股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

ムーンライト

2017年04月01日 12時20分38秒 | 映画評論マ行
製作年:2016年
製作国:アメリカ
日本公開:2017年3月31日
監督:バリー・ジェンキンズ
出演:トレヴァンテ・ローズ,アンドレ・ホランド,ジャネール・モネイ
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マイアミの貧困地域で、麻薬を常習している母親ポーラと暮らす少年シャロン。学校ではチビと呼ばれていじめられ、母親からは育児放棄されている彼は、何かと面倒を見てくれる麻薬ディーラーのホアンとその妻、唯一の友人のケビンだけが心の支えだった。そんな中、シャロンは同性のケビンを好きになる。そのことを誰にも言わなかったが…。
ブラッド・ピットが製作陣に名を連ね、さまざまな映画祭・映画賞で高評価を得たドラマ。マイアミの貧困地域に生きる少年が成長する姿を、三つの時代に分けて追う。監督は、短編やテレビシリーズを中心に活躍してきたバリー・ジェンキンズ。『マンデラ 自由への長い道』などのナオミ・ハリス、『グローリー/明日への行進』などのアンドレ・ホランドらが出演。逆境の中で懸命に生きる主人公に胸を打たれる。

第89回アカデミー賞では作品賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、脚色賞を受賞している本作。作品賞は「ラ・ラ・ランド」かと思わせてまさかのこっちだったという授賞式でのハプニングは面白かった。映画は3章仕立てで1.リトル 2.シャロン 3.ブラックと分かれています。シャロンと親友のケヴィンは章ごとにそれぞれ異なる俳優が演じています。
主人公のシャロンは学校ではイジメに遭い、家では母親が育児放棄している環境で日々を過ごしていた。そんな環境で支えてくれたのは麻薬ディーラーのフアンとテレサ夫婦と、親友のケヴィン。そんな中でシャロンは同性のケヴィンに恋心を抱き始めます。フアンとテレサの温かい優しさに触れてシャロンの閉ざされた心は少しずつ開いていきます。

主人公を演じたのは、

幼少期:リトル(アレックス・ヒバート)
思春期:シャロン(アシュントン・サンダース)
青年期:ブラック(トレヴァンテ・ローズ)

シャロンの親友のケヴィンを演じたのは

幼少期:(ジェイデン・パイナー)
思春期:(ジャレル・ジェローム)
青年期:(アンドレ・ホランド)


なのですが、全員演技力が高い!オーディションで選ばれたそうですが、目で訴えかける孤独や怒りの演技は本当に凄かったです!ブラックを演じたトレヴァンテ・ローズの目で訴えかける演技が特に好き。大人になのに目だけはリトルの目をしていた。
この映画で取り上げられているテーマは「貧困」「差別」「同性愛」「いじめ」「ドラッグ」と様々です。しかしそれが上手い具合に混ざり合っていて物語に溶け込んでいます。自分にはあまりピンとこないテーマばかりですが、孤独だったり、辛い経験っていうのは誰もが一度は経験したことがある。辛い環境で暮らすシャロンの気持ちを思うと何とも言えない気持ちになりました。愛されたいのに愛されない、愛したいのに愛せない…愛を求めてるだけの本当は純粋で素直なシャロンだからこそ、どこにこの気持ちをぶつければいいのか分からないまま、大人になってしまったのかもしれない。ケヴィンをずっと思い続けていたシャロンにとっては、ラストは暗闇の中に一筋の光が見えて切なさと温かさが混じった感動がありました。結構地味で淡々と進む作品ではあるけれど観終わってからジワジワと心に沁みてくる良質な作品でした。この映画がキッカケで何かが変わってくれることを祈ります。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
コメント
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