ブルーベルだけど

君にはどうでもいいことばかりだね

らしくない冷蔵庫内

2018-05-05 07:10:44 | 日記
「昨日釣ったんだけど、2人じゃ食べきれないから」 と、近所のご夫婦が持参されたのは、鯛、イサキ、タコ と タコ飯。

大きな手提げを開けると、そこには立派な姿造り。  訊けば、ご主人の包丁捌きによるものとか。 イサキは刺身の他、塩麹焼きも。 勿論、つまも自家製。

「手間がかかるんだよー」 と仰るタコは、ぬめりを洗った上で湯引きされていて、口に運ぶと歯応えにしなやかさを残しながら、しっかりとした味が広がる。 鯛は炙りバージョンもあり、潮の香を伴う澄み切った濃厚な旨味。 海辺で育った僕にとっては懐かしい味。

イサキは脂が乗りながらも爽やかな味わい。 奥様が 「初めて作った」 と仰る塩麹焼きは、薄めの味付けに香ばしさが引き立ち、尚も素材の味が活かされている。 自家製浅漬けも美味。

好意で作ってもらったものは、たとえ不味くても 「美味い」 と言って食べるようにしているが、今回ばかりは本心である。


味覚が肥えていらっしゃるお二人に 「もしや」 と思い、ソファへと移動いただき、嗜好に合いそうな曲 (由紀さおり〝夜明けのスキャット〟) をかけると、 「そこで歌っているようだね。ベースが窓の方から聴こえてくるな」 と仰る。

続いて 中島みゆき〝地上の星〟をかけると 「こりゃ音が悪いねー」 とのこと。 ふむふむ、思った通り。


〝夜明けのスキャット〟のように古い録音でも音の良いものは特にボーカルが自然で生々しいし、ワンポイント録音の場合、楽音がスピーカーの外側に定位するのは当然。

一方、〝地上の星〟を含むアルバム〝短篇集〟は、全般的にザラついた音作りが施された中島みゆきの作品の中でも突出して歪っぽい。 残念ながら汚い音を綺麗にすることはできません。 この汚ささえ分らないようなオーディオは、良い音も歪めてしまうのです。

この辺りを見事に聴き取ったご主人、やはり聴覚も鋭かった ・・・ 残念ながら奥様はイマイチでした。


「ギター弾いて欲しいんだけど」 と仰る奥様のリクエストに応えアンプが温まらないまま弾くと、一回り上の大先輩とは思えない程の盛り上がり。 こうなるともう収まらず、「カラオケに行きましょう」 とのこと。

見る間にお二人でテキパキと後片付け、洗い物を済ませ、いざ外出。 至近の怪しげなカラオケボックスではなく駅前の店に行き、演歌×2 : 四畳半フォーク×1 の割合で熱唱の末、燃え尽きて帰宅。


ということで、残り物を納めた冷蔵庫の中は〝らしくない〟風景になりました。






コメント
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