宇宙エレベーター協会(JSEA)主催の「宇宙エレベーター学会(JpSEC)講演会」が28日、千代田区で開かれた。
JSEAが毎年開いている学会と年次総会を兼ねたもので、午前中の総会で年度事業の承認や役員の選任などが行われた後、午後には各分野の研究者が軌道エレベーターに関して講演。『宇宙エレベーターの物理学』著者で、星新一賞でグランプリを受賞した東海大学の佐藤実講師による開会あいさつに続き、大野修一・JSEA会長が軌道エレベーターの研究の現状やJSEAの取り組みなどを伝えた。
「国連宇宙条約と米国2015年宇宙法」と題した、日本大学の甲斐素直教授の講演では、米国の宇宙関連法規の特徴や問題点などを解説。宇宙の資源について、米国が優先的な所有権を有するかのようにも受け取れる内容になっており、独占を禁じた国際法に抵触する問題点などを挙げ、「意図的に、宇宙条約の規制を免れられることを意図しており、違法である」と指摘した。
2012年に「宇宙エレベーター構想」を打ち出したした大林組の石川洋二氏は、軌道エレベーターのピラーを構成するケーブルの挙動の研究を中心に、同社の取り組みの現状を紹介。静止軌道から上下両方向にカーボンナノチューブ製ケーブルを伸ばした場合のケーブルの振る舞いを解析した結果、ケーブルは最初コリオリで東西方向に運動し、一定以上伸びると重力や遠心力の大きさが勝って反対側に寄っていくとした。またクライマーの昇降運動によるコリオリの影響については、降下時の方が振幅が大きく、昇りと同時に行われた方が安定するなどと説明した。
このほか、クライマーの性能や、地上基部のデザインなどに関する発表が行われた。(軌道エレベーター派 2016/5/28)
JSEAが毎年開いている学会と年次総会を兼ねたもので、午前中の総会で年度事業の承認や役員の選任などが行われた後、午後には各分野の研究者が軌道エレベーターに関して講演。『宇宙エレベーターの物理学』著者で、星新一賞でグランプリを受賞した東海大学の佐藤実講師による開会あいさつに続き、大野修一・JSEA会長が軌道エレベーターの研究の現状やJSEAの取り組みなどを伝えた。
「国連宇宙条約と米国2015年宇宙法」と題した、日本大学の甲斐素直教授の講演では、米国の宇宙関連法規の特徴や問題点などを解説。宇宙の資源について、米国が優先的な所有権を有するかのようにも受け取れる内容になっており、独占を禁じた国際法に抵触する問題点などを挙げ、「意図的に、宇宙条約の規制を免れられることを意図しており、違法である」と指摘した。
2012年に「宇宙エレベーター構想」を打ち出したした大林組の石川洋二氏は、軌道エレベーターのピラーを構成するケーブルの挙動の研究を中心に、同社の取り組みの現状を紹介。静止軌道から上下両方向にカーボンナノチューブ製ケーブルを伸ばした場合のケーブルの振る舞いを解析した結果、ケーブルは最初コリオリで東西方向に運動し、一定以上伸びると重力や遠心力の大きさが勝って反対側に寄っていくとした。またクライマーの昇降運動によるコリオリの影響については、降下時の方が振幅が大きく、昇りと同時に行われた方が安定するなどと説明した。
このほか、クライマーの性能や、地上基部のデザインなどに関する発表が行われた。(軌道エレベーター派 2016/5/28)