Mars&Jupiter

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クララ・シューマンのピアノとヴァイオリンのための3つのロマンスを聴きながら二俣川駅から三ツ境駅まで

2008-07-12 14:38:46 | 古典~現代音楽ドイツ編
昨日は二俣川駅から三ツ境駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1819年生まれのクララ・シューマンの室内楽曲。
クララ・シューマンはロベルト・シューマンの妻である。
子どもの頃からピアノで非凡な能力を発揮していたようで、
ライプチヒのピアノ教師として有名であった父親からピアノの特訓を受け、
音楽理論や作曲法についても早い時期から習得していったようである。
ピアノとヴァイオリンのための3つのロマンス作品22は、
ロベルトが精神障害をきたす1854年の前年の1853年に作曲された。
この1853年はロベルト・シューマンの家にブラームスが訪れた年でもある。
ちなみにクララ・シューマンはブラームスとの不倫説も有名であるが、
その真偽のほどはともかくブラームスとの親交はあったようだ。
不運なことに当時は、女性の作曲家が人々に注目されることが少なく、
当時の音楽誌の中での評価も冷ややかなものであった感じである。
そのようなことがCDの解説書では触れている。

ロマンス第1番では、ヴァイオリンの甘美な旋律を
ピアノの伴奏が時には優しく、時には情熱的に包み込む。
ロマンス第2番は、少し哀愁を帯びた旋律をヴァイオリンが奏でる。
三部形式で書かれており、中間部は対照的に明るく軽快な感じだ。
ロマンス第3番は、流れるようなピアノの伴奏が印象的だ。
ヴァイオリンが奏でる主題はゆったりとしたロマン的な旋律である。

ヴァイオリン、チェロとピアノのためのトリオ作品17も
3つのロマンスと同じ1853年に作曲された作品である。
第一楽章アレグロ・モデラートは冒頭に哀愁ただよう主題が奏され、
いかにもロベルト・シューマンの影響が強く現れている。
彼女の作曲家としての非凡な才能を示しているような楽章で、
ソナタ形式で書かれた展開部の対位法的な主題の扱いはなかなかいい。
他の楽章に比べると10分を要す長い楽章で、内容的には充実している。
第ニ楽章テンポ・ディ・メヌエットはスケルツォの楽章で、
三部形式で書かれ、最初は優雅な舞踏的な音楽で軽やかである。
中間部は対照的に叙情的な感じのする部分である。
第三楽章のアンダンテはゆったりとした情緒あふれる楽章で、
しかし時には情熱がこもったロマン的な音楽である。
第四楽章のフィナーレ(アレグレット)で奏される主題は、
第一楽章と第三楽章と関連しているようだ。
フーガ風な展開を見せ、ポリフォニック的な部分もあり、
彼女の並々ならぬ才能を垣間見せてくれる楽章である。

クララ・シューマンもなかなか素晴らしい室内楽曲を
残していたということを知ったのは驚きであるし、
私にとっては大きな発見でもあった。
その後クララ・シューマンは女性作曲家が、
正当に認められていないことを知り、
37歳になると作曲活動をやめたようである。
才能がありながら残念な話である。
音楽の世界は本当に奥が深いものだ。

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