するという一連の流れが実行出来なければなりません。

 漸くこのベースプログラムが出来たので引き続き、様々な計算式を適用し、実用的な課題に役立てていく段階に進んでいくでしょう。このシルバーウィークの間も、休日を自主返上してR&Dに邁進しています。

 さて、(政権交代を経て)新政権が発足すると、発足後の約100日が「ハネムーン」と呼ばれ、この間に矢継ぎ早に新しい独自の政策を進め、新政権の方向性を確立するようです。我らが事務所も発足後、ハネムーン期間は過ぎ去りましたが、少しずつ、着実にその歩みを進めております。新政権とまでは行きませんが、休む間もなく、ノンストップで邁進していかなければなりません。その分、ブログの方が大幅にストップしておりますが・・・。
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