ぶらぶら人生

心の呟き

燕の雛、孵る

2011-06-01 | 身辺雑記
   

 郵便局に着くと、視線は燕の巣を捉えた。
 今年も、無事雛が孵化したようだ。
 一羽の親燕が、巣の端にいる。心なしか落ちつかぬ様子である。
 私の姿に警戒心を抱いているのだろうか?
 危害を加えられないようにと、幼い子燕を見守っているようにもみえる。

 若くて美しい女性の局員が、脚立を持ってきてくださった。
 
 「4羽、いるようです」
 と、教えてくださった。
 が、その姿は見えない。
 大きな口をあけて餌をねだるには、幼すぎるのだろう。
 親燕が代わる代わる餌を運んでくると、巣の中に蠢くものがかすかに感じられる。
 
 結局、折角の脚立は使わなかった。

 
 震災地にも、燕はやってきているのだろうか?
 昨年の棲家を失った燕は、戸惑ったことだろう。
 完全に棲家を失ったもの、傾いた家の軒端だけは残っているもの、様々に違いない。
 燕にとっても、受難の初夏である。


 昨年、郵便局の燕のことをブログに書いたご縁で、毎日新聞の女性記者Rさんと知り合った。 その有能な彼女は、九州に転勤され、お会いする機会がなくなった。
 が、燕の季節になると、毎年Rさんを思い出すだろう。
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