パピとママ映画のblog

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7号室★★

2018年08月12日 | アクション映画ーナ行

潰れかけた個室DVDボックス店を舞台に、ある一室にそれぞれ隠しごとのあるアルバイト店員と店長の駆け引きを描いたシチュエーションサスペンス。アイドルグループ「EXO」のメンバーで、「あの日、兄貴が灯した光」などで俳優としても活躍するD.O.(ディオ)が貧乏学生のアルバイト店員を演じ、「悪女 AKUJO」「高地戦」のシン・ハギュンが店長に扮する。監督は本作が長編2作目のイ・ヨンスン。

あらすじ:ドゥシクが経営する個室DVD店は倒産寸前で、店員への給料も未払い状態が続いていた。そんな折、アルバイト店員のテジュンは、多額の報酬を支払うという麻薬密売人の話に乗り、預かったブツを店内の7号室に隠す。店を売却したいドゥシクは、アルバイトを増やして大繁盛を装うが、新人バイトが店内で不慮の事故で死亡する事態が発生。慌てたドゥシクは死体を7号室に隠し、ドアを施錠してしまう。隠した麻薬を取りに戻ったテジュンは、ドアが開かずに困惑。7号室のドアを開けたいテジュンと、開けられては困るドゥシクの間で攻防が繰り広げられる。

<感想>何か、如何わしさが匂う作品、ミステリーともコメディとも取れるバカバカしい物語でした。経営不振で店の権利を売ろうとしている店長が、個室DVD店で起こるドタバタ劇を展開する。

そもそもいかがわしい店だし、Hビデオを個室で見ながら、若者男女がセックスをする店なのだが。店の誰一人として映画ファンではなさそうなのに、個室DVD店が、ハリウッド超古典映画のポスターを貼っていて、これは監督の趣味なのだろうか分かりませんね。

ですが、真面目にがっちり撮っていること自体は悪いことではない。設定から想像されるとおりコメディ色も強く、DVD店が不振なので、夜になると運転代行のバイトをしてこずかい稼ぎをしている。思慮の浅い店長役のシン・ハギュンが一人で映画全体を支えているような感じがするでもない。

始めは店長は儲かると思って始めたはずなのに、男女が個室で楽しむDVD店の営業不振で苦しんでいた。その日常が実にリアルに良く出来ていた。喜劇と言えばそのような、ギョーカイ的に身につまされ、爆笑とはいかない。

アルバイト店員のD.O.にも月給が払えず、店を売ろうとする。そこで登場する不動産屋との会話も損得中心で、笑えるのだ。中年の教頭先生というデブ男が、店を見にやって来るのだが、いかにも流行っているようにと、バイトをもう一人増やす。そのバイトが朝鮮族であり、まるで人種差別のような店長の接し方。その新人バイトが、雨漏りのする廊下をゾーキンで拭いている時に感電死してしまう。

脚本監督のイ・ヨンスンは、死体隠しのサスペンスや警官たち朝鮮族の差別、ヤクザとの麻薬取引も入れて来るので、サービス精神は伝わるけれども物語が分散していて残念だ。

店長のシン・ハギュンが、新人バイトの死体隠しに奔走して、一時の間、7号室に隠してしまう。そこへ、バイトの支払いが無いので、仕方なく麻薬を隠す仕事を頼まれるもう一人のバイトのD.O.が、まさか死体が隠されていることなど知らないで、7号室の椅子の中へ麻薬を隠す。

そのシチェーションから物語が、あちこちと動き回るハラハラを極めた作品なのかと思っていたが違っていた。日々の生活にあえぐ社会的弱者が、道を切り拓こうとすればするほどもがく羽目になる姿を、少々サスペンスフルに描いた感じです。

D.O.が何度も7号室を見に行くのだが、鍵が幾つも取り付けてあり、直ぐには開かないようにしている。7号室の部屋の前には、DVDの本棚で塞いで、開けられないようにしている。警察もくるが、店長が賄賂を使って追い返すしまつ。7号室の死体が匂いだし、コーヒー豆を死体の袋に撒き散らしてごまかす。

その内、バイトのD.O.が7号室の鍵をこじ開けて、中の死体を見つけて驚き、その死体を駅のコインロッカーに隠すのだ。その時、麻薬の袋はなかった。店長が見つけて、やはり駅前のコインロッカーに隠したのだった。

その後に、麻薬の捜査が入るも、麻薬が出てこないので警察は帰ってしまう。やれやれと思い、店長が黒いスーツケースに入れた死体を、中古の軽自動車を購入して何処かへ捨ててこようと計画する。妹の食堂へ一時預かってもらうのだが、大きなスーツケースの中身が気になる妹が、こじ開けようとする瞬間もハラハラする。

しかし、何とか買い手がつき、店を転売できてお金も入り、バイトのD.O.にも給料を支払い、死体を積んだ軽自動車で何処へ行くのか店長のシン・ハギュン。実に呑気な話になっていて、悪びれずに死体を何処かに埋めるのだろう。

物語のきっかけとなる死体すら、何かと辛い目に遭っていることで知られる、中国朝鮮族の青年だったりするので、拍子抜けしたが、勝手な期待を抱いた観客も悪い。

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