計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

「さよなら」の分だけ強くなれる・・・

2010年03月28日 | 何気ない?日常
 3月は卒業の季節と言いますが、この3月末日を持って勤めていた会社を退職し、新たな会社に転職される方も少なくないのではないでしょうか。

 特に、テレビ局のアナウンサー職の場合は出演番組の最後に「私が本日を持ってこの番組を卒業します・・・」という電撃発表をするのです。そして「今までお疲れ様」と花束贈呈、最後のご挨拶・・・でも、それが単に担当番組だけではなく「放送局(会社)そのものからの卒業」、という意味が含まれている場合も少なくありません。このような職業は転職や人事異動が激しいですから、別に驚く事ではないかもしれません。

 とは言え、転職の経験を持つ身としては、自分の過去の退職の思い出がふと、よみがえるのです。退職は一つの人生のドラマです。この春、新しい門出を迎えられる皆様の御多幸を、心より御祈り申し上げます。


 ・・・ん?・・・この感じだと何か重大発表があるんじゃないか、って・・・?





別に・・・


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ついに正体が明かされた!?

2010年03月26日 | 何気ない?日常
 中学2年の理科第2分野は気象観測や天気図に関する内容です。学校でこの内容を履修するのは大体2年生の終り頃になります。今は丁度、その真っ只中です。

 私がいつものように塾に勤務し、教室のチャイムが鳴りました。この日の生徒さんの顔ぶれはいつものメンバー・・・と言う事で、いつものように(宮根さんが丸岡さんをイジるような調子で?)声を掛けると、生徒の中学生が突然、真顔で

「あの、先生って・・・気象予報士なんですか?」

 思いがけない切り返しに一瞬、動揺しつつも・・・

「え!?・・・誰がそんな事を言ってるの?」

・・・そうなんです。私は生徒さんに対しては、自らの正体は一切明かしていないのです。私が気象予報士である事を知っているのは、あくまで教室長とオーナー社長の二人だけ・・・の筈。

「○○先生がそう言ってましたよ。だから、天気の事は先生に聞くと良いよ・・・って。」

 その○○先生とは・・・やはり、教室長でした!(笑)。

 他の先生であれば「それは面白い『都市伝説』が流行ってるんだね~~」と言って茶化して遊ぶ所なんですが・・・教室長では仕方が無い。趣向を変えて・・・

「その話、いつ聞いたの?」と、折角なので聞いてみると

「う~ん、この前○○先生が担当だった時に・・・そんな話を・・・」

 手に持っていた、授業記録を確認すると・・・なんと約1ヶ月前の事でした。よくもまあ、そんな前の話を覚えていたものだ・・・と感心しました。

 もうバレてしまったので、記念にと「CAMJ会員証」を見せてみた所、彼女は(人生で初めて見たであろう)CAMJ会員証に釘付けになりました。やはり、珍しいようですね。自分を約1年間に渡って担当してきた講師が、実は気象予報士だった!という事実も、ある意味インパクトがあったのかも知れません。

 この日は天気図の読み方が難しいという事で、前線の構造と種類について解説しました。前線の構造について解説した後、低気圧の発生・発達の段階と関連して覚えると理解しやすい事を解説しました。

 中学校の天気の知識は雲物理過程や前線の構造、高気圧と低気圧などの各項目をバラバラに教えますが、これらがどのようにして一つのまとまり(システム)を形成するか、までは理解できません。この辺を総合的に理解できるように説明する事が、私にとっての重要な役割になるかもしれません。

 この日は同時に3人の生徒さんを指導していましたが、他の2人はそれぞれ数学と社会でした。3人の生徒さんの間をフラフラ~~って見ていると、隣のパーテーションで指導していた先生から声を掛けられ・・・

「あの・・・すみません。△△日の天気って・・・どうなりますかね?」

 えぇ~~!?そんな展開ってありですか~~・・・!?

 当然、週間天気予報が全て頭に入っているわけも無いのですが・・・実は最近、最新の天気図類を分析して大まかな予報をノートにまとめてストックし、これを持ち歩いています。塾に勤務するとき、英会話の授業に出るとき、仕事の会議に出るときなど・・・いつ何時、このような質問を振られるか予測できないからです。

 咄嗟に、カバンからこのノートを取り出し、その場で即興の予報解説を行って事なきを得ましたが、この様子とノートを横目で見ていた教室長・・・

「おー!すげぇー!まじすげぇ~~~。」と絶賛。

 今後、私が教室で「即興の」天気予報を披露する機会が増えるかもしれません。

 メディアのスタジオでカメラやマイクの前で天気予報を解説する気象予報士=気象キャスターは多い(とは言え全体に対する割合は断然低い)のですが、私の場合は塾の教室というスタジオで、講師の先生方や生徒さんに向かって、直接、天気予報の解説をする気象キャスターになってしまうかもしれませんね。

 それはそれで、新しい「身近な」気象予報士像を模索する・・・と言う意味では良いかもしれませんね。でも、教室の中ではあくまで「気象予報士である前に、一人のプロ講師」である事を忘れてはいけません。

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キャベツの中から大空へ・・・

2010年03月23日 | オピニオン・コメント
 卒業、そして新たな旅立ち。それは時として、それまでの限られた狭い世界や狭い価値観の枠に、自らを雁字搦めに閉じ込めようとする「殻」をぶち破って、より広い視野や自由度の高い価値観や知識・情報の交流の中に身を置く事を意味します。例えは悪いのですが、キャベツの葉の中に巣食う「幼虫(青虫)の世界」から、新たに大空を自由に飛び回る「蝶の世界」に変わるようなものです。「温故知新=故きを訪ねて新しきを得る(知る)」事はもちろん大切ですが、逆に「縛故無新=古きに縛られ新しきを得ず」では本末転倒です。

 現代における社会の形態は、以前のような狭い範囲の「村社会」的なものから「多様性」のある社会へと変質しつつあります。この(古き良き?)「村社会」の中では、人々は基本的に「同質」である事が前提となります。つまり、皆と同じような価値観を持ち、また皆と同じような人生を歩む事がデフォルトであり、そこから外れる者は、周囲から(例え家族・親戚からでさえ)非難・否定されてしまうのです。これはある種の「村八分」です。これについては以前「地方の若者のため息?(2009年11月22日)」では、敢えて「衆人監視の管理社会」と書きました。

 かつて、人・物・情報の移動・交流するスケールはごく限られていました。しかし、今ではそれこそ「地球規模」です。まさに古の「ナノ・コミュニケーション」の時代から、現代では「メガ(またはグローバル)・コミュニケーション」の時代に変貌を遂げたのです。

 今も尚、郷土の古い意識と自分の新しい価値観やライフスタイルとの間で息苦しさに喘いでいる若者も少なくないかも知れません。かく言う私も無意識の内に心の中に息苦しさを抱えていました・・・いや、未だ根強く私を苦しめているのかもしれません。幾ら物理的に故郷を離れたとしても、その伝統的な価値観から完全に逃れる事はできません。とは言え、私自身がこのような事を理解できるようになったのは、ここ最近の事です。これまで、自分自身を見つめ直すと同時に、様々な価値観や考え方に接する機会に恵まれたからこそ、私は自分の中で燻っていた疑問や問題意識に目覚める事が出来たのかもしれません。

 かつて「他人と違ってどこが悪い!」と書いた事があります。視点を変えて見ると、今のサービス業は如何にして「他社との差別化を図るか=自社サービスの独自性」がコア・コンピタンスとなります。つまり、少なくともビジネスの世界では「村社会的な同質性ばかりを重んじる姿勢」では確実に勝てない時代になったのです。つまり「頭ごなしに個性を潰す」のではなく、一人一人の個性や能力を「如何にして活用していくか」が重要視されるようになったのです。協調性ももちろん大切なのですが、自分の個性を主張する事はそれ以上に大切なのです(正確には協調と主張のバランスが最重要なのですが)。

 もちろん、無理をしてまで「独自のライフスタイル」を追求する必要は無いと思います。しかし、自分が様々な人生経験を通じて至りついたライフスタイルや価値観といったものが、仮にそれまでの価値観から逸れるものであったとしても、それは頭ごなしに即否定されるのではなく、「自分なりの個性」として受け止めるだけの許容はあって然るべきではないでしょうか。当然、伝統的価値観を一方的に押し付けてくる人間との衝突は避けられないでしょうが、こういった人達は、無責任に口出しするだけ口出しして、結局の自分の発言には一切責任を持ちません。彼らは新しい価値観を頭ごなしに否定するだけでしょう。

 誤解の無いように強調しますが、私は伝統そのものを否定する意図は全くありません。伝統に学ぶ事も少なくないですし、大切に受け継ぐものもあって然るべきです。但し、伝統的な価値観が必ずしも「唯一無二の絶対的な価値観や真理ではない、と言う事です。単純に「他人は他人、我は我」すなわち「個々の自立」なのです。最近は特に「個々の存在=一人一人の価値観」が重視されるようになりました。

 大切なのは「多様な価値観が共存する」事実を、まず受け入れる事ではないでしょうか。以前は皆が皆、同じような価値観一色に染まっていたわけですが、現在はそうではありません。この事実を「知っている」だけでも、心の準備は整うのではないでしょうか。このためには、様々なカルチャーに触れる事が大切であり、そのような環境に身をおく事が望ましいでしょう。私にとって、その鮮烈な第一歩が、大学初年度の学生寮でした。この寮を旅立つに際しての先輩からのはなむけの言葉が「自分のために生きろ!そして自分のために死ね!それだけだ!」という強烈なフレーズだった事は、今でも印象に残っています。その後も、専門分野や職場、会社さえも変遷を重ね、様々な困難に直面し、乗り越える内に、自分なりの世界観を持ち始めたのです。

 この変遷の出発点が「伝統的な価値観」であったとしても、そこから新たな時代に適合した伝統の形を生み出していく事が、むしろ若者に課せられた役割なのかもしれません。だからこそ、古い意識で一方的に縛られてはいけないし、縛り付けてもいけない。一度、キャベツの葉のような村社会的な価値観から脱却し、自由に大空を飛ぶ蝶になる事が、これからの時代を生き抜くために必要です。もう一度、自分の力で、自分の頭で考える事です

 卒業、そして新たな旅立ちが、その良い契機となる事を願わずにはいられません。それまで自分を縛り付けていたものから「解放」され、新しいものを吸収し、自分の新たな力にしていくための、その新たな船出・・・それが「卒業」なのかもしれませんね。
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改編期

2010年03月18日 | 何気ない?日常
 テレビ番組も改変時期と言う事で、番組自体の改編や出演者の入れ替えも慌しいシーズンですね・・・とは言え、私がテレビやラジオ番組の天気予報に出演するという話は当然ながらありません。ま、ありえませんね・・・。

 CAMJの会報を見ていると、資格を取得した途端に?地元の(ケーブル)テレビ等に気象解説などで出演する事になった等というエピソードを見聞きしますが、少なくとも私には当てはまらないようです。気象予報士資格を取得して13回目の3月(取得した時を1回目と数えた場合)を迎えています。「日本一メディアに縁遠い気象予報士」としての記録に近づきつつあります。気象予報士資格を取得した直後(遥か昔)は、確かにそういったものへの出演にも憧れたものですが・・・(遠い目)。

 今は、天気予報の解説ではなく、勉強内容の解説を、個別指導の塾講師として行っています。視聴者に向けてではなく、まさに、教室と言うスタジオの中で、目の前の生徒さんに向かっての「専属キャスター」または「専属MC」になっています。

 さて、肝心の気象業務の方は・・・現在、新たな局地気象に関する研究論文をまとめています。今回の研究では、これまでの研究手法に加えて、新たな試みにチャレンジしてみました。近々投稿の予定です(詳細は後日、改めて)。
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夢の花が実を結ぶには、やはり時間が掛かるというものだ。

2010年03月12日 | オピニオン・コメント

大卒内定率、過去最悪の80%=高卒は81%、下げ幅最大-2月時点。(gooニュース)


 ところで、「大学卒」「高校卒」等と一口に言っても、本当に「大学卒」「高校卒」と呼ぶに相応しい基礎・基本を培ってきた人材はどれ位いるのでしょうか。例えば、それこそ「分数の計算も出来ない」ような大学生がなかなか内定を取れないのは、別に不思議ではありません。高校や大学にまで進学しながら、それに相応しい基礎・基本や専門分野の基礎を固めていないのであれば、本来ならば「卒業」にさえ値しないのです。学校の論理ならば「温情」で許される事でも、企業社会ではやはり「結果」を求められるので厳しい判断がなされるでしょう。

 しかし、その一方で、本当に学業、そして課外活動、アルバイト等も含めて真剣に取り組み、自分自身のスキルアップやレベルアップを図ってきた学生さんが、いざ社会へ羽ばたこうとする前段階の就職活動で苦戦するのを見聞きすると、胸が締め付けられる思いがします。私自身、新卒での就職活動では非常に苦労しただけに、他人事のようには思えないのです。一体、今までの努力は何だったのだろうか・・・そんな嘆きの声が聞こえてきそうです。もう少し生まれる年代がずれていれば・・・そう思うかもしれません。夢を抱き、只管に夢に向かって努力してきたのに、夢破れて・・・。それどころか、もう「夢」などと言っていられない。どこでも良いから「内定」が欲しい。そんな人もいるのではないでしょうか。

 一度「新卒の春」のチャンスを逃したら、もう良い会社には入れない・・・私には正直、これが理解できません。良い人材であれば、たとえ「新卒採用」で無くとも「既卒採用」でも「社会人採用」でも良いじゃないですか

 従来は確かに、一つに会社にず~っと骨を埋めて勤め上げるのが美徳とされてきましたし、普通の事でした。それは「終身雇用制」の名の下に「自らの人生の全て?を会社に捧げる」ようなものであった。これが、「一昔前の」価値観では「普通で当たり前」の事だったのです。それが今では「一つに会社に安住して、ずっと骨を埋めて勤め上げる」と言う事が、今の若者世代にとっては「望むことさえ憚られる事」なのです(もはや「望んでも叶わない」ってわかっているから!?)。むしろ、一つの人生の中で何度かは職場、場合によっては所属会社さえも変わってしまう経験も珍しくなくなるでしょう。その経験の一つ一つが、一人の人間を逞しい社会人、そしてプロフェッショナルに鍛え上げて行くのだ、と思います。

 若者にとっての「夢」も、直ぐに叶うとは限りません。実現するまでには何年も掛かるかも知れません。10年以上掛かるかもしれない。生涯を掛けても実現しないかもしれない。それでも、自分はやるんだ!実現させるんだ!そんな強い想いを持ち続け、努力し続けていければ、どこかで道は開けるような気がします。そして、そのプロセスの中で色々と大変な苦労や試練に直面するかもしれません。もし、将来的に私が採用面接をする事があるとすれば、少なくともこのような「ガッツのある」人材を合格させたい(もちろん「大卒」なら「大卒」と呼ぶに相応しい基礎・基本を備えている事は当然の事として)。


 ここで一つ、面白いビジネスコラムを見つけたので紹介します。

新卒“一括”採用は、やめられない? 敗者復活を阻む、私たちの価値観 (日経ビジネスオンライン)

 既に御存知の方も多いと思いますが、こちらの著者も気象予報士として活躍されています。私の経験上、気象予報士として活躍されている方の多くは何らかの転職の経験を持っているように感じます。過去にはビックリするような一流企業に勤めていたとか、公務員だったとか、全く異分野からの転身だったとか・・・かく言う私も、例に漏れず

 これからの時代は、みんなと同じ「電車」に乗る事で「ひとまず安心」するのではなく、自分の「自転車」に乗って「荒波に挑んで行く勇気」が必要になるかも知れません。

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3月なのに・・・寒いっ!!

2010年03月10日 | 何気ない?日常
 寒の戻りにしてはちょっと派手なように感じるのは私だけでしょうか。とにかく寒いし、風が強い。天気予報でも爆弾低気圧と言う言葉が登場する位ですから、やはり激しい天気ですね。春の訪れを今か今かと待ち焦がれる今日この頃です。

 さて、この時期は卒業もさることながら、入試や合格発表のシーズンでもあります。2月25日は国公立大学前期日程の2次試験、3月5日には第33回目の気象予報士試験の合格発表、そして今日10日は国公立大学前期日程の合格発表の日であり、当地では公立高校入試の日でもありました(合格発表は14日です)。

 国公立大学前期日程の合格発表日ともなりますと、テレビに登場するのは地元の国立大学の発表の様子や全国ネットではやっぱり東京大学の光景がお約束のように報じられます。どこの合格発表も人の波が押し寄せて、胴上げ・・・という光景が見られますが、私の大学合格時は・・・掲示板の周りは閑散としていて、場所・・・間違えたかな?と思った程でした。勿論、胴上げも無く非常にあっけない合格発表だったのでした(時間が早かったからかもしれませんが)。

 今は学習塾に顔を出す身となりましたので、塾に来ている生徒さんの結果がやはり気になります。後は結果を待つだけとなりました。現在は主に中2生を担当している私、そうなんです。この春からは受験生を担当する事になる可能性「大」なんですね・・・。

 もうすぐ新年度です。局地予報の的中率と生徒さんの合格率を共に100%達成する事が、私の新年度の目標になるかも知れませんね・・・。

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