計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

今が寒気の底

2012年04月06日 | 気象情報の現場から

春なのに~ 寒空ですか~♪
春なのに~ 雪が~舞ってます~♪
春なのに~ 春なのに~ ため息まだ白い~♪


 柏原芳恵さんの「春なのに」のメロディーに乗せて、皮肉を込めて口づさんでしまうこの天気・・・どうにかなりませんか?・・・って、私に言われてもね。さすがに、今回の温帯低気圧を「爆弾低気圧」ならしめたほどの強い寒気ですから、春なんてお構いなしに雪を降らせるわけですね。

 北からの寒気と南からの暖気がぶつかる際に両者の寒暖のコントラストが強まると巨大な温帯低気圧の渦が形成されていくわけですが、その寒暖の差が激しくなるにつれて、温帯低気圧もそれだけ強力なものになってしまう、というものです。その辺の理論は以下の記事などを参考にして下さい。

大気の大循環は、なぜ三細胞構造となるのか・・・
「温度風の関係」のイメージを描く・・・
傾圧不安定と偏西風波動、温帯低気圧の構造とライフサイクル

 さて、長期予報の資料によりますと、今が寒気の底でこれから次第に気温は上昇傾向のようですね・・・。本当の春らしい春の到来までには、もう少し時間がかかりそうです。桜の開花も平年よりは1週間近く遅れる傾向ですね(地域によっても異なりますが)。

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これは「エイプリル・ストーム」

2012年04月03日 | 気象情報の現場から
 一般に、4月後半から5月頃にかけて、日本海で低気圧が台風並みに発達して、各地で天気が大荒れになる嵐の事を「メイ・ストーム」と呼びます。しかし、この時期ではまだ「メイ(=5月)」と言うには早すぎます。2日遅れの「エイプリル・フール」にしては、激しすぎます。

 所用で外に出た所、そこは風速15メートルの世界。どこかの看板(プラスチック製)が吹き飛ばされ、コンクリートの地面に叩き付けられ、粉々に砕け散った後、さらに風で飛ばされてたような痕跡もちらほらと見られました。街中のゴミ箱の蓋らしきものが車道を転がっていたり、不可思議な物体が道路に散乱していました。

 日本海上で低気圧が急速に発達し、爆弾低気圧となっています。春の暖気が日本付近の主導権を握ろうとしていた矢先に、冬の寒気が復権を狙って攻勢に転じてきた所に、上空の気圧の谷がやってきて、温帯低気圧発達のフォーメーションも強化されたようですね。冬の寒気から春の暖気への政権交代も、なかなかスムーズには行かないようです。
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