やっぱり、この地と言えばこいつだろう。 それは何の変哲もない、ごく普通の公園にいた。
首から上は鹿だけど、頭でっかちで四肢は細くて短く、そして口元には常に笑みをたたえた、 何ともブサカワなヤツである。 動きは緩慢で、そのイメージは、やはり不恰好なギャグマンガの主人公がかつて得意とし、一世を風靡した一発ギャグのポーズと何気に一致する。
よく見ると土管の中に1匹、檻の反対側の端に2匹、合計4匹が確認できた。 檻の近くにあるベンチには数人の年配男性が座り、ゆっくりと弁当を食べながら日向ぼっこをしている。
こんな珍獣がいる光景も彼らにとっては日常なんだろう。 それにしても穏やかだ。 僕の目前で繰り広げられる動画は、時間軸が間延びしてしまったかのように速度を落としている。
僕らは公園を後にして、次なる観光スポットに向かった。 (次回に続く)