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ダリウス・ミヨーの交響曲第8番「ローヌ川」作品362を聴く

2021-11-28 13:09:38 | 古典~現代音楽フランス編
今回取り上げるのは1892年生まれのミヨーが、
1957年に作曲した交響曲第8番「ローヌ川」作品362である。
以前ブログで作品名のことは触れたが、
今回は各楽章についても触れていく。
この作品はアメリカ合衆国カリフォルニア州にある
カルフォルニア大学バークレー校の委嘱を受けて作曲された。
聴いたCDの演奏はダリウス・ミヨー指揮、
フランス放送フィルハーモニー管弦楽団によるものである。
CDの英文で書かれた解説書によれば、作曲者自身は当初、
この作品を書くにあたってプランはなかったが、
スメタナの「モルダウ」を聴いた時に、
絵のような描写と民謡色豊かなこの作品に影響を受け、
ローヌ川を賛美する作品を作曲しようと突然思ったようである。
各楽章の説明についてもこのCDの解説書を参考に書く。
第一楽章「神秘と凄まじさを伴って」は、
霧と雲と風の中で最初に源流が作られる様子を
冒頭のところで神秘的に描いているようである。
アルプスの高いところにあるローヌ氷河の、
厳しい自然環境が、シリアスな感じで描かれていく。
この氷河から発する小川が水源となるのだが、
現在この氷河も温暖化のせいでどんどん後退している。
その小さな流れが最後静かな音の中で描かれていく。

第二楽章「平静と平然さを伴って」は、
それから流れた源流はやがて川を形成していく。
川の流れはジュネーヴ湖(レマン湖)を横切って経由し、
フランス側への流れていくのだが、ここでは川の様子は、
平静さや緩やかさということを描写するように、
弦楽器を中心に穏やかに表現されていく。
独奏ヴァイオリンで表現された細い川のイメージは、
後半になり厚みを増していき、やがて大きい川に変わっていく。
しかし、緩やかさはまだ維持された感じである。
第三楽章「熱狂的に」は、スケルツォ楽章である。
弦楽器の旋律は速く、川の流れが速くなっているのを描写している。
また、金管楽器や打楽器も加わり荒々しくなり、
川の流れが激しくなっていることも感じさせる。
フランス国内に入って川は山脈を大きく迂回していく中で、
川の流れも速く激しくなっていくのだろう。
金管楽器と打楽器で荒々しい中で盛り上がって最後突然終わる。
第四楽章「速くそして堂々と」は、トランペットの音で始まる。
明るい旋律が弦楽器と金管楽器により奏でられ、
激しく荒々しい音楽とともに、田園的で明るい感じも描写される。
川は南フランスの田園地域を流れていき、
ローヌ川の支流が形成するカマルグ三角州地帯に集まる。
そして、やがてローヌ川は地中海に到達する。
その達成感のようなものが短いフィナーレ楽章の中で描かれる。
最後は明るく高揚した中で、力強く終わる

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