軌道エレベーター派

伝統ある「軌道エレベーター」の名の復権を目指すサイト(記事、画像の転載は出典を明記してください)

滝川クリステルさんJpSECのMCやりませんか

2009-09-26 01:05:37 | その他の雑記
 フジテレビ系「ニュースJAPAN」の看板キャスター、滝川クリステル氏が25日放送分で降板されました。ニュースJAPANは、この時間帯で唯一のニュースらしいニュース番組でしたし、深夜にほっとさせてくれる笑顔が消えるのはさびしいです。

 ちょうど去年の今ごろ、宇宙エレベーター協会(JSEA)の活動で「第1回宇宙エレベーター会議」(JpSEC'08)開催のため奔走していたころのことです。金は全然ないわ、人は足りないわと課題山積だったのですが、当日の司会を誰に頼むかということも思案のしどころでした。
 で、大野会長が「○○○○はどう?」と言い出しまして、私が対抗して「だったら滝川クリステルがいい!」と主張したのでした(この「だったら」というセリフで、○○○○が誰なのかはおわかりだと思います)。
 引っ込みがつかなくなって、私、滝川クリステルさんの事務所にメールしました。「当協会の予算規模で司会を頼めるかどうかすらわからないのですが、まずは1日どのくらいお支払いするものかを、伺えないでしょうか」と卑屈極まりない調子で。
 。。。返事来ませんでした。うん、そうでしょう。もとより無理だったとは思いますが、悲しい。軌道エレベーターという科学的・理知的な話題にぴったりなんだけどなあ。。。

 ニュースJAPANも終えられて少しお手すきになったと思いますし、今年こそJpSECの司会やっていただけませんか? 相変わらずお金ないんですが。。。
 というのは冗談にしても、お疲れ様でした。

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ミロのヴィーナスの腕とジオングの足

2009-09-22 00:18:34 | その他の雑記
 突然ですが、きょうはガンダムのお話。近所の店にジオングの完成品トイが売っておりました。「ZEONOGRAPHY #3015 ジオング」とかいうそうですが、裏面を見て興ざめしてしまった。
 というのも、オプションでどでかい足が付属しているんですね。そういえば足がある状態を「パーフェクトジオング」などと呼ぶのも見たことがあります。

 またまた唐突ですが、かの有名なミロのヴィーナス。歴史的価値もはかり知れない、ルーヴル美術館の至宝ですが、ご存じの通り腕がありません。しかし19世紀に発見されたすぐ近くから、腕らしきものが見つかっているという話をご存じでしょうか?
 年代測定の結果、本体より後世に造られたものだと判明したとのことですが、実話だとすれば、似合ってさえいればくっつけて展示されても良さそうなものです。
 いろんな芸術家や研究家が腕のありようを想像してシミュレーションしていますが、結局、定説には至っていません。やはりミロのヴィーナスは、腕がないからこそ多くの人を魅了している、というかはっきり言って焦らしてるんですよね。腕があったらフツーの女体像です。同じことは、サモトラケのニケ像にも言えますね。

えらく迂遠な物言いですみません。何が言いたいのかもうお分かりだと思います。

 ジオングは足がないからカッコいいんじゃないか!

 当初から足も一緒にデザインされたなどと思っている人いるんでしょうか? 「機動戦士ガンダム」の劇中、完成度80%で使用されたとのことですが、あくまで設定であって、デザイン自体は当初から足のないモビルスーツです。
 脚付きのデザインが登場したのは放映後ずいぶん経ってからのことです。いわゆるガンプラが大ヒットした当時、ドムの足を付けたジオングの写真を模型誌に投稿した人がいて、ちょっとした話題になり、またMSV(モビルスーツバリエーション)とか色々後付けのデザインの登場もあって、デザイナーが新たに描き起こしたのです。
 しかしあの完成度の高いジオングに足を付けるなど、無粋も甚だしい。だいいち全然似合ってない。何が「パーフェクトジオング」だ、じゃあビグ・ザムに腕を付けたらパーフェクトか!?
 そんなわけで、ジオングは足がなくてパーフェクトなんですよね。ご賛同いただけるファンは数多いと信じます。
 でもまあ、見てたら欲しくなりました。足いらないから安くしてくれないかなあ。

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君はWOWOW「クエスト~探求者たち~」を見たか

2009-09-17 11:45:46 | その他の雑記
 先日、軌道(宇宙)エレベーター研究に取り組む大学教授の姿を負ったドキュメンタリー「クエスト~探求者たち~宇宙エレベーターで宇宙へ! 青木義男教授の挑戦」が、WOWOWで放映されました。
 軌道エレベーターの原理や歴史をわかりやすく説明しながら、私も日頃お世話になっている日大の青木義男教授を主役に据えて、その夢や苦闘を、実に感動的にまとめています。軌道派代表の私も、実はちょっとだけ制作協力しております。
 番組のクライマックスというか見せ場が、8月8、9日に千葉県船橋市で開かれた「第1回宇宙エレベーター技術競技会」の様子。国内外の8チームがバルーンから吊り下げた高さ約150mのケーブルを昇る競技で、当日は私も公私両面で参加してきました。

 で、青木教授の背景や、競技をしている周りにチラチラと。。。私が映っているではありませんか! まあちょっとだけ、しかも私に はピントが合ってませんでしたが。。。
 まあそれはともかく、見応えのある1時間です。宇宙エレベーターなんてものにこだわって、公然とバカにされたり、話さえ聞こうとしない無知な決めつけに嫌な思いをしたり。。。私や宇宙エレベーター協会のほかの会員たちも、多かれ少なかれ体験したことがあるはずです。青木教授の姿を借りて、私たち皆の思いが昇華した感じで溜飲を下げました。

 打ち上げの席で青木教授は宇宙エレベーターに没頭することを「バカ」と表現して、私に向かって「こんな言い方してすみませんね」と述べられていたのですが、何をおっしゃいますやら先生。何かに打ち込んでとことんバカになれるというのは何と幸せなことか。番組を見て改めて実感します。
 いいもん見せてもらいました。わが軌道派も今回ばかりは「宇宙」エレベーターの名に甘んじようではありませんか!
 今月19日(土)午前9時から再放送されますので、WOWWOW加入の方はぜひご覧下さい。番組紹介サイトはこちら
 http://www.wowow.co.jp/pg/detail/066296001/index.php

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OEV豆知識(20) 課題・問題その1 他天体との衝突(中)

2009-09-14 22:49:01 | 軌道エレベーター豆知識

 上のような人工衛星の軌道を示す図をご覧になったことはあるでしょうか。これは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で運用中の衛星が、日本時間9月8日13時53分50秒時点でどこの上空にあり、その前後にどこを通過するか、あるいはしたかを示すものです。軌道エレベーター(OEV)の課題・問題「他天体との衝突」の2回目。今回は、運用中、いわば「生きている衛星」との衝突について述べます。

1.人工衛星の軌道
 各衛星の軌道が波線になってますが、これは強引に地球を四角い平面図にしているからで、球体に直すとちゃんと円を描いて飛んでいることになります。地図の中央あたりにある「きく8号」は静止衛星ですので、地図上のこの一点に留まっていて線を描きません。そのほかの人工衛星は移動しており、各衛星の軌道を色分けした波線で示しています。
 それぞれの軌道をなぞっていくと、どこかで途切れて、水平にズレた所から再び軌道が描かれているのがおわかりでしょうか。これは1周目と2周目の地図上における位置の違いを示しています。決して衛星の軌道がズレているのではなく、地球が自転しているので、地図の方を固定して見ると、相対的に衛星の軌道の方が1周ごとにズレて示されるのです。ちなみに、デブリも軌道が安定していれば似たような軌道をたどります。
 2007年7月時点で運用中の人工衛星は約3200、それまでに打ち上げられた累計は約5900にのぼるそうです。

2.軌道エレベーターとの衝突
 この地図上の東南アジアに、OEVを建造したと想像してください。ちょうど東南アジアのあたりに太陽(黄色い「Sun」という丸印)が来ていますね。JAXA提供の図を勝手に加工はできませんので、この太陽が軌道エレベーターの位置だと思ってください。
 温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の赤い軌道が、黄色い丸と重なっています。もちろん、実際のOEVはこの地図の印ほど巨大ではないでしょうから、「いぶき」もニアミスといったところでしょう。しかし1周ごとに徐々に地図上の位置がずれていくわけですから、いずれは両者の軌道がドンピシャに交差する時が訪れることになります。
 「いぶき」以外の衛星も、同様に交差する時が来ます。前回説明したのはこのことです。すなわち、軌道上を飛び続けている物体は、いつか必ずOEVに衝突する瞬間が来る。軌道エレベーターは、ただそこにあるだけで、あらゆる衛星をハタキ落してしまう代物なのです。例外はOEVの全長より上を周回している衛星か、OEV自体と同じ、地球自転周期と同期した衛星だけです。

 低軌道を周回する衛星の場合、OEVとの軌道速度の差=秒速4~5kmくらいのスピードでがぶつかってきます。図上で緑色の軌道を描く陸域観測技術衛星「だいち」(左下のALOSと書かれてるやつ)を例にとると、地表の同じ場所の上空を通る間隔(回帰日数)は46日だそうです。もちろん1mmもズレずに同じ位置を通過することはないでしょうが、46日に1回衝突やニアミスの危険が訪れるわけで、OEVが大きければ大きいほど当たりやすくなります。

 OEVの衝突問題は、やたらデブリばかりが取り沙汰されるのですが、私は生きている衛星との衝突はOEVの最大の問題だと考えています。デブリなどより比べようもなく重大です。これさえ解決できれば、あとのことは何とかなるとさえ思います。なぜなら死んだ衛星を含むデブリ群が相手なら、OEVの方が耐える(あるいはよける?)ことさえできればいいわけで、その後向こうがどうなろうが知ったことではありませんが、生きている衛星の場合は、OEVと衛星の両者を生かさなければならないからです。
 通信、天気予報、カーナビなど、いまや私たちの生活は衛星のサポートなしでは成り立ちません。これらがOEVといつか確実に衝突してしまう。一体どれほどの損害を生むことか。そして、誰がいかにそれを賠償するのか? 自らが運用している衛星とぶつかるとわかっていながら、誰かがOEVを建造するのを易々と認める国や企業が、世界のどこにあるというのか? これは政治的・経済的問題であって、技術だけで解決できる問題ではありません(衝突回避の技術が生みだされれば別ですが、そんな方法ある?)。

3.対策
 この対策ですが、一部の衛星に関しては、OEVが機能を代替することは十分に可能でしょう。後日説明する予定の「オービタルリング」と呼ばれる、OEV同士を連結する周回環が実現すれば、この代替は飛躍的に進むはずです。
 あとの問題は、動かないわけにはいかない衛星。これらもオービタルリングで解決できないこともないんですが、遠い未来の話になります。ですのでOEVの発展が途上にある間は、GPSなど極軌道周回衛星や、ロシアがよく利用するモルニヤ軌道(高緯度地域を定常的にカバーする衛星群の軌道)の衛星など、周回しないと機能を発揮できない衛星は、もうどっちかが譲り合いの精神でよけるしかない(精神力でよけられるもんじゃないけどね)。。。衛星がよけるなら、それだけ推進剤を消費し、寿命が尽きるのも早まりますが、OEVは上から下まで衝突の可能性を抱えているので、そう都合よくグニャグニャ曲がれません、ですから。。。
 。。。ごめんなさい衛星の皆さんよけてください。代わりといっては何ですが、OEVによる衛星の軌道投入や回収、修理など、運用の幅が広がる一面もあるはずです。そしてこれに伴い、OEVによる軌道投入を用いることで、衛星は複数の機能を併せ持たせて多機能化させ、実働数自体を減らしていくべきです。そこに共存の道を見いだしたいものです。

4.一番恐れていること
 それでもなお、収まらない問題がある。軍事衛星など、存在自体が秘匿されている衛星です。実際は軍事衛星の軌道もけっこうバレバレで、半年くらい前に軌道が暴露されちゃったなんて話がありましたが、いちおう秘密ですから、OEVとの間ですり合わせを各国政府がしてくれるかどうか。。。色々表向きの口実をつくり、OEVに反対するのではないか。
 私が一番懸念しているのはこのことで、国家などが裏の利害のために、表向きの口実をつくり、OEV実現を阻止するのではないかということを怖れています。この点については、さらに考察をして自分なりの思案を改めて述べたいと思います。
 とにかく、極力運用する衛星を減らし、国際協力によって調整する。これが上手くいくことを祈るばかりです。この問題は、技術上の障害ではなく、利害が絡む人間が相手だから厄介なのです。繰り返しますが、私は、この問題さえクリアできれば、ほかの問題は、時間と手間さえかければすべからく解決するであろうと考えています。

 最後に、天然の物体、すなわち自然発生した微小天体との衝突について次回触れたいと思います。

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アポロ計画と戦争

2009-09-09 00:12:35 | その他の雑記
 インドの「チャンドラヤーン1号」、NASAの「ルナ・リコナイサンス・オービター」と、このところ、探査機が連続して月面に残されたアポロの着陸の痕跡を撮影したそうです(見てもよくわかんないけど)。

1.捏造説は視野狭窄
 いわゆるアポロの月面着陸捏造説への反証がまた増えたわけですが、信者の多くは、それでも節を曲げないのでしょうね。人は事実を信じるのではなく、信じたいことを信じる。
 捏造説の主張の一つに、「アポロが月へ行ったというなら、その後40年間有人月探査が行われないのはおかしい」というのがあります。これは時代背景の理解不足というか、物事の裏を見ようとしない主張ではないでしょうか。

2.アポロ計画と戦争
 結論から言えば、アポロ計画、引いては米国最初の有人宇宙飛行計画であるマーキュリー計画からずっと、宇宙開発は共産主義陣営との戦争の一側面だったということです。
 そうでもなければ、ベトナム戦争の真っ最中なのに、たった2人(計画全体では12人)の人間を月面に送り込むという実利のない行為に、250億ドル(現在の金額に直すと5倍くらいになるとか)もの資金を投入するものですか。
 アポロ計画は、本質はベトナム戦争と同じ、米ソの代理戦争でした。

 そもそも人工衛星の打ち上げの時から、米ソがなぜ躍起になっていたか? 人工衛星の技術は、大陸間弾道ミサイルの開発に直結していたからです。人類の進歩の象徴と宣伝された宇宙計画は、兵器開発および新たな領域進出における米ソ間の競争の「表の顔」でした。
 ところが、人工衛星も有人宇宙飛行もソ連に負けてしまい、米国は巻き返しを図り、60年代のうちに月に人を送り込むと宣言した。この結果、69年にアポロ11号が月面着陸に成功します。その後75年の17号まで続き、計6回着陸しました。米国は月への一番乗り競争に勝ったわけです。

3.動機の喪失
 。。。で、それ以上頑張る必要がなくなっちゃった。もちろん月の組成の解明などにも貢献したわけですが、一定の成功を収めたし、11号をピークに人々は月への興味を失っていき、計画を続けても議会も予算を認めない。
 NASAや関連業界も、次なる需要として低軌道との間の安定往復に焦点を当て、すで70年代半ばからスペースシャトルの構想に着手しています。宇宙開発のフィールドは低軌道に移り、軍事面でも、米国は戦略防衛構想(SDI)などに資金を注ぎ込みました。
 月面有人探査の技術は発展が止まりました。その後冷戦が終結し、ソ連も崩壊。宇宙開発の誘因に苦しむ国際宇宙ステーション(ISS)が、資金不足に悩む昨今です。
 そんなわけで、ずっと月に人が行っていないのです。もともと有人月探査自体が競争の産物であり、その後、これほど莫大な予算が下りるような動機がなかったからです。

4.月到達競争の再開
 ただし近年、月探査は再び活気を帯びています。日本の「かぐや」も話題を呼び、米国も"Humans Return to the Moon "を叫んでいます。この背景には、中国や、上述のインドなどのロケット技術が発達し、かつての米ソのように競って月へ進出しようとしていることも影響していると思われ、競争の時代を思わせます。
 現在では、月表面のレゴリス(月の砂)に莫大なヘリウム3が含まれていることがわかっていて、将来、核融合に利用できるかも知れないと考えられています。技術面で各国が米国と肩を並べつつある結果、資源としての月の利用にも視野が広がりつつあるのでしょう。
 これは、新たなエネルギーや領土の獲得戦争の一面かも知れません。宇宙開発競争に新たな構図が形成されつつあるようで、実は相当深刻な問題だとも思えるのです。 
 こうした現状を見ると、アポロ計画が捏造などと言う話がものすごく陳腐に思えるのは私だけでしょうか。そんな想像力の貧困なこと言ってる場合じゃないぞ、今、月を含む宇宙が再び競争の場になりつつあるのかも知れないのだから。

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