丈高く伸びた茎の上に、紫色の小花を集合させ、ひょろんと長く房状に伸びて咲く、この花にあまり好意を持っていなかった。(写真)
他家の庭先でよく見かける花だ。写真は、いつも通る道の、すぐ側の畑に植えられているものを撮らせてもらった。
先日、同じ花を、ピンクのシュウメイギクと一緒にもらったので、花瓶に挿してみた。花を中心に眺めると、決して見捨てたものではない。
そういえば、あの可愛いコスモスだって、花だけを眺めるからいいのであって、茎や葉の部分を含む総体で考えたら、決して高い評価は得られないだろうから。
この花の名は、「トラノオ」だと、教えてもらった。
虎の尾に似ているところから命名されたのだろう。
花の構造を仔細に眺めると、なかなか精密にできている。
近くで見ると、紫の色も高貴だ。
以前住んでいた家の庭先で、母が育てていた花に、「カクトラノオ」というのがあった。それは、丈ももう少し低く、薄紫の上品な花をつけていたことを、思い出した。
花の房が、直方体の形をして先の部分が次第にすーと細まっていた。そこで、「トラノオ」の上に「カク(角)」がついたのだろう。全体的に、カクトラノオの方が、トラノオより小ぶりで色もおとなしかった。
その気で眺めれば、野の花も、園芸用の花も、その種類の多彩さに感心する。
観察者は、自分の好みで好きだとか嫌いだとか言って適当に眺めているが、生き物としての植物は、人に媚びることもなく、自らの命をただひたすら生きているだけなのだろう。特に野生の花のたくましさには感動する。
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