軌道エレベーター派

伝統ある「軌道エレベーター」の名の復権を目指すサイト(記事、画像の転載は出典を明記してください)

地図の真実

2018-05-06 13:46:57 | その他の雑記
 皆さん、世界地図というと、どういう地図を思い浮かべるでしょうか。たいていは下図のような四角い地図でしょう。地図作成フリーサイトで作りました(今回の内容のため、大西洋を中央にしてあります)。ネットでも「世界地図 画像」で検索するとたいていこれに類するものが最も多くヒットするようです。



 この地図で、たとえばグリーンランド(緑色の部分)を見ると、アフリカ大陸(黄色)に匹敵する巨大大陸に見えますが、本当は、この程度の大きさしかありません。


 
 あるいはスカンジナビア半島(ピンク色)。一番上の地図だとオーストラリア(水色)と同じくらいの大きさに描かれてますが、実際はこんな感じ。



 おわかりだと思いますが、一番上の世界地図は、いわゆるメルカトル図法の地図です。メルカトル図法は航路や時差、日付変更線、行政区分などを表示するのに適していて、地理学習の地図帳や色んなお仕事など、幅広い用途に使われています。義務教育でほかの表示法も学びはしますが、世界地図と聞けば、これを連想するのは当然の発想ですよね。何より四角くて見やすいし。

 しかし上に示したように、現実の地形との間にとんでもない誤差があるんですね。メルカトル図法は丸い地球を四角く描くため、全体を赤道の幅に合わせて修正しています。すなわち、緯度の高い地域ほど東西に引き延ばされ、歪められています。その修正が地図上の面積に及ぼす影響たるや、ご覧の通りというわけです。なお、面積を比較した地図は、紙製地球儀を基に画像を作ったので、多少の誤差はお許し下さい。
 ちなみに日本は中緯度に位置する上、南北に細長い国なのでほんとどデフォルメは目立ちません。それに、南半球は北ほど陸地が広くないから、誤差は目立たないようです。

 もう10年くらい前になりますが、NHKで放送されていた『ザ・ホワイトハウス』という海外ドラマ、覚えている方おられますでしょうか。私、大ファンでDVDを全巻持ってるんですが、その2ndシーズンで、このような誤解を解いて正しい地図を普及しようという団体が、ホワイトハウスに陳情するというエピソードがありました。
 その団体が披露した「正しい地図」を見て、ホワイトハウスのスタッフである登場人物たちは、

  ( ゜Д゜)こマ? 状態。
 
 私も 工エエェェ(´д`)ェェエエ工 と驚いちゃいました。両極が引き延ばされてるのは常識でしょうが、これほどとは思ってませんでした。何というか、世の中には、知っているようで知らないことがたくさんあるんだなあと。
 ちなみに、海外のサイトで、こうした地図の本当の大きさがわかるサイトがあるのですが、これを作った人も『ザ・ホワイトハウス』に発想を得たんだとか。

 それにしても、グリーンランドの人たち、どう思ってるんでしょうね? 「大きな大陸だねえ」とか言われるたびに「うちらの島こんなでかくねーし!」とか訂正してるんでしょうか。

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