ぶらぶら人生

心の呟き

トラノオ

2006-10-21 | 散歩道

 丈高く伸びた茎の上に、紫色の小花を集合させ、ひょろんと長く房状に伸びて咲く、この花にあまり好意を持っていなかった。(写真)
 他家の庭先でよく見かける花だ。写真は、いつも通る道の、すぐ側の畑に植えられているものを撮らせてもらった。
 先日、同じ花を、ピンクのシュウメイギクと一緒にもらったので、花瓶に挿してみた。花を中心に眺めると、決して見捨てたものではない。
 そういえば、あの可愛いコスモスだって、花だけを眺めるからいいのであって、茎や葉の部分を含む総体で考えたら、決して高い評価は得られないだろうから。
 
 この花の名は、「トラノオ」だと、教えてもらった。
 虎の尾に似ているところから命名されたのだろう。
 花の構造を仔細に眺めると、なかなか精密にできている。
 近くで見ると、紫の色も高貴だ。

 以前住んでいた家の庭先で、母が育てていた花に、「カクトラノオ」というのがあった。それは、丈ももう少し低く、薄紫の上品な花をつけていたことを、思い出した。
 花の房が、直方体の形をして先の部分が次第にすーと細まっていた。そこで、「トラノオ」の上に「カク(角)」がついたのだろう。全体的に、カクトラノオの方が、トラノオより小ぶりで色もおとなしかった。

 その気で眺めれば、野の花も、園芸用の花も、その種類の多彩さに感心する。
 観察者は、自分の好みで好きだとか嫌いだとか言って適当に眺めているが、生き物としての植物は、人に媚びることもなく、自らの命をただひたすら生きているだけなのだろう。特に野生の花のたくましさには感動する。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« どんぐり ころころ | トップ | 海らしい海 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿