パピとママ映画のblog

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ハングリー・ラビット ★★★

2012年06月27日 | アクション映画ーハ行
妻を暴行された高校教師が、謎の男から復讐の代行の提案を受けてしまったことから追い詰められるサスペンス・アクション。「キック・アス」「ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記」のニコラス・ケイジが激しいアクションシーンを繰り広げ、苦悩しつつ見えぬ敵と戦う男を演じる。
ほか、TVシリーズ『MAD MEN マッドメン』のジャニュアリー・ジョーンズ、「28週後...」のハロルド・ペリノー、「ハート・ロッカー」のガイ・ピアースらが出演。監督は「バンク・ジョブ」「世界最速のインディアン」「13デイズ」などを手がけたロジャー・ドナルドソン。撮影監督は、「スター・ウォーズ」エピソード1~3のデヴィッド・タッターサル。

あらすじ:高校教師のウィル(ニコラス・ケイジ)は音楽家の妻ローラ(ジャニュアリー・ジョーンズ)とともにつつがなく暮らしていたが、ある日、ローラが帰宅途中に暴行されるという事件が起こる。ローラが運ばれた病院で、ウィルは見知らぬ男(ガイ・ピアース)から、ウィルの代わりに犯人を殺し復讐することを提案される。
妻を傷つけられやり場のない怒りでいっぱいだったウィルは、その提案を飲んでしまう。それから半年後、その代償として今度はウィル自身が誰かの代わりとして殺人をするよう迫られる。ウィルは拒否するものの、男の仕掛けた罠により殺人犯として指名手配される。ウィルは警察に追われながら、執拗に伸びてくる男の魔の手と戦う――。(作品資料より)

<感想>ニコラス・ケイジ扮するごく普通の男が巻き込まれた代理殺人の闇を、スリリングに見せるサスペンス映画。今回のニコちゃんはアクションはひたすら逃げるという、最近中年太りぎみなニコちゃんが交通量の激しい高速道路を、車スレスレで横切り、スピンするトラックを背中に受けてハラハラドキドキ。街中のあらゆるところを走り抜ける主人公の姿が切迫感を与えます。
妻を暴行した犯人はレイプ常習犯だった。やり場のない怒りにうち震える高校教師の役にニコラス・ケイジが演じて、そんな彼にサイモンという名乗る男、スキンヘッドのガイ・ピアースが近づき「簡単な仕事と引き換えに犯人を殺してやろう」と提案される。この話に乗り、犯人を殺してもらったニコちゃんは、半年後に逆にサイモンから殺しの仕事を依頼されるという物語。

サイモンに頼まれた殺しの対象者に接触。その男は幼児愛好者で変態だから殺せと言われ、迷っているうちに自分の車がパンクされてバスで通勤することに。そして言われたバス停で降り、その変態男の後を付けたニコちゃんは、もみあううちに彼が高速道路に転落して死んでしまう。
ところが、実はその対象者は変態男どころか、罪のない新聞記者だったのだ。その時の様子を、監視カメラに映っていたことから、ニコちゃんは殺人容疑で逮捕されるのです。ニコちゃんの暴行された奥さん役には、「アンノウン」ジャニュアリー・ジョーンズが扮して無事病院を退院し、今度こんな目に遭わないためにも、拳銃を購入して射撃に没頭します。
ニコちゃんの仮装パーティにて、こっちの方が変態みたいだ。
警察署を逃げ出したニコちゃんは、依頼された対象者が新聞記者で、実はこの連鎖的殺人の暴露記事をニュースにしようとしていたらしいのだ。邦題の「ハングリー・ラビット」がこの作品内で殺しの代償報復の了承を意味する言葉で、原題の「シーキング・ジャスティス」=正義を探してではつまんないですよね。
法の裁きを逃れた犯罪者たちに制裁を加える秘密の組織とは、その殺人の連鎖チェーンのボス的存在にガイ・ピアースが演じており、執拗にニコちゃんを利用しようとする。しかし「空腹のウサギは飛ぶ」という暗号めいた言葉を耳にするたびに、事態は悪化の道をたどる。いったい誰が敵で、誰が味方なのか、それすらも定かではなくなり次第に追いつめられていくニコちゃん。

しかし良く考えれば、道徳的に代理殺人が成功するとは限らないし、警察が真剣に取り合ってくれないので、自警団みたいに自分たちで始末するという危ない仕事。それでも、中盤でニコちゃんの家の冷蔵庫に貼ってあるマグネットの位置が、並び替えていたりするところなんて、嫌がらせも男としては地味ですよね。
そしてサイモンの策略で殺人の罪まで着せられ、やっとニコちゃんが正体の見えない敵に戦いを挑むことになる。それがなかなか全貌が見えず、身近なあの人や目の前のこの人も実は組織の人間かも、という薄気味の悪さがじわじわと勘繰ってきて…やっぱり首謀者のサイモンをやっつけなければと。
クライマックスで、廃墟のようなショッピング・モールでの決闘シーン。最後には必ずニコちゃんが勝ち残ると思って見ていた。それにしても奥さんの拳銃射撃の上手い事。ニコちゃんが新聞記者の家でDVDを見つけてそれを新聞社に届けるのだが、受け取った新聞社の男も、帰り際に「ハングリー・ラビット」と合い言葉のように答えるのには、もう誰を信じたらいいのか分からなくなる。最後までじらしておいて、そりゃないだろうと思ってしまった。
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