軌道エレベーター派

伝統ある「軌道エレベーター」の名の復権を目指すサイト(記事、画像の転載は出典を明記してください)

どうでもいいんですがちょっと気になりまして

2011-10-27 21:15:41 | その他の雑記
 昨日、「アイデアノート」の更新作業をしながらTVをつけたら『家政婦のミタ』という番組がやってました。何でもトコトンこなす謎めいた家政婦さんのお話、というよりそんな彼女に庶民のご家庭がメチャクチャにされるお話みたいです。
 ミタさんアンドロイドじゃなかろうか? 記憶力抜群だし、「自分には心がない」みたいなこと言ってるし。特に、言葉を何でも額面どおり受け取って実行し、限度を知らない。これはいわゆる「フレーム問題(物事の"さじ加減"を、いかにして人工知能に学習させるかという問題)」だとすれば説明がつく。
 きっと開発途中のハウスメイドロボの試作品に違いない。ミタさんが派遣されたご家族は実験台にされたのでしょう。わずか3話目にして彼女に家庭崩壊させられたようです。
 まあ冗談ですけれども、なかなか面白かったです。今回はそれだけでした。

光より速い粒子で相対性理論は覆らない その3

2011-10-23 01:10:57 | その他の雑記
 今回の更新では、当初アイデアノートの続きを載せる予定だったのですが、気になる情報が入ったので取り急ぎ。
 先日の、ニュートリノが光より速いというニュースに関して記事を書いた時、「観測に使用したというGPSの補正ミスとか?」と書いたのですが、どうやら本当にGPSの補正ミスだという説が出てきらしいです。

 GPSは地球周回軌道を高速で飛ぶ人工衛星を利用しているので、相対論的効果によって地上の時計との同時性が崩れるんですね。また重力=時空の歪みなので、地球の重力場も時間に影響を与えます。相対性理論の正しさの一つの証明でもあるわけですが、このため送受信する位置情報のタイムラグが生じ、カーナビなどは常にこの差を自動的に補正しています。カーナビの仕組みをちょっとかじった人ならこんなことは常識なんですが、今回の実験、この差を計算に入れてなかった可能性があり、それを含めて計算すると光速を超えた分が相殺されるのだとか。

 結論はこの仮定に基づいた追試などではっきりするでしょうが、もし指摘通りの原因だとしたら、ポカーンとしてしまうようなオチですね。こういう高精度を求められる専門的な実験環境を整える以上、初歩の初歩じゃないのかなあと思うんですが。。。補正ミスと書きはしましたが、私もまさかそんなことあるまいと思ってました。
 まあ決めつけしまうのはせっかちですね。とにかく結果を待ちたいと思います。ちなみに、「光より速い粒子で相対性理論は覆らない」と書いたこと自体は、「ニュートリノが超光速粒子であれば」という前提なので、結論は変わりません。
(この記事は現在更新途中のアイデアノートが掲載後に順序を変えます)

光より速い粒子で相対性理論は覆らない その2

2011-10-04 20:22:53 | その他の雑記
 先日、欧州のCERNによる実験で、ニュートリノが光よりも速いという結果が出たことについて、「今回の実験結果で特殊相対性理論が覆ることはない」という主旨の記事を書きました。その後も同じようなニュースが飛び交い続けているので、「私の理解が間違っていたのかな? トンデモなのは私の方か? 私は世間の笑いものなのかしら」と少々不安だったのですが、そのトンデモさんの著書を愛する読書集団「と学会」会長で、SF作家の山本弘氏が解説しておられました。リンクを張っていいのかわからないので、タイトルとアドレスを列挙します。

 山本弘のSF秘密基地BLOG
「光より速いニュートリノ」をめぐる誤解(http://hirorin.otaden.jp/e212113.html)
「光より速いニュートリノ」をめぐる誤解・2(http://hirorin.otaden.jp/e213676.html)
「光より速いニュートリノ」をめぐる誤解・3(http://hirorin.otaden.jp/e213853.html)

 私の理解度は氏のように専門的ではなく、ほんの上っ面に過ぎず、公式もサッパリです。しかし今回のニュースと似たような間違った認識を昔抱いていて、その後改めたことがあったので、光より速いだの遅いだの、時間旅行がどうのという点に関しては、結論だけは覚えていたんですね。そうだよ、やっぱり間違っているのは相対論ではなくニュース記事の方だよなあ? ああ、ホッとした。「ニュートリノが初めからタージオンじゃなければ相対論と矛盾しないでしょう?」と言えば良かったのかな。言葉足らずというか一知半解ですみません。

 山本氏の作品けっこう好きで、氏がブログで述べている『地球移動作戦』(早川書房)も読みました。映画『妖星ゴラス』(1962年)へのオマージュ作品でもあり、非常に面白いです。地球に接近する巨大天体の影響による破滅を避けるため、地球全体を現在の公転軌道から一時的に移動させるという壮大な計画を描いた作品です。
 本書の世界では速度無限大を超えたマイナス速度(氏によるとこういう場合に粒子が時間を逆行するんだそうです)のタキオンを扱う技術が実現しており、これが地球の移動(アースシフト)を可能にするのですが、さらにタキオンによる「過去への通信」が行なわれます。
 非常に離れた距離にある二つの天体(アステロイドベルトの小惑星とカイパーベルト天体)の公転周期を同期させ、タキオンの放出器と検出器をそれぞれ取り付ける。一方がタキオンを放出すると、もう一方に14分20秒に到着し、すぐに送り返す。この往復を52回繰り返して、24時間前にメッセージを送る。これにより、巨大天体の回避に伴う、予想外の影響やテロなどのトラブルを事前に察知するという「シビュラ計画」が実施されます。
 逆行する時間を長く稼ぐために、放出器と検出器の間の距離を文字通り天文学的に開ける必要があるわけですね。タキオンの検出はスーパーカミオカンデみたいな水槽(ただし凍っている)で行ったりしていて、この手順や原理は、情報こそのせてはいませんが、スイスで放出したニュートリノを遠く離れたイタリアで検出するという、今回のCERNの実験と基本的に変わりません。

 私はこの場面に「おお!」とシビれました。タキオンによる過去への通信という発想自体はグレゴリイ・ベンフォードの『タイムスケープ』(早川書房)で既知でしたが、書き方がいい。章の変わり目で突然場面が太陽系辺縁部に飛び、シビュラに利用される小惑星の周期を変更する描写などが出てきて、最初は「アースシフトと何の関係があるのだろう?」と思わせ、読み進めると、巨大な計画の一部を成していることがわかる。トム・クランシーの軍事小説みたいで、スケールの大きさを感じさせました。
 私は本書のような緻密な作品の粗探しをするのが好きでして。。。「粗」というと大変失礼ですが、「ほかに方法はないだろうか? もっとシンプルで合理的なやり方は?」と、著者とは違うアイデアをひねってみるのが好きなんです。しかし所詮は素人。本書の世界観や設定に基づけば、描かれているやり方が合理的だと、読んでみて納得しました。ミステリを読む時に、犯人の発想以外のトリックを考えてみようとするようなもので、こういうのも読む楽しみの一つです。

 ほかにも感想を書きたいところですが、話題がずれていってしまうので、それはまた改めます。とにかく自分がトンデモないこと言ってないみたいで良かった。。。

2011年4~9月のまとめ

2011-10-01 11:18:09 | その他の雑記
 10月になりました。3か月~半年に1回掲載している、恒例の目次(まとめ)です。

目次
軌道エレベーター派宣言
 あいさつに代えて、このホームページのスローガンのご披露

軌道エレベーター早わかり
 はじめて「軌道エレベーター」という言葉を知った方のための、簡単な基礎知識の説明

(軌道派による軌道派のための)軌道エレベーター定義書
 当サイトにおける「軌道エレベーター」の構造や分類などについてまとめた定義一覧

軌道エレベーター豆知識
 軌道エレベーターに関する情報や知識をテーマ別に紹介
番外編「再確認:なぜ軌道エレベーターが必要なのか」

軌道エレベーターが登場するお話
 小説やアニメなど、軌道エレベーターに関係する物語のあらすじと、作中に登場する軌道エレベーターの特徴の解説
(5)の2 宇宙でいちばん丈夫な糸
(8) 果てしなき流れの果に

専門書・論文レビュー
 軌道エレベーター関連書や論文の紹介
 (6) 宇宙エレベーター -宇宙旅行を可能にする新技術-

軌道派アイデアノート
 軌道エレベーターに関する管理人のオリジナルアイデアの紹介
 (3) コリオリ対策

軌道エレベーター学会
 原発問題が取り沙汰されていることもあり、「軌道エレベーターによる核廃棄物の処分」のリンクを表示します。

ニュース
 独自取材のストレイトニュース
8.21「『ニュース』を新設します」
8.21「『宇宙エレベーター技術競技会』開催」

その他の雑記
 テーマにこだわらない、日々の他愛のない感想や雑学メモなど(2011年4月9日以降のみ)
5月
5.13「ふだん言わずにいること」
5.17「ホーキング博士『天国など存在しない。おとぎ話だ』」

6月
6.5「『100,000年後の安全』感想」

7月
7.3「今年も『軌道エレベーターの日』記念強化月間」
7.11「軌道エレベーターポケットブック for iPhone発売決定&プレゼント」
7.19「ストフライト」
7.21「軌道エレベーターポケットブック for iPhone 本日発売しました」
7.27「さらばスペースシャトル」
7.30「あすまで募集してます」
7.31「きょうは『軌道エレベーターの日』(当選者発表)」

8月
8.5「競技会に来てます」
8.19「お詫びのあいさつ」

9月
9.4「大人買い三たび」
9.11「震災、復活の日」
9.18「太陽が二つある世界」
9.21「デブリの量が限界に」
9.24「光より速い粒子で相対性理論は覆らない」
9.27「日経サイエンスに告知載りました」


 2011年4月以前の目次は、4月9日の更新「2周年」をご覧ください。