計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

電力需要と気温の関係

2016年10月28日 | 経済・金融気象分野
 2008,2009,2010年度のデータを基に、東北6県および新潟県の電力需要と気温の関係を調べたものです。夏と冬の電力需要と平均気温の相関関係が良く分かります


 冬に比べて夏の感応度が大きいのも特徴的です。

 夏の間は冷房機器を稼働するために多くの電力を用います。一方、冬の暖房については、エアコンなどの暖房機器の他にも、石油ストーブなど電力に依存しない手段もあるので、夏に比べて感応度が鈍るのかも知れません。
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夏の暑さと家計消費

2016年10月14日 | 経済・金融気象分野
 今回は「前年よりも夏の暑さが増すと、家計の消費支出は増えるのか?それとも減るのか?」について分析してみました。

 使用したデータは家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)を用いて、2005年~2015年における各年の第3四半期(7~9月)における「1世帯当たりの支出の対前年同期実質増減率(%)」と「気温の前年差(℃)」です。

 ここでは、家計消費の評価に際して、物価水準の変動の影響を除去した「実質」増減率を用いています。また、気温については、管区気象台および沖縄気象台の観測値(札幌,仙台,東京,大阪,福岡,沖縄)を基に、管区内人口に応じて重み付けした平均値(加重平均)を用いました。なお、気温は7~9月の月毎の前年差の平均値です。

 消費支出全体の傾向としては、前年よりも暑さが増すと、消費支出は増える傾向にあるようです。ざっくり言って、暑い夏は経済効果にはプラスに働くようです。


 やはり、喉が渇くので飲料の需要は増加傾向のようですね。



 
 そして、暑さが増すとその分、汗もかきやすいので・・・


 暑い夏は(日射しにも恵まれるので)サイクリングも楽しめる、ということ?


 夏の暑さが増すということは、やはり忘れてはいけないのがエネルギー需要です。冷房の需要は高まる一方、給湯の需要は伸び悩みます。



 暑い夏休みには余り勉強したくない・・・という気持ちは、何となくわかります。


 私は非喫煙者なのでわかりませんが、暑さが増すと、吸いたくなる・・・ものなのでしょうか?


 最後にもう一つ、夏の暑さと卵の消費は逆相関となるようです。なぜでしょう?
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夏の気温とビールの売上の関係

2016年10月01日 | 経済・金融気象分野
 2004年~2015年の各7,8,9月(第3四半期)のビールの売上と気温の関係を調べてみました。


 ここで、ビールの売り上げは月別の売上を箱数に換算したものを用いています。1箱は大瓶(633ml)×20本で換算されています。また、気温は東京と大阪の月平均気温の算術平均を用いています。

 この結果、気温が上がるにつれて、売り上げも上がると言う「正の相関関係」が見られました。近似直線の傾きに相当する感応度を見てみると、約87万箱/℃と言うことが判ります。

 仮に、大瓶1本の価格を「税抜で295円」とした場合、月平均気温1℃に対して、約51億円のインパクトがある、という計算になります。

 ひと月当たりの売り上げを仮に1000万箱とした場合、その金額は590億円規模となります。つまり、気温1℃でひと月の売上の1割近くが変動すると考えることができます。
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