軌道エレベーター派

伝統ある「軌道エレベーター」の名の復権を目指すサイト(記事、画像の転載は出典を明記してください)

病臥につき その2

2012-06-29 00:30:58 | その他の雑記
 今週ずっと体調不良に悩まされてます。朝、もう治ったかと思ったら午後からぶり返すという繰り返しで、こんなのは初めてです。昨日も朝は「お、もう大丈夫かな」と思っていたら次第にダルくなり、午後に体温測ったら38.9度でした。きょう病院で診てもらったら、種類は不明だけど気管支炎とのこと。一時的に良くなった気がしたのは、ここんとこ毎日○○○○ン服用してるから、効果の間だけ復調してたみたいです。今は処方薬を呑んでます。そんなわけで体力落ちてまして、今回は薬を枕にした話題で書きなぐって更新を稼ぎます。

 以前、「ガンを治す薬があるんだけど、大手製薬会社の利益を損なうから、つくった人は医学界から無視されてるんですって」という話を聞き、「そんなの信用しちゃ駄目だって」と言ったことがあります。投資話を持ちかけられたとは言ってなかったのですが、ものすごく心配になりました。
 どうして、人はこんな話を信じる気になるのか。こういう話は十中八九(1)嘘 (2)本人の被害妄想(トンデモさんか、病気の可能性もあり)──のどちらかです。
 上述の例で言うと、百歩ならぬ百万歩譲って、アカデミズムの本道にないアマチュアが、画期的なガンの新薬を本当に作ったとします。論文公開や治験などをすっとばしてる時点でもう話が変ですが、ひとまず置いといて、ガン治療薬でトップの企業がその事実を知ったら、やることは何か?
 囲い込みに走る。自社の薬を脅かしかねないなら尚のこと、ライバル社に奪われないよう、契約やら特許やら独占して、世に出すにせよ伏せるにせよ、自分が決定できる「自分のモノ」にするでしょう。本格的に研究や商品化する間に、今ある薬の在庫を売り切っちゃうとかね。
 資金繰りが立たず成果が出せない、という研究なら沢山あるかも知れません。しかし「ガンが治る」と断言できるほど結果が出てるなら、放っとくわけないでしょう。価値あるモノが、世界すべての研究者や経営者に無視されるなんてありえない。

 ですので、それは確信的な嘘であるか、悪意はなくとも結局嘘かのどちらかしかない。ただし後者は、自分自身にも嘘をついているのかも知れません。物理学者のロバート・バークは、『わたしたちはなぜ科学にだまされるのか』(主婦の友社)の中で、こういう行為を「ブードゥー・サイエンス(邪悪な科学)」と呼んで、三つに分類しています。

 「病的科学」・・・科学者が自分で自分をだます科学。
 「ジャンク科学」・・・司法関係者の科学の知識が浅いことにつけこみ、集団訴訟で企業を食い物にする「集団訴訟科学」。
 「ニセ科学」・・・詐欺でカネもうけをたくらむ「詐欺科学」。(ハードカバー版35頁)

 努力が報われない不遇な学者が嘘を嘘で塗り固めてしまうとかいうなら、気の毒にも思えるのですが、遠からずバレる。追い込まれると、その想像力も働かないほど視野が狭くなるのでしょうか。しかし、フィールドリサーチ的な分野(たとえば遺跡の発掘とか、天体の発見とか)を別として、近代科学の世界で、基礎を積み上げずに新しい発見や突拍子もない発明なんかありえないですし、再現性が科学の鉄則なのですから、情報の共有なしに認められるわけありませんよね。
 だいたい、「自分は学界からつまはじきにされている」なんて自分から言うことほど、胡散臭い話もそうはない。ようは「オレは本当は有能だ、こんな立場にいる人間じゃないんだ」って言ってるわけでしょう。仮に事実だとしても、真摯な研究者なら口に出して言いますかね、恨み言を言っている間に、世間も他人もどんどん前に進んでいくんですから、そんな暇あったら研究に身を捧げるんじゃないかなあ。
 ロシアの数学者のグレゴリー・ペレルマンは、ポアンカレ予想を証明してネット上の論文ライブラリに登録し、フィールズ賞に選ばれました(でも辞退した)。今の時代、真の大発見や大発明なら、いくらでも世に問う方法はあるんじゃないでしょうか。第三者の検証に委ねないなら、そこには「表に出せない事情」が隠れていると見るべきでしょう。
 ですから、薬にせよほかの分野にせよ「画期的な発明」「常識を覆す発見」にもかかわらず世間からスポイルされている、などという話は、まずは疑ってかかりましょう。投資の勧誘だったら絶対断れ! 仮にすべて本当だったとしても、別に失うものは何もないんですから、それでいいじゃん。代わりにきっと何らかの教訓を得るでしょう。

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大林組が講演

2012-06-21 22:13:43 | ニュース
 2050年をめどに軌道エレベーター(以下、出典にならい「宇宙エレベーター」と表記)を建造可能とする「宇宙エレベーター建設構想」を打ち出した、建設大手の大林組(東京都港区)の技術者による講演会が6月16日、東京都内で開かれた。
 宇宙エレベーター協会(JESA)主催の学会で、講演したのは同構想を手がけた同社エンジニアリング本部の石川洋二氏。同社のPR誌『季刊大林』誌上にて紹介された内容の反響が大きいことから、JSEA会員ら関心を持つ人たちに、構想の詳細や背景などを解説した。
 講演で石川氏は「宇宙に人間が行く時代には、建設会社がそこへ赴いてインフラを作る使命がある」と語り、「究極の塔」という夢の提示とともに、今回の構想策定に取り組んだ理由を述べた。
 石川氏は、基本構造やケーブル挙動に重点を置いたシミュレーション結果をわかりやすく説明したほか、10兆円と見なした建設コストや静止軌道ステーションにおける生命維持機能の詳細など、『季刊大林』の記事に掲載しきれなかった情報も紹介。カーボンナノチューブや安全性、資金調達などの課題を挙げつつ、「我々だけではできない。熱意を持つ人たちの力で課題を克服していきたい」と結んだ。構想を支える詳細なデータや背景思想の奥深さに、訪れた観客は熱心にメモを取るなどして、深い関心を示していた。
 この日の学会では、このほかに海洋法についての解説や、今年8月開催予定の技術競技会(JSETEC2012)の概要などが発表された。
(軌道エレベーーター派 2012/06/21)

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軌道エレベーターが登場するお話 (11) 南極点のピアピア動画

2012-06-11 23:18:00 | 軌道エレベーターが登場するお話
南極点のピアピア動画
野尻抱介
(早川書房 2012年)


 あらすじ 彗星が月に衝突して、携わるはずだった月面探査の夢が遠のいた上に、恋人にも去られて落胆していた蓮見省一は、衝突によって変化した地球周辺の環境を利用して宇宙へ行く計画を立てる。省一は彼女への気持ちを歌にし、ボーカロイドに歌わせて動画共有サイト「ピアピア動画」にアップ、想いを伝えて一緒に宇宙へ行こうと試みる。ピアピア動画でつながった人たちが世界を変える短編集。

1. 本書に登場する軌道エレベーター 
 軌道エレベーターが大きくかかわるのは第2編『コンビニエンスなピアピア動画』で、丈夫な糸を吐き出す新種のクモの発見をきっかけに、何とも奇想天外な経緯で軌道エレベーターが造られちゃいます。建造というより「形成」に近い。
 その方法や構造自体が物語の肝なので、ここでは詳細に申し上げませんが、本書に登場するのは、極軌道を周回する極超音速スカイフック型の軌道エレベーター。静止軌道エレベーターではないので、いつもの定義書に従えば第2~3世代の傾斜軌道エレベーター、あるいは軌道エレベーター学会に基づいて分類すると、直立型のスカイフックとなります。
 建造の足場は低軌道上の小さなテザー衛星で、最初はちょっとした実験から始まり、それが衛星軌道上に重心を持ち続けたまま上下に成長。やがては、その位置エネルギーを対価に上下移動すれば、ロケットコストを下回るほどの経済効率を上げられるだけの質量を有するようになります。当初は成長に確たる方向性を持っていなかったのが、質量の増大によって潮汐の影響を受け、上下方向に自立するようになったことがうかがえます。
 構想は『星ぼしにかける橋』(絶版)に登場する「スパイダー」(軌道エレベーターのケーブル敷設機で、一部に生物素材を利用している)にヒントを得ているらしく、作中でその点に触れていますが、本書の場合は「ありゃりゃ・・・出来ちゃった」みたいな感じ。どういう意味かは、ぜひ読んでいただきたい。この話を読んだ時は、それはもうびっくりした。こんな方法で軌道エレベーターが造られるとは! こんなのアリかよーう!?

 矛盾や疑問もないわけではない。特に「さらに成長すれば、いよいよ下端の速度がゼロになって軌道エレベーターの完成です」(134頁)などというセリフが出てくるのですが、最初に打ち上げた衛星は「高度800kmの極軌道上で活動を開始した」(123頁)と書かれています(だから、やがて全長が本州くらいに成長した軌道エレベーターが日本からも見えるようになる)。地球の自転に対しほぼ垂直方向に動いてるんだから、これではいくら成長しても「下端の速度がゼロ」にはならないんじゃないか?
 あえてフォローするなら、この衛星はテザーに電流を流して磁気との作用で姿勢制御できるようになっていて、日大や神奈川工科大などが実験している、エレクトロダイナミックテザーマニューバなどと同じですね。ですので長い時間をかければ軌道傾斜角を変えていくことも不可能ではないかも知れませんが、終盤でも北海道の上空を通過する場面があり、結局軌道面シフトはされていないようです。結果として矛盾はセリフのみで、描写自体には問題はないことになりますが。

 そのほかにも、終盤では下端が高度約130kmにまで下りてきているのですが(この時点で重心が高度約4000kmにあり、ということは全長2万km近くに達しているものと思われる)、それだと大気との摩擦でつんのめって、エレベーターが「躓いて」しまうのではないでしょうか。一応、「低い側が大気圏にかかると、電流を通して加速させ、軌道速度を持ち上げた」(131頁)という記述はあるのですが、その「低い側」が高度130kmにまで達したら、そうもいきません。
 「宇宙」と呼ばれるのは高度約100kmから上を指すのが一般的ですが、厳密には、「大気圏」と呼ばれる層はもっと高くまで伸びています。そして100kmから上でも、極めて希薄ではありますが大気の微粒子が漂っており、かなり低い軌道を周回する衛星などは、文字通り空気抵抗がかかります。
 たとえば、高度約400kmを周回する国際宇宙ステーション(ISS)も、実はこの空気抵抗のために少しずつ落下しており、何十kmか落下したら、ロシア製の推進機器「ズヴェズダ」を使って持ち上げるなどしています。また、軍事用のスパイ衛星には寿命が1週間程度のものがありますが、この抵抗が理由の一つでもあります。ですので、本書の軌道エレベーターが成長し、下端の高度が地上に近づくにつれて、この抵抗でブレーキがかかることになるわけですが、これもまた電磁気的なマニューバで調整・回避しているのでしょうか?
 また、いくら姿勢制御が出来ても、巨大になればそれだけ不安定になって、高度な技術が要求されるでしょうし(私がスカイフック型を好まないのはこれが理由)、細かく見れば首をかしげないわけではありません。一応、物語の上では「自然と色々な条件が重なり、人為的な介入は最小限でバランスがとれる状況に落ち着いている」という感じになっています。

 いずれにしろ、これは少々意地悪く見た指摘であって、全体として要所となる基本原理はクリアしており、作中の説明には致命的な破綻はないように見えます。これはすごい、すげえよ。ノリで軌道エレベーター造りやがった。いやまさか、こんな展開アリなんてもう。。。最後のエピソードでは、成長したこの軌道エレベーターに取り付いて、男女が宇宙へ行くことになります。


2.すごいハードSF
 本書はまず、彗星が月に衝突し、残滓の一部が地球周回軌道に散らばったという前提がある。その環境を利用して色々と面白いことをやろうという、マニアというかオタクというかディープな人々が、ネット動画共有サイト「ピアピア動画」と、ヴァーチャルアイドルのボーカロイド「小隅レイ」を通じて団結したり、利害を共有したりして、とんでもないことをやってのける。そのつながりが、さらに壮大な発見や世界の変化をもたらすという、それはそれは希有壮大なお話であります。ピアピア動画はニコニコ動画、小隅レイは初音ミクがモデルですね。
 こんなノリにもかかわらず非常にリアルというか、本書のアイデアや科学的考察には目を見張るものがあり、極めてレベルの高いハードSFになっています。そもそも、彗星の衝突という現象によって、地球圏に一種の流体層が形成されるという舞台設定からして面白い。表題作の第1編『南極点のピアピア動画』では、それを利用して青年が宇宙へ行こうとします。
 でもって、最低限のSF的構想以外は、利用する道具などはほぼすべて実在の技術に即している。CAMUIロケット(なんと植松電機を実名で出してる!)やら、ヴァージン・ギャラクティックが使っているホワイトナイト(ただし作中では2ではなく3)やらiPhoneやら。。。
 

 第3編『歌う潜水艦とピアピア動画』では、小隅レイの声を潜水艦から発振してクジラとやり取りするのですが、クジラの生態や潜水艦の性能など、十分な裏付けに基づいているのがうかがえます。略字だけですが「産総研」も登場しますし、こういうマニアックな情報が好きな読者の心を上手くくすぐるんですよね。
 ある時期を境にグングン英語が上手くなったりするように、どんな分野でもある「峠」を超えると、その知識の使い方が巧みになることがあります。本書は作中で使う多彩な分野の知識や言葉について、その峠を越えた玄人臭さを感じます。

 でねー、変テコな箇所があるのも、こりゃあ折り込み済みですな。アイデアに脱帽する一方で、ツッコもうと思えばいくらでもできるのですが、「とか言いつつこういうの好きだろ、え?」と、その辺わかって書いてるんじゃないかと。だから「こんな邪道なやり方で軌道エレベーターが出来てたまるかああああっっ! こんなフザけたもん認めぞ私は!」とツッコんだ後に(笑)と付け加えたくなる。邪道上等、そのおフザケを楽しむのが本書の醍醐味なのでしょう。だから皆さん、読んだらどんどんツッコミましょう。


3.ストーリーと人物について
 機械好きの大学生、コンビニ店員などなど、登場人物たちは全員日本人。専門職もいますが社会的には凡人っぽく身近な雰囲気で、作品に庶民的というか長屋話的なテイストがあります。私は終始一貫、この登場人物たちに強く感じていたことがあります。
 社会的凡人と書きましたが、彼らには分野こそ違えど共通のメンタリティがある。趣味なり嗜好なり、もうそれをやらずにいられない何かを持っていて、それが常軌を逸した奇行であろうと構わずに、並々ならぬ情熱を注ぐ。ひるがえって私や宇宙エレベーター協会(JSEA)の友人たちは、オービタってるうちに知り合って、一緒にJSEA立ち上げて、色んな活動やって、んでもって毎度毎度飲み会やったりしてと。。。あー、つまりですね、

 同じニオイを感じるんです我々と!

 お陰でこっちも筆が踊る踊る。ただ、唯一心配なのはこの作品、「胸熱」とか「wktk」とか、ネット上のスラングがたくさん出てくるので、あっという間に風化してしまい、わずか数年で旧時代の見本のような作品になってしまうのではないかということです。
 ネット用語の進化と絶滅の速さ、および生存率の低さといったら、ひと昔前とは比べ物にならないわけです。上記の言葉だって、ひと世代あとの読者にはさっぱり意味不明で、注釈なしでは読解できない古文みたいになってるかも知れません。たとえば、いまどき「逝ってよし」「キボンヌ」とか使ったら、もう痛いもんね(まあこりゃ当時も痛いか。。。書いてて恥ずかしいや(ノ∀`)。そういう意味では今(だけ?)が旬の作品かも知れないわけで、これだけ見事なSF作品が、言葉の流行り廃りの中に埋没していかないのを祈るばかりです。

 濃い庶民の力で宇宙時代が到来してしまう実に稀有壮大なお話。それでいて、登場する男女たちの、真摯で甘酸っぱい青春も盛り込んでいて、何とも愛すべき作品です。オービタってる人なら、きっと読めばわかってもらえると思います。

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未来図の実現度

2012-06-03 22:52:41 | その他の雑記
 毎度のお詫びですが、更新滞っていて申し訳ありません。宇宙エレベーター協会(JSEA)の年会報編集長みたいなことをやっていて、作業に追われています。
 昨年は、震災がJSEAの業務にも影響して発行を見送ったので、2年ぶりの発行になりますが、今月中には完成させて、一日も早く会員の皆さんへ配信することを目指してます。これもある意味、オービタってることにはなるのですが、一度に複数のことができる人がうらやましいです。

 今回は本のPRを少々。だいぶ前に紹介した『宇宙エレベーター -宇宙旅行を可能にする新技術-』の石川憲二さんが、『「未来マシン」はどこまで実現したか?』という本を、前回と同じオーム社から刊行しました。早速取り寄せて読んでみましたが、軽い感じの表紙絵であなどるなかれ、情報密度がすごく濃い1冊ですよこれは。
 昭和40年代頃より以前に生まれた人が、子供の頃図鑑で見た「21世紀はこうなる」なんていう触れ込みの未来図に登場した、定番ガジェットである「エアカー」とか私たちに楽させてくれるはずだったロボットなど5項目について、現実との比較や現在における実現可能性などを探っています。
 まだ読みかけなのですが、上述のエアカーについても、航空機との原理の違いやら長短やらを明記して、海外の食う寄付常識(「空気浮上式」でした。ひどい間違いだったので残します)鉄道の例などにも触れて、実に幅広い情報を凝縮させてます。人間は同質の情報を許容できるリミッターを持っているものですが(ひたすらほめてばかりとか、悪口ばかり言っていると、言われている対象より言っている人に疑いを持つようになる)、石川さんは要所でちゃんとツッコミを入れていて、『宇宙エレベーター』でもそうでした。実現度を段階評価してもよかったかも知れませんね。
 昔の図鑑とか絵本に載っていた、レトロな未来図を知らない若い人には、この感覚がわからないのではないか、面白いだろうか? という心配はあるのですが、最新情報のカタログ的価値もあり、お世辞でなく、石川さんの本は情報量はすごいです。SF小説における未来を予見した部分の抜粋や、各分野での最先端にいる技術者らへのインタビューも豊富で、読み応えのある1冊です。軌道エレベーターを扱っていないのは当然といえば当然だよねえ。。。昔の本でついぞ見たことないもんな。また今度扱ってください。

 ちなみに、目の前の現実は、私が幼い頃に大人たちが刷り込んだ未来図とは明らかに違います。当時の大人たちがトンデモな人々に見えて失笑してしまうこともあるけれども、楽しい夢も見させてくれました。
 で、振り返ってみると、今現在軌道エレベーターを宣伝している私たちのような存在は、かつて私に実現してない未来図を吹き込んだ大人と、まったく同じことをしているんですよね。 最近は子供向けの本などにも、軌道エレベーターのある未来が描かれるようになってきました。それはJSEAの活動などのお陰だし、私も設立メンバーの1人として、貢献してきた自負もある。しかし、今の子供たちは数十年後にどういう気持ちで振り返るのでしょうか。実現に近づいているのか、それとも単なるノスタルジーと化して、私たちも失笑を買うのか。
 その時が来ても「やり続けている」ことが一番重要なんだと思うんですが、なんか軌道エレベーターって、映画『三丁目の夕日』や『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の未来版のような、懐かしテイストを盛り込んだ作品でイジられそうなニオイがプンプンするんだよなあ~。もっとも、私はそういうノリも結構好きですけれども。

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