家の庭木の中で、最も虫のつきやすいのは、クチナシの木ではないか、と思っている。留守をしている間に、葉のあちこちに穴があいている。
一週間前に帰宅したときには、蕾の気配さえ感じなかったのに、今日気づくと、花は盛りを過ぎた気配であった。それでも会えてよかった。
クチナシの花は、名前としては知らぬ人のない花であるが、意外に見かけることは少ないように思う。
家の小木も、どういう経緯でそこにあるのか分からない。が、毎年、目立たない横庭の片隅に、芳香を放って咲いてくれる。
クチナシの花をみると、必ず心に蘇る光景がある。
クチナシの花をみると、必ず心に蘇る光景がある。
半世紀近い昔、六甲山のホテルに泊まり、近くの喫茶店に、友達と二人で入ったときのことである。
蘇る光景というのは、その店に居合わせた、和服姿の男性客が、渡哲也の「クチナシの花」を歌って聞かせてくれた情景である。
その男性の顔も思い出せないのに、雰囲気だけが妙に鮮明であり、馬鹿の一つ覚えのように、クチナシの花をみると、反射的にその場の光景が、必ず蘇るのも不思議である。
(ブログを書き始めて、ほぼ20年になる。
家のクチナシの花が咲くごとに、同じ思い出を書いてきたのかな? と、ふと思う。
一度、過去のブログを読み返してみたい思いはあるが、それは果たせそうにもない。)
クチナシの蕾
白い実となるマンリヨウの花。
赤い実となるマンリョウの花。
シロシキブの花。
↓
ムラサキゴテンの花を待っているのだが……。