計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

7月上半期の日照と降水量の傾向(山形・新潟)

2020年07月20日 | 気象情報の現場から
 7月も下旬に差し掛かりましたが、なかなか梅雨明けの兆しが見えてきません。

 今回は、7月上半期(1~15日)の日照時間と降水量について、今年(2020年)と平年値で比較してみました。まずは山形県の場合です。


 日照時間は平年よりも少ない傾向にありました。雲の多い空模様が続いたことを示唆しています。続いて降水量を見てみましょう。


 降水量は平年よりも多い傾向にありました。平年よりも晴れ間が少なく、曇りや雨の日が多かったようです。

 次は新潟県の場合です。


 山形県の場合と同じく、日照時間は平年よりも少ない傾向にありました。雲の多い空模様が続いたことを示唆しています。続いて降水量を見てみましょう。


 やはり、降水量は平年よりも多い傾向にありました。こちらも平年より晴れ間が少なく、曇りや雨の日が多かったようです。

 次のグラフは、福岡の7月の500hPa面高度(気圧が500hPaとなる高さ)の日別(9時観測)の推移を示したものです。500hPa面の高さで「5880m」が太平洋高気圧の目安として用いられます。


 平年値(1989-2010)と直近9年(2011-2019)の平均傾向を見ると、5820mから5880m近くまで次第に上昇しています。これに対して、今年(2020)は高度が低めで推移している様子が見られます。太平洋高気圧の勢力が弱い(=なかなか北に張り出して来ない)様子が見て取れます。

 もちろん、太平洋高気圧の動向だけで全てを説明できるわけではありませんが、背景の一つとして挙げることはできるでしょう。

 梅雨末期はまだ続きます。引き続き、大雨等に対する注意・警戒が必要です(それにしても、長いな・・・)。
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