先月、豆知識で「墓場軌道」について書きましたが、これとは別に、地球上に「宇宙機の墓場(Spacecraft Cemetary)」というのがあります。
陸地から最も離れた場所 "Point Nemo" と呼ばれる場所の一つで、南緯48度、西経123度の南太平洋上にあります。ポイント・ネモは「到達不可能極」などと訳されますが、これは移動手段が乏しかった時代の名残であり、それこそ人が宇宙に進出している現在では到達不可能というわけではありません。
人間の住環境から離れているため、国際的な合意で、寿命を終えた人工衛星のうち再突入で燃え尽きない大きなものや、使用済みの推進器、燃料タンクなどを落下させる場所とされています。大きなものでは2001年にロシアの「ミール」の本体もここに落とされ、国際宇宙ステーションも運用終了後に廃棄される見込みです。
ただし、当該宇宙機の軌道要素が見合うものに限られるので、「可能ならここに落とせ」くらいの了解事項です。先日、中国の長征5号Bが落ちてくると物議をかもしましたが、軌道傾斜角は41.5度だったので、少なくともそのままでは、この墓場の位置に軌道が重なりません。仮に制御可能だったとしても、軌道変更はかなりの負担になっていたでしょう。だからって後始末はちゃんとしてほしいものですが。
軌道エレベーターが実現すれば多段式のロケットは不要になるでしょうし、廃棄する宇宙機も、回収してエレベーターで地上に降ろすか、軌道カタパルトで外宇宙に捨てるかになるでしょうから、この宇宙機の墓場もお役御免になるかも知れません。
陸地から最も離れた場所 "Point Nemo" と呼ばれる場所の一つで、南緯48度、西経123度の南太平洋上にあります。ポイント・ネモは「到達不可能極」などと訳されますが、これは移動手段が乏しかった時代の名残であり、それこそ人が宇宙に進出している現在では到達不可能というわけではありません。
人間の住環境から離れているため、国際的な合意で、寿命を終えた人工衛星のうち再突入で燃え尽きない大きなものや、使用済みの推進器、燃料タンクなどを落下させる場所とされています。大きなものでは2001年にロシアの「ミール」の本体もここに落とされ、国際宇宙ステーションも運用終了後に廃棄される見込みです。
ただし、当該宇宙機の軌道要素が見合うものに限られるので、「可能ならここに落とせ」くらいの了解事項です。先日、中国の長征5号Bが落ちてくると物議をかもしましたが、軌道傾斜角は41.5度だったので、少なくともそのままでは、この墓場の位置に軌道が重なりません。仮に制御可能だったとしても、軌道変更はかなりの負担になっていたでしょう。だからって後始末はちゃんとしてほしいものですが。
軌道エレベーターが実現すれば多段式のロケットは不要になるでしょうし、廃棄する宇宙機も、回収してエレベーターで地上に降ろすか、軌道カタパルトで外宇宙に捨てるかになるでしょうから、この宇宙機の墓場もお役御免になるかも知れません。