軌道エレベーター派、おかげさまで少しずつ復調しつつあります。
さて、きょうからノーベル賞の発表ですね。軌道エレベーター学発展の契機ともなった、カーボンナノチューブ(CNT)。これを発見した飯島澄男博士が選ばれないかと、毎年気になっているという記事を書きましたが、今年もその季節がやってきました。そこで、今回はCNTについて少々。
一時は青息吐息だった我が軌道派なのですが、仕事だけはやらんと生きていけないので、少々無理しつつもなんとか休まず続けて参りました。そんな仕事の中でも、最近量子コンピュータについて少々調べる仕事をしてまして、これはやっていて面白い。
めちゃくちゃ難しいので私も一知半解ですが、従来のコンピュータに使われるプロセッサよりも遥かに小さい、原子レベルのミクロな世界になると、直感的な物理学は通用せず、量子力学に支配されるようになります。
ざっくり言うと、この量子論の効果が現れる世界における重ね合わせの現象や、超電導状態で現れるトンネル効果などを演算に利用するのが量子コンピュータで、2進法の0と1の値を同時に取れるので、プロセッサの最小単位を増やすごとに演算能力が倍々になっていく。
簡単に比較はできないですが、2個つなげれば単純に2倍である従来のコンピュータに比べ、量子コンピュータは10個つなげれば1024倍、70個になると1兆倍を超える。
これが1個で四つの値を取れる理論もあって、そうなるともっと能力がアップすると。開発が進めば、現存のスパコンだと何年もかかる問題が数秒で解けるようになると、大まかにそんな感じです。
量子コンピュータに期待される課題の一つが素因数分解で、暗号に使われているので悪用されて逆にやばいという社会問題にもなりうる代物ですが、それには何千万個もの量子プロセッサが必要になるそうで、今はまだ全然その域には達してないんだとか。
さて、量子コンピュータのシステムにはゲート型やアニーリング型、超電導方式やイオントラップ方式や中性原子方式、プロセッサの材料にも光子やら何らかの原子やら原子核やら、電子やら中性子やら、多々あるそうですが、現在日本にある量子コンピュータはすべて超電導方式だそうです。これは上記のトンネル効果(ジョセフソン効果)を利用して電子を対にするというもの。。。らしい。
くどくど理屈ばっか並べて、CNTと何の関係があるんじゃい、と言われそうですが、その材料の候補にCNTがあるんですね。炭素原子の筒であるCNTは、電子を閉じ込める鞘の役割を果たし、外界からのノイズを遮断して(量子コンピュータは外界からの擾乱に対し極めて脆弱)、中の電子を高精度で制御するのに向いているんだそうです。
このように、軌道エレベーターのみならず、CNTは量子コンピュータの発展にも寄与しうる可能性を持っているわけで、それを発見した功績はとても大きいですよね。ノーベル賞にかかわらず、偉大な発見だと思っていますが、とにかくも、今年も結果を見守りたいと思います。
さて、きょうからノーベル賞の発表ですね。軌道エレベーター学発展の契機ともなった、カーボンナノチューブ(CNT)。これを発見した飯島澄男博士が選ばれないかと、毎年気になっているという記事を書きましたが、今年もその季節がやってきました。そこで、今回はCNTについて少々。
一時は青息吐息だった我が軌道派なのですが、仕事だけはやらんと生きていけないので、少々無理しつつもなんとか休まず続けて参りました。そんな仕事の中でも、最近量子コンピュータについて少々調べる仕事をしてまして、これはやっていて面白い。
めちゃくちゃ難しいので私も一知半解ですが、従来のコンピュータに使われるプロセッサよりも遥かに小さい、原子レベルのミクロな世界になると、直感的な物理学は通用せず、量子力学に支配されるようになります。
ざっくり言うと、この量子論の効果が現れる世界における重ね合わせの現象や、超電導状態で現れるトンネル効果などを演算に利用するのが量子コンピュータで、2進法の0と1の値を同時に取れるので、プロセッサの最小単位を増やすごとに演算能力が倍々になっていく。
簡単に比較はできないですが、2個つなげれば単純に2倍である従来のコンピュータに比べ、量子コンピュータは10個つなげれば1024倍、70個になると1兆倍を超える。
これが1個で四つの値を取れる理論もあって、そうなるともっと能力がアップすると。開発が進めば、現存のスパコンだと何年もかかる問題が数秒で解けるようになると、大まかにそんな感じです。
量子コンピュータに期待される課題の一つが素因数分解で、暗号に使われているので悪用されて逆にやばいという社会問題にもなりうる代物ですが、それには何千万個もの量子プロセッサが必要になるそうで、今はまだ全然その域には達してないんだとか。
さて、量子コンピュータのシステムにはゲート型やアニーリング型、超電導方式やイオントラップ方式や中性原子方式、プロセッサの材料にも光子やら何らかの原子やら原子核やら、電子やら中性子やら、多々あるそうですが、現在日本にある量子コンピュータはすべて超電導方式だそうです。これは上記のトンネル効果(ジョセフソン効果)を利用して電子を対にするというもの。。。らしい。
くどくど理屈ばっか並べて、CNTと何の関係があるんじゃい、と言われそうですが、その材料の候補にCNTがあるんですね。炭素原子の筒であるCNTは、電子を閉じ込める鞘の役割を果たし、外界からのノイズを遮断して(量子コンピュータは外界からの擾乱に対し極めて脆弱)、中の電子を高精度で制御するのに向いているんだそうです。
このように、軌道エレベーターのみならず、CNTは量子コンピュータの発展にも寄与しうる可能性を持っているわけで、それを発見した功績はとても大きいですよね。ノーベル賞にかかわらず、偉大な発見だと思っていますが、とにかくも、今年も結果を見守りたいと思います。