パピとママ映画のblog

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コルシカン・ファイル★★★

2016年04月09日 | DVD作品ーか行
新聞『カナール・アンシェネ』などの諷刺漫画家ぺティヨンが描く「ジャックパルメール」シリーズの一つの同名映画版。挿入歌にはポリフォニーもあり、タワーニャ(Tavagna)が映画に出演しながら名曲「バルバラ・ヴルトゥーナ(Barbara furtuna)」も歌っている。コルシカ犬(ウ・ゴルシーヌ)も大活躍。
あらすじ:ジャック・パーマ-(クリスチャン・クラヴィエ)は、パリで活躍する私立探偵。事務所のマークになっているブルドッグ同様、食い付いたら離さない名うての探偵として、毎日パリの町中をあちこち飛び回っています。そんなある日、ジャックの元に公証人から新しい依頼が舞い込みます。
公証人ダルジャン氏の依頼内容は、コルシカ島に住んでいるアンジュ・レオーニ(ジャン・レノ)という男性を探し出し、彼に遺産相続の不動産登記証書を手渡して欲しい、というものでした。ただし手掛りは殆どゼロ。コルシカ行きは初めてだけど楽勝だと言いながら、自信に満ちた表情で依頼を引き受けるジャックに、ダルジャン氏は「コルシカ人は過激で秘密主義だ。彼らの生活習慣は、我々フランス人と大違いだ」という意味深長な言葉を残して去ってきます。
コルシカ島に着いたジャックは、早速、唯一の手掛りであるレオーニの故郷という町へ向かう事に。しかし「アンジュ・レオーニ」という名前を口にした途端、山道であるにもかかわらずタクシーは彼を残して走り去ってしまいます。ひとり歩いて町に辿り着いたものの、どこへ行っても冷たい視線。邪険な扱い。会話すらまともにしてもらえません。

それもそのはず、実はレオーニの正体は、コルシカ島民族主義グループのリーダーで、フランス政府はもとより警察が血眼になって探している男だったのです。そんな事情などつゆ知らず、ジャックは宿の階下にある居酒屋で、島民達と夜通し歌ったり飲んだり大騒ぎ。少しは島に打ち解けたかなと思ったのも束の間、いきなり覆面の男達に拉致されてしまいます。
何とその覆面の男こそ、アンジュ・レオーニ本人。しかし彼は、自身の正体を隠したまま、何故レオーニを探しているのかジャックに尋問します。
そこへ突然、別の民族主義グループが乱入、一発触発といった雰囲気になります。警察が現れ、争いを鎮静化してくれたと思ったジャックでしたが、何故か身柄を拘束されてしまいます。
あろうことかテロリストと勘違いされたのです。わけのわからないまま、逮捕されそうになったジャックでしたが、何とか誤解が解け、その上運良く、レオーニが以前アジャクシオという町にいたという情報も得ます。

アジャクシオへ向かったジャックでしたが、着くや否や再び拉致されてしまう羽目に。相次ぐ拉致騒動、爆破騒ぎ、そして謎の美女レア(カテリーナ・ムリノ)との出会い…。想像を超える事態に、さすがのジャックもお手上げ寸前。そして苦心の末、ようやくレオーニに出会えたのも束の間、事態は彼の運命をも飲み込み、大きく転がり始めます。ジャックの運命は!?彼は無事任務を終え、パリに戻る事が出来るのでしょうか!?
監督 アラン・ベルベリアン
出演 クリスチャン・クラヴィエ(ジャック・パルメール)、ジャン・レノ(アンジュ・レオニ)、カテリーナ・ムリノ(レア)

<感想>映画の舞台は地中海西部、ジェノバ湾の南に浮かぶフランス領の島、コルシカ島。地中海ではシチリア(伊)、サルディーニャ(伊)、キプロスに続き、4番目に大きい島なのですが、この島(コルシカン)がとにかく美しく、重要な見どころとなっています。
1768年にジェノバからフランスに割譲されましたが、それまでの700年余りはイタリア配下にあったので、住民も文化もイタリアの影響が強く、その複雑な歴史的、民族的背景から、自治権を要求する運動が、今も活発に起こっています。
なので、劇中に登場する民族主義グループやテロ事件といった、きな臭い話は実際にある話なのです。でもそこは脚本の力で、暗さを微塵も感じさせない、明るく陽気な作品に仕上がっています。勿論、作品の放つそういった社会的メッセージも大切ですが、フランスでありながら、異国を感じさせるコルシカ島の素晴らしさをチェックしながら見ると、楽しさも倍増しますね。

例えば、コルシカ犬“コルシーヌ”、民族を語り歌う男声合唱「ポリフォニー」、「ミルト」という植物を原料にした食後酒、コルシカ語等、コルシカ独特のものが数多く登場。また、羊やヤギの飼養、オリーブやブドウ、柑橘類といった農業、葉巻きの生産等が島民の生業なので、美味しそうなサラミや生ハムといった肉加工品、ワインやリキュール、そして葉巻きも、たっぷり映画の中に登場して堪能出来ます。
温暖な地中海式気候区に属しているから、保養地として人気があるのも見れば納得。もう、どんなガイドブックを見るより、コルシカの魅力が詰まっています。
タイトルのイメージとは異なり、中身はコメディです。地中海に浮かぶコルシカ島に、人を探しにやってきたパリの探偵が、地元の頑固なおっさんたちや、のどかな独立運動家たちにまきこまれてしまう、というストーリーです。コルシカってこんなとこだよ!って、それだけをネタにしている話なんだけどね、・・・。

ャン・レノが主役のクレジットになっているが、実際は彼と「おかしなおかしな訪問者」などでも共演したクリスチャン・クラヴィエの気の弱い探偵役が話の中心なので、ジャン・レノの役はたいして大きくはないです。このフランスを代表する、ふたりの“ちょい悪オヤジ”が、タッグを組んで生み出した作品、それが「コルシカン・ファイル」です。
話は途中から人探しとは無関係な方向に進展、気がつけばなぜかダメダメ探偵のロマンスになってしまっている。コルシカ島の実力者というジャン・レノの役も、最後までなにをやりたいか意味不明。

この映画のジャン・レノは何か魅力がないですね。おまけに、フランスのコメディにありがちな、ポイントをはずしたギャグばかりでは、見ている側としてはツマラナイですね。クリスチャン・クラビエとジャン・レノは、楽しそうに演技をしていましたね?、でも、本人たちは楽しそうなのですが、見ているほうまでは、楽しさがあまり伝わってこないですね。コルシカ島の美しい砂浜、島全体を見下ろす崖の上のお屋敷、さらに島のホテルなど景色を眺めるのには、楽しめる作品でした。

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