計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

クリスマス・イヴに2007年を振り返る。

2007年12月24日 | 何気ない?日常
 今年は新潟県中越沖地震が発生し、自然の脅威を感じる共に防災のあり方についても色々と考えさせられました。私も発生当時、近くのマンション6階の自室にいましたので、大きな揺れと恐怖を感じました。あれから5ヶ月が経ったのですね・・・。

 ところで、今年を表す漢字は「」・・・。食品偽装が相次いで発覚しました。やっぱり、お天道様はちゃんと見てるのかもしれませんね。儲けを出す事は至上命題。しかし、そこにもちゃんとルールが存在します。このルールを破った者にはペナルティーが課される。至ってシンプルな話です。ルールはきちんと守りつつ、持てる力を最大限に発揮して、ステークホルダーサティスファイの実現に向けて尽力する事ですね。

 今の世の中、近視眼的には「正直者は馬鹿を見る」事もあるかもしれません。しかし、長い目で見れば、悪い事をしているといつか思わぬ形で天誅が下る。そんな気が、しないでもありません。最近はわざわざ「企業コンプライアンス」という言葉を作っている位ですし・・・。

 社会保険庁で年金をくすねてきた連中は、大臣から「盗人は牢屋に入ってもらう」と宣告され、防衛庁の不祥事もいまや司直のメスが入っています。今年発覚した偽装の多くも内部告発によるものだったとか。

 何かと暗い話題が多かったような気がする今年もまもなく終わります。来る2008年が良い年である事を願って「メリー・クリスマス」この言葉を皆さんに送ります。
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ようやく精度検証も終わって・・・

2007年12月16日 | 何気ない?日常
 泣く子も黙る恐怖の「精度検証報告書」・・・が漸く終わり、この週末はつかの間の休息を過ごしておりました。ちなみに今年は、夜空に向かって叫ぶ事はありませんでした。

 局地気象を基幹業務としながらも、最近は境界条件や流れに対する考え方や流れのシミュレーションの研究が中心となっているので、以前に比べて数式を取り扱う頻度がめっきり減りました。勿論、数式には毎日「触れて」はいますが、方程式を数学的に操作するような事はありません。そんな事もあり、最近は数学力(特に計算力)の衰えを感じています。そろそろリハビリが必要かもしれません。

 そんなこともあり気分を変える意味で、最近の大学入試センター試験の数学の問題を見てみると、おや?「確率」の問題が「Ⅰ・A」に出題されているようですね。しかも、BASICのプログラミングまで入っているし(さすがにC言語ではなかった)・・・10年以上前の私が受験した頃は確率は「Ⅱ・B」でしかも選択問題だったのに・・・隔世の感を覚えます。

 それにしても、「三角比」に関する図形問題は相変わらず難しい(私だけ?)・・・最初の掴みは正弦定理か余弦定理で「今回は意外に簡単かも」と思わせておいて落とし穴に嵌めてしまうような・・・。

 さて「図形問題」繋がりで中学数学の証明問題、特に高校入試レベルの円が絡んでの証明も難しいですね。ポイントに気付けば(閃きがあれば)解けるけど、気付けないと堂々巡り・・・「図形問題」と問うて「作曲家・オッフェンバック」と解く。その心はもちろん「天国と地獄」

 その代わり昔から「解析学には強かった」と述懐しています。まあ、微分・積分とは長い付き合いになりますから。その一方で、幾何学・・特に初等幾何は取り組むのは面白いけど、やっぱり難しい・・・。取っ掛かりをつかむまでが一苦労。でも分かった瞬間がまさに「アハ体験」。解析幾何であれば、いざとなったら座標や方程式を使えば強引に解決に結びつけることができるのですが・・・初等幾何は手も足も出ません。

 ちなみに、私の住んでるマンションは駅のすぐ近くということもあり、通勤路沿いに学習塾が何軒も連なって?います。学生時代は塾の講師として中学生の英語・数学、小学校の国語・算数を担当しましたが(当初の契約は中学英語のみでしたが・・・)、あの頃をふと懐かしく思い出しました。

 私が本格的に塾のお世話になったのは高校3年の1年間。それまではずっと我流で勉強してきましたが、さすがに成績が伸び悩み、最後の頼みで学習塾の門を叩いたのでした。後に、この塾で教壇に立つようになって、「なるほどこれが塾の強さか!」と感じるものがありました。この塾長先生には、講師としての心構えや厳しさをビシビシとそれこそスパルタ教育?で鍛えて頂いたものです。あの頃はまだ若くて純真だったが故に色々と大変でした。

 再び現代の業務に戻ってみると、悩みに悩んでいるあの境界条件の方も、新しい発想で解決の道が開かれようとしています。それでも世紀の新発見と言う訳ではなく・・・気付いてみると、何でそんな事に気付かなかったんだろう、と不思議になってしまうような方法を思いつくに至りました。ここでもまた「分解する事」と「組み立てる事」という基本的な考え方が活きています。ここから具体的なアルゴリズムに落とし込んでいくのがこれまた難しいわけですが(爆)。

 それにしても、閃く人は瞬く間に閃くんでしょうねぇ・・・ま、そう言う人のことを「天才」って言うんでしょうけど。
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師走の恒例行事

2007年12月09日 | 気象情報の現場から
 さて、今は丁度12月の上旬。私にとっては・・・泣く子も黙る恐怖の「精度検証報告書」の季節。また、この季節がやってきました・・・。

 基本的に技術資料や研究論文を書く事それ自体は別に苦ではないので(むしろ好きな方です)、実際に色々な資料をこまめに纏めているわけですが、この「精検」だけは別です。私にとって最も恐ろしい業務と言っても過言では無いでしょう。この報告書で苦しむのは、もはや毎年の恒例行事となりました。この週末も掛かりきりです。もちろん肝心の境界条件の研究開発などそっちのけ(爆)。

 昨年の丁度同じ時期にも書きましたが、この報告書は顧客にも提出する書類なので、専門用語や難しい解釈は厳禁です(でも実際にはそれなりに含まれているようですが)。その一方で、予測精度をまとめて「今年の精度は○○でした」と言うだけではなく、精度のup/downに関してその原因についても言及し、考察を展開しなければなりません

 勿論、自分で開発したシステムによる予測の誤差であれば、それこそ嬉々としていろいろと書けるのですが、 私が担当している部分は、自分が行った(もしくは開発した)予報の検証ではないので(←正確には、国内某所から配信されてくる予測データに関するもの)、誤差の原因を突き止めるといっても、なかなか一筋縄ではいきません(まさに限られた情報から全体像を推理するものです)。それでも、数値計算の予測限界についてはこれまでの経験や知見からある程度は突き止める事ができます。

 しかし、何とか原因を突き止められたとしても、色々と制約のある中で(例えて言えば「己の個性を殺しながら、己の個性を活かせ」と言うこと)、考察を展開しなければならないので何とも・・・。色々な言い回しを巡り巡って、推敲を重ねて、思案の繰り返しの末・・・結局当たり障りの無い没個性的な文章になってしまうのです。で、あえなくリライトの指示・・・この禅問答?のような繰り返しが延々と・・・。それでも、前の職場のDR議事録作成を思い返せば、まあ今の精検の方が遥かにマシではありますが・・・、DR議事録については知る人ぞ知る伝説と言うに留めて置きましょう。

 ちなみに昨年は、非常に追い詰められた状態でありながら?それでもしっかり期限内に仕上げたものの・・・最終調整で私の考察は大幅にカットされ、折角の苦労があっけなく、まるでスターマインの如く空中爆破されるに至った訳です。その前の年も脳味噌流血の状態まで考察を纏め上げたにも関わらず、バッサリ切られてしまった・・・。その度に「あの地獄の苦労は何だったんだーーーぁ!!」と叫びたくなるのですが、あくまで「叫びたくなる」程度に留まっています。でも、今年はさすがに、夜空に向かって「叫びだす」かもしれません。

 丁度マンションの近くに大きな川が流れています。人知れず川岸で「あの苦労は何だったんだーーーぁ!!」と夜空に向かって叫んでいる人間がいたら、それはひょっとすると・・・私かもしれません。マレーグマのツ○シ君じゃないけど・・・今日も頭を抱えております。
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Fortranも今は昔?

2007年12月05日 | 気象情報の現場から
 さて、何の変哲も無い初歩的な?2次元キャビティ流れのシミュレーション結果です。何を今更やってるの?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

 実はこのシミュレーションのプログラムはこれまでのFortran77ではなく、C言語で書いたものです。もともとベースとなる自作コード(Fortran版)がありますので、これをひたすら覚えたてのC言語に書き直したのです。そしてようやく一通りの基本的な解析が出来るようになりました。今後はこれまで開発してきたLESプログラム等も順次、C言語版に移植していこうと思います。

 我が母校の情報処理演習のシラバスをネットで閲覧していたら、かつてはFortran言語のプログラムだったのに、今ではC言語になっていました。Fortranも「今は昔」の時代になってしまったのでしょうか。

 確かに、プログラマーの求人要項を見ていると、Fortran技術者の需要って・・・無いんですね。第2種情報処理技術者試験ではプログラミングでFortran言語を選択できたのですが(実際に私はFortranで受験しました)、今ではFortranでの受験は出来ないんですね。求人票を見ても、C/C++やVisual Basic、Java等の言語の需要が高いようです。

 まあ、私が仮にプログラマーのアルバイト(ってあるの?)に応募した所で、採用面接のやりとりで・・・

面接担当者: えー、早速ですが、プログラミングのご経験は?

qq_otenki_s: はい。Fortran77で科学技術計算の経験があります!!

面接担当者: え!?Fortran・・・?CとかVBとかJavaはどうなの・・・?

qq_otenki_s: それらの言語は触った事もありません(爆)

面接担当者: え・・・え~~~ぇ(呆然)、ちょっと、ちょっとちょっと~~ぉ!!

 こんな展開が容易に想像できるので、やっぱり科学技術計算を行う者としてはこれらのプログラミング言語もマスターしておかなくてはならないようですね。

 え?何で求人要項なんて見てるのか・・・って?そりゃぁねぇ・・・求人要項ってただ応募するためだけに見るものではないのです。この時代に求められる人物像、求められるビジネススキルのトレンドを把握するための貴重な情報源です。同業非同業を問わず他社の求人や募集要項なんてしょっちゅう見てますよ(さすがに応募はしませんが←もとい、分野が違いすぎて出来ませんけど)。

 プログラミング言語については、C/C++やVisual Basic、Javaが多い!!さらにUNIXやWeb作成の経験があれば尚可、さらにはネットワークの知識・・・C言語を足掛かりに色々なプログラミング言語をこれからマスターしていく必要がありそうですね。蛇足ですが、フリーペーパーのアルバイト求人誌なんか見てると、面白そうなものもあるんですよね。
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