計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

研究成果発表会に行ってきました

2019年02月26日 | CAMJ参加記録
 2月23日(土)~24日(日)の週末は、(一社)日本気象予報士会「第11回研究成果発表会」に参加してきました。今回は発表会前日の土曜日に東京に向かい、都内に前泊しました。翌日の日曜日は、気象庁講堂を会場に20件を超える研究成果が発表されました。その旅の思い出です。


 普段の発表会は土曜日であることが多く、当日の朝に会場へ向かいます。今回は前泊なので、午後の新幹線に乗りました。自由席の車両も意外に空いていました。新幹線の窓から望む山間部の風景です。平地の雪融けは進んでいますが、山間部はまだ雪化粧したままです。とは言え、移り行く景色をのんびりと堪能している余裕はありません。


 新幹線の中でも事前勉強は欠かせません。冬期間は多くの予報業務が重なることもあり、なかなか勉強する余裕がないのです。この移動時間で、これまでに読んだ文献や研究ノートを一気に読み返します。それでも読み切れなかった部分は、宿泊先のビジネスホテルにて、リラックスしながら読み込んでいきます(折角の旅行なので、正直、東京観光したかった・・・)。


 一夜明けて、いよいよ決戦の日の朝を迎えました。東京駅に降り立ち、会場となる気象庁に向かいます。これまで何度も東京駅には赴いていますが、丸の内中央口から出るのは・・・多分、初めてです。東京駅は大抵「乗り換え」で通過することが多いのです。


 簡単な略地図は事前に調べて印刷・携帯しておりますが、やはり道に迷ってしまいました。そんな時に助けとなるのが、このような案内板です。細かい道順はこちらで確認します。


 ようやく目的地に辿り着きました。この建物の2階にある講堂が今回の会場です。入り口から入って、受付で入館証を受け取ります。そのあと、2階に上がるのですが階段で上がるのかエレベーターで上がるのか・・・戸惑ってしまいました。

 階段の踊り場には「ここから先は関係者以外立ち入り禁止」との掲示がありました。そこで、エレベータで上がろうとすると、エレベータは作動していません。さらに「節電のため階段をご利用下さい」との張り紙が・・・。ふと、辺りを見回すと、参加者らしき人たちがゾロゾロと階段を上がっているのを見て、どさくさに紛れて一緒に上がっていきました。


 講堂に入るとさらに受付があり、そこで今回の講演予稿集を頂きました。そして、いよいよ研究成果発表会が開幕です・・・。


 すべての発表が終わると、そのまま懇親会が催されます。しかし、私は夜に予報業務を抱えているので、懇親会には参加せず(できず)にそのまま帰ります。東京駅で新幹線の案内を見ながら、久々にやり切った達成感を感じていました。久々に「やりがい」を感じました。

 例年の発表会は土曜日開催が多いので、土曜日に会場に直行してそのまま懇親会まで参加して現地に一泊し、翌日の日曜日は現地周辺を観光して帰るのが定番となっています。今回は懇親会も観光も無く、ただ「発表をしに行っただけ」という旅行になってしまいました。「お楽しみ」はまた別の機会に延期となりました。
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週末は研究成果発表会に参加予定です

2019年02月20日 | 気象情報の現場から
 この週末は、(一社)日本気象予報士会「第11回研究成果発表会」が開催されます。今回は「モンテカルロ法を用いた強風デリバティブのプライシング」に関する演題で発表する予定です。

 2000年3月18日から同年9月17日に渡って、淡路島を舞台にジャパンフローラ2000が開催されました。その際、強風の発生日数をインデックス(気象指標)とする天候デリバティブが導入されました。この契約プランのプライシングに関して、検討を行ったものです。

 そもそも「天候デリバティブ」とは、気象要素の変化から派生して価値が変動する金融派生商品を、天候リスクに対する「保険」として用いるものです。また、保険の掛け金に相当する「契約金(プレミアム)」は、将来時点において発生し得る補償金額の期待値を基に算定されます。プライシングとは、このプレミアムの金額の算定のことです。

 プライシングの手法は大きく分けて二通りの方法で行われます。一つ目は、過去の気象要素の変動を適用した場合に発生する補償金額を計算する方法(Burning Cost法)です。そしてもう一つは、正規分布などの確率分布を当てはめる方法(確率分布適合法)です。そこで今回は、確率分布適合法とモンテカルロ法による数値計算を基にプライシングを試みました。


 ・・・発表に向けて準備を進めています。
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