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風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

仕上げのニス塗り

2012-11-27 | 東日本大震災で被災した松の木

       東日本大震災で被災した松の木パンフルート製作もいよいよ最後の工程にはいりました。

                            

           漢方にも使われるクコの実。           パンフルート管への仕上げニス塗り。

 パンフルート製作最後の工程の管へのニス塗りは、この管たちが生きて行くうえで表面の保護であったり湿気や

極度の乾燥から身を守るために必要となるものです。

しかしものには限度というものがあり美観だけを求めての厚塗りは考えものであります。

市販されているパンフルートの多くは管の表面の透明なニスの層がはっきり認識できるほど厚塗りされています。

パンフルートの素材は柔らかい竹や木を使っております。

この素材の柔らかさがパンフルートの音の原点であります。

言いかえれば堅いニスを一層塗り重ねるごとに柔らかい音が失われて行くことにほかなりません。

当工房パンフルート製品でのニス塗りは4回塗り以内にとどめております。

しかし欠点もあり日本の四季の変化の影響を受けやすくそのつど音程が微妙に狂ってしまうことがあります。

当工房パンフルート製品は外観上の見栄えより柔らかい音を追求していますのでこまめに音程をチェックして

楽器をベストの状態に保つことが求められます。

常に楽器の様子をうかがうことでパンフルートと人とが一体化するのではないでしょうか。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または 香原 良彦

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org

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個性を見いだす面白さ

2012-11-20 | 東日本大震災で被災した松の木

        完成ま近かの被災松の木のパンフルート達ですが各々個性を発揮しはじめました。

    

 金閣はもみじの赤が反射されて赤く輝いていました。      それぞれの管にそれぞれの台に個性があります。

 みなさんは「1台のパンフルートの中の22管全てに個性があり各々が違う主張をする」と言われても、「ではどう

やって皆をまとめあげるの?」と不思議に思われるかもしれません。

バラバラの個性を同じ方向に向かせて皆をまとめあげるには出来上がったばかりのパンフルートをできるだけ多く吹き

込んで音をなじませる作業をしなくてはなりません。

ご存知のようにパンフルートは一音一管の楽器です。

1管が音を出している間は他の管は休んでいます。

休んでいるかのように見える他の管は実は音を出している管から出る振動で仲間の音を感じ取っているのです。

「あの子はいい音を出しているな!自分に順番が回ってきた時にはあのような音を出してみたいものだ」と心の準備を

しているのです。

こうして吹き込みを続けていくうちそれぞれの個性は同じ方向を向くようになり1台のパンフルートとして成立する

ようになってきます。

この成長の過程を味わえることができるパンフルート制作者は面白く楽しくて仕方ありません。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または 香原 良彦

までどうぞ。広島パンフルート愛好会へもどうぞ。nakamura@an-pan.org

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底面箱部のニス塗り

2012-11-19 | 東日本大震災で被災した松の木

       東日本大震災で被災した松の木のパンフルート製作も完成ま近かとなりました。

    

    正倉院展の帰りに京都金閣寺に寄りました。            被災松の木の底面色付きニス塗り。

 被災松の木のパンフルートは音も出るようになり、それぞれの個性を主張しはじめています。

パンフルート制作者にとってこの個性の見極め作業が一番の至福の時であります。

松の木の素材がパンフルート工房へ届いたその日から制作者と寝食を共にし時間を共有してきた友でもあります。

もともと1本の木であったとしても育った部位が違い陽のあたる南向きであったり北向きであったり条件は全て違う

ので1管1管に個性があっても何の不思議もありません。

制作者はその個性の管を「まことに私の勝手ではありますが22管のグループに選ばせてもらいますのでこの後は

朽ちるまで一緒にすごしてもらえないでしょうか」とお願いしてまとめ上げるのです。

1台の楽器として各々の音を発揮するようになった今の制作者の仕事はオーケストラの指揮者のごとく各管個性の

音を認めその音を最大限に生かす努力をして全体を1歩ずつ育て進めていくことであります。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは0182-894-0854または香原 良彦

までどうぞ。広島パンフルート愛好会へもどうぞ。nakamura@an-pan.org

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松の木のパンフルートの音

2012-11-04 | 東日本大震災で被災した松の木

        東日本大震災で被災した松の木のパンフルートの産声を聞くことができました。

    

         パンフルート工房付近紅葉風景。          丸太からこの形まで成長してきました。

 約1年半前丸太の形で当パンフルート工房に届いた松の木は1本1本のパンフルート管に成るべく制作者の手で

細かく裁断され穴をあけられ丸く削られてきました。

22の独立した性格を持つ管たちはカーブのついた台座の上に整列してくっつき合い一つの楽器としてこの世に誕生

いたしました。

いま音づくり工程を終えパンフルート楽器として音を発信して行きます。

この松の木のパンフルートの音の出具合を確かめるため数曲を選んで演奏してみました。

松の木のパンフルートはとにかく柔らかく優しい音が出ます。

ギンギンの音角ばった音とは無縁のまろやかでやさしく体を包み込んでくれる母親のイメージの音です。

当パンフルート工房で200台近くの楽器誕生産声に立ち会ってきましたが、これほどの優しい音に出会ったのは

初めてのことです。

しかも音の立ち上がりの反応も速くその後の響きも申し分なく、成長が楽しみであります。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org 

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パンフルートの音作り

2012-11-02 | 東日本大震災で被災した松の木

        東日本大震災で被災した松の木のパンフルート作りは音作りの工程に入ります。

    

           パンフルート工房付近風景。              穴の底にはコルクを詰めます。

 松の木のパンフルート作りはパンフルート底部箱形作りと上部歌口の加工と並行しながら最終工程である音作りの

工程に入ります。

パンフルートの長さは各管余裕をもって長めにとってありますので全て蜜蝋を詰めると貴重な蜜蝋がいくらあっても

足りなくなります。

そこである程度の寸法に近づくため穴あけポンチでコルク板を抜いて穴の底に詰めていきます。

低音部で1音半・高音部で2~3音下までコルクを固く詰め残りの音程の分量を蜜蝋で埋めて行きます。

高音部で多くの余裕を持つ理由は高音管音程の体積が少ない分演奏者の体力・技術によって音程変動がありそれを吸収

するために微調整のできないコルク部分は少なめにつめてあります。

予測の話で申し訳ないのですが、私の調律したパンフルートをプロのコーネル・パナさんが吹いたとすれば・・

高音部で1音半低音部で半音下げるため蜜蝋をその分量掻き出されることでしょう。

初心者の方には音程は低すぎるため蜜蝋を継ぎ足すことになります。

制作者はこの楽器を誰が使っても耐えうるようしっかりと計算しております。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082−894−0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へはnakamura@an-pan.orgまでどうぞ。

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