ブルーベルだけど

君にはどうでもいいことばかりだね

金曜日の男

2016-08-20 08:18:30 | 日記
月曜~金曜の午後までは下宿や大学周辺で。 そして金曜の夕刻には親戚宅へ。 これが上京当時の生活パターンだった。

親戚とは年の離れた従兄弟。 僕が小低学年の時に大学生だったから、10 は離れている。

従兄弟は会社社長で、今もたまに TV に出ているのだ。 何と、都営地下鉄某都心駅出口の斜め前に存在するその親戚宅は、家屋風ではなくエレベーター付きのビル。

当時は珍しかったカウンターキッチンで、綺麗な従姉がこしらえた料理がテーブルに並ぶ。 僕はこれをご馳走になり、風呂上がりには高級酒をいただき、深夜になると、そこの社員と飲みに行った。

親戚宅に戻ると、最上階にある社員寮の 1 室へ ・・・ 受験遠征で泊っては 「窓下の大通りを流れる車のライトを眺めながら、束の間の都会生活を満喫した」 あの部屋。 この時期には空室で、僕専用になっていた。

かようなパターンを繰り返していた僕は当時、そこの住人一同から 〝金曜日の男〟 などと呼ばれていたそうな。


数日前、デスクで PC に向かっていると携帯が震えた。 受電すると従兄弟の声。 奥さんが亡くなった? 難病に苦しんだ従姉は急性肺炎により入院先で息を引き取っていた。

家族代表として身内に知らせて欲しいと言う。 葬儀への参列は不要、香典、花代も不要 ・・・ メモを取る手とは別に、意識はあの金曜へ。 花粉症のようになっていたのか、目前に並んで座る部下がこちらをチラ見している。

受験の際には未明の内に朝食を準備いただき、上京後は垢抜けない服装から脱皮していく途上を 「段々恰好良くなっていくわね」 と褒めてくれた従姉。

大学生活に慣れ、友人も増え、〝金曜日の男〟 は長く続かなかった。 その後、ほとんど会っていなかった従姉は、意識の中で綺麗なまま笑っている。 僕だって、早期退職を予定する身なのだから、皆、そんな歳になっているんだろう。

猛暑の日、また 1 人、大切なひとがいなくなった。




天使のような装いでポーズ (?) を決める、人形のように可愛らしい少女は Stevie Nicks 。 コカイン依存も抗不安薬依存をも克服し、Fleetwood Mac のフロントに立ち続けた妖精は、現在 68 歳。





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