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ロンドン、人生はじめます★★★

2018年05月13日 | アクション映画ーラ行

ロンドン郊外の高級住宅地“ハムステッド”で実際にあった奇跡の物語をモチーフに、ダイアン・キートンとブレンダン・グリーソンの共演で贈るコメディ・ドラマ。高級マンションで悩み多き日々を送る未亡人が、ひょんなことから近所の森で掘っ立て小屋に暮らすホームレスの男性と出会い、彼の自由な生き方に影響されて自らの人生を見つめ直していく姿をユーモラスなタッチでさわやかに綴る。監督は「新しい人生のはじめかた」「ラブ・パンチ」のジョエル・ホプキンス。

あらすじ:ロンドン郊外のハムステッド。高級マンションでひとり暮らしの未亡人エミリー。今になって亡き夫の浮気や借金が発覚、お金のやりくりに、うわべばかりのご近所づきあいと気苦労が絶えない日々が続いていた。そんなある日、双眼鏡で屋根裏部屋から“ハムステッド・ヒース”という近所に広がる風光明媚な公園を眺めていて、謎めいた髭もじゃの男性に興味を抱く。彼はドナルドという名で森の中に建てた手作りの小屋に17年間暮らしていた。立ち退きを迫る不動産開発業者から嫌がらせを受けていたドナルドは、訪ねてきたエミリーにも警戒心を解こうとはしなかったが…。

<感想>久々に観た年を重ねたダイアン・キートンは、相変わらずとても魅力的です。実話ベースの映画とはいえ、こんなにも大人の心を掴んで離さない「本当にあった」ラブロマンスはそうそうない。表情や喋り方から滲み出る知性とユーモア。そしてファッションセンスも相変わらず素敵です。

まず初めは、ドナルドに食事に誘われたエミリーが、胸を高鳴らせながら気になっていた帽子を購入し、鏡の前に立つシーンや、友人宅を訪れる際のモノトーンを基調にした落ち着いた装い、ドナルドと出かけるシーンではジャケットを羽織ったトラッドなファッション、亡き夫の墓を訪れる際はガウンを着込むなど、シャツベースのフェミニンなスタイルが切り取られている。プライベートでも、ファッションアイコンとして長きに渡り支持を集めるキートンのセンスが光る作品となっている。

お相手は、ほぼホームレス風状態のドナルドに、「ハリー・ポッター」シリーズでお馴染みのブレンダン・グリーソンが。キートンがいつもキートンだとしたら、グリーソンは毎回別人だ。今回はヘンリー・ソローのような生活を送る偏屈ジジイで、森の世捨て人を見事に演じている。社会的なテーマが据えられてはいるが、どう考えても相性が良さそうには見えない二人が、近づいてゆくさまがこの作品の肝となっている。

人世に定年はないと、社会が高齢化するということは、現役としての第一線を退いたからといって、その中で生きるための問題からは逃れられないということなのだから。亡き夫の謝金の返済やら、これからの老後の生活費のことを考えて、住んでいる家を売らなければならなくなるとはね。会計士の彼が彼女に惚れているように見えたのだが、ジェイソン・ワトキンスが扮していて好印象であった。

ダイアン・キートンが演じる勝ち組のような未亡人しかり、自由の象徴であるかのように見えるホームレスのドナルドでさえ、彼並みの頑固な人柄でなければ、その生き方を貫くのが難しいのもまた事実である。

このドナルドを演じたブレンダン・グリーソンがいい。ダイアンよりも若いのにも関わらず、この老けぶり汚れぶりは、大人の恋を描いたロマンティック・コメディの主人公としては馴染めなかった。がしかしだ、手作りの小屋のクオリティは高いし、優雅なピクニックデートを見ているのも悪くはない。

役作りなのだろうが、ダイアン・キートンが彼に関心を持ち、同情がいつしか恋になっていく心理が余り伝わってこないのだ。

森の住人が土地の所有権争いに勝ち、獲得した裁判劇の実話に基づいてはいるが、ダイアン・キートン主演のラブコメに仕立て上げるのには、いささか苦しい筋立てであると思う。

人生の黄昏時の出会いがその後の余生を変える二人には、前に観た「恋愛適齢期」(07)でのジャック・ニコルソン相手の大人の恋愛をコミカルに描いていて大変良かった。

018年劇場鑑賞作品・・・86アクション・アドベンチャーランキング

 

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