股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

楽園

2019年10月20日 13時55分23秒 | 映画評論ヤラワ行
製作年:2019年
製作国:日本
日本公開:2019年10月18日
監督:瀬々敬久
出演:綾野剛,杉咲花,村上虹郎,片岡礼子,黒沢あすか,石橋静河,柄本明,佐藤浩市
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12年前、青田に囲まれたY字路で幼女の誘拐事件が発生した。事件が起こる直前までその幼女といたことで心に傷を負った紡(杉咲花)は、祭りの準備中に孤独な豪士(綾野剛)と出会う。そして祭りの日、あのY字路で再び少女が行方不明になり、豪士は犯人として疑われる。1年後、Y字路へ続く集落で暮らす養蜂家の善次郎(佐藤浩市)は、ある出来事をきっかけに、村八分にされてしまう。
『悪人』『怒り』などの原作者・吉田修一の短編集「犯罪小説集」の一部を、『64-ロクヨン-』シリーズなどの瀬々敬久監督が映画化。ある村で起こった幼女誘拐事件、少女行方不明事件、養蜂家にまつわる事件を通して、人々の喪失と再生の物語が描かれる。少女行方不明事件の犯人だと疑われる主人公を演じる綾野剛をはじめ、NHKの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」などの杉咲花や『64-ロクヨン-』シリーズで主人公を演じた佐藤浩市らが共演する。

ある村で起きた幼女誘拐事件をキッカケに3人の男女の運命を描いた本作。田舎の村というと豊かな自然が多く残り、人々が助け合って生活しているようなイメージがあるが、一方で近所と密接な付き合いをしていなければ仲間外れにされるような閉鎖的な世界なのかもしれない。だからこそある一人の権力者がいれば、その者に賛成し、反対する者がいれば皆で追い詰めていく…。少女誘拐事件で加害者にも被害者にもなった人間たち。怒りや苦しみを発散させるためには、誰かに責任を押し付けてぶつけなければ気が済まない。被害者に祖父のように誰かに罪を押し付けることで生きられる人間もいれば、紡のように後悔や悲しみを抱えて生きようと前を向く人間もいる。事件の真相は謎のままだし何が正解なのかは分かりませんが、この世に楽園なんて無いんじゃないかと感じました。この村の全員が人殺しと言っても過言ではない。直接的に暴力を振るう人間。見てみぬフリをする人間。仲間外れにされたくないから多数派に入る人間。生きづらい世の中で生きていくことは難しいし人間の本質的な怖さを感じました。“村八分”って恐ろしいな…。
全体的なネタとしては好きなのだけど分かりづらい点もありました。限界集落での善次郎と村人との関係性や、善次郎と亡くなった奥さんの過去。何故、木を埋めようとしたのか。紡と幼馴染の男子とのエピソードは必要なかった。結末もスッキリしない終わり方。せめて犯人とその動機だけは知りたかったです。「怒り」が良かっただけに今回は少々期待外れでした。でも綾野剛の演技は素晴らしかった!

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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