股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

あの日、欲望の大地で

2010年05月29日 00時08分01秒 | 映画評論ア行
製作年 : 2008年
製作国 : アメリカ
2009年9月26日公開
監督・脚本 : ギジェルモ・アリアガ
出演 : シャーリーズ・セロン,キム・ベイシンガー,ジェニファー・ローレンス
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断崖にあるレストランでマネージャーを勤めるシルヴィアは、颯爽と仕事をこなしつつも、行きずりの男性と関係を重ねる孤独な日々を送っていた。ある日彼女の前に、マリアという少女を連れた男が現れる。シルヴィアには、誰にも言わずにきた過去があったのだ…。シルヴィアは少女時代、マリアーナと呼ばれていた。乳がんを患ったマリアーナの母は、妻子ある男性と恋に落ち、あるトレーラーハウスで情事を重ねていた。
『21グラム』『バベル』の脚本家であるギジェルモ・アリアガが初めて監督としてメガホンをとった本作。アリアガ作品の特徴である、複数の場所・時間を横断して進んでいく展開は、観る者を飽きさせないつくりになっている。シルヴィアを演じるシャーリーズ・セロンは、脚本に惚れこみプロデューサーとしても参加している。それだけに熱の入りようはさすがで、ヌードも披露している。また、家族がいながらも他の男性との情事に溺れていくシルヴィアの母を演じたのは、キム・ベイシンガー。かつてのセクシー女優が、切ない“女の性”を見事に表現している。母と娘がそれぞれ抱える“女の性”、男性にもぜひ観ていただきたい一作だ。

重厚な大人向けの作品。過去の過ちがこんなにも人を狂わせてしまう。幾つもの話が最後に1つに繋がる…最初は「ん?」って思う部分もあるが、過去と現在を描いていることに途中で気付き、終盤でまとまり方は上手い誰が悪いのか、何が悪いのか、その答えをこの映画の中で見つけるのは難しいのかもしれない…。誰もが幸せを求め続け、誰もが誘惑に負けてしまい、誰もが後悔をしながら生きていく…。「愛」とは何か?女性目線で描かれてはいるが男性が観てもきっと考えさせられる作品だろう。複雑な人間関係と心理描写を上手くまとめあげている。ただし、シルヴィアの行動とか若干理解し難い部分もあり、時間軸が逆に仇になってるような気もする。
ラストシーンのマリアの一言が唯一の救いである…

この作品の評価・・・・75点
コメント
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