軌道エレベーター派

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「水星の魔女」に軌道エレベーター

2023-05-05 09:38:10 | 軌道エレベーターが登場するお話
 現在放送中の「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の世界では、地球に軌道エレベーターがあるようです。
 15話で、地球の過激分子に捕らわれた(元)御曹司のグエル・ジェターク(主人公ではない)は、戦闘のドサクサで拘束から逃れ、すったもんだの末に自分を捕らえていた人物に尋ねます。

「教えてくれないか、軌道エレベーターまでの行き方・・・・・・」
 
 次の回ではもう宇宙に帰り着いており、一文無しなのによく軌道エレベーターに乗れたもんです。
 なので、軌道エレベーターは画面に一切登場しません。特に設定もデザインもないのかも知れません。しかし、登場しないけど、視聴者もセリフで言及されるだけで理解できる。特にガンダムファンの間では「機動戦士ガンダム00」のお陰で、軌道エレベーターの存在は説明不要でしょうね。

 改めて考えると、軌道エレベーターの姿は描かれないが、作中世界には存在していて言及される。こういうケースは意外と少なかったのではないかという気がします。「軌道エレベーターが普通にある世界」として常識化しているのがうかがえます。これはちょっとうれしかったです。

 今回の話題はこれだけなんですが、本作の感想を少々。前日譚のプロローグを見た時から「なんか雰囲気暗いなあ~」と思っていて、その後も学園を舞台にしていても、主人公が青春してもヘンテコなガンダムの歌で笑いをとっても、終始どよーんとした雰囲気を感じてなりません。

 宇宙を紺や赤などではなく、ほぼ完全な漆黒で描いていて背景画がとても美しく、その分宇宙ステーションなどの施設が目立ってリアル感が増していると感じるのですが、それも「暗さ」に拍車をかけている感じがしてねー。
 
 登場人物も、母親の言いなりの思考停止主人公、陰謀家の親たちなど、他者の扱い方がエグいエゴイストや腹に一物ある奴が多い。注目してはいるんですが、情報過多で詰め込みすぎ感もあって観るのに少々気疲れし、いつも2週遅れくらいでチェックしています。

 その中でグエル君は、最初は傲慢なボンボンだったのが、決闘に負けて実家から放逐され、誤って父親を殺害した末にテログループの捕虜になり、負傷した少女を救おうとして叶わずと、かなり辛い経験をした結果、憑き物が落ちたように物静かな人物になりました。人間不信に満ちた本作において、彼だけは、なんか出家僧みたいなピュアなイメージをまとうようになったと思うのは私だけでしょうか? 実際出家してたし。

 ちなみに彼が父親を殺してしまったシーンは、軌道エレベーターが登場する「ガンダム00」で、アンドレイ・スミルノフが父親のモビルスーツを撃墜したシーンと酷似していると思います。オマージュでしょうか。
  
 母親に完全に洗脳されている主人公に、何かいい影響を与えてくれないかと、今後の彼の役割に期待しています。

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