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カール・ツェルニーの交響曲第6番ト短調を聴く

2022-03-12 09:30:57 | 古典~現代音楽オーストリア編
今回取り上げるのは1791年生まれのツェルニーが、
1854年に作曲した交響曲第6番ト短調である。
聴いたCDの演奏はグルジェゴルス・ノヴァーク指揮、
SWRカイザースラウテルン放送管弦楽団のものである。
第一楽章アンダンテ・マエストーソ-アレグロ・コン・ブリオは、
金管楽器が鳴り響く中で、力強く悲劇的な感じの前奏で始まる。
主部はやや悲劇的であるが流れるように軽快な主題で始まる。
もう一つの主題は明るく生き生きとした旋律である。
展開の手法はベートーヴェン風であることは否定できない。
しかし展開が聴いて面白く、十分に楽しむことができる。
流れるような音楽の運び方はシューベルトのようでもある。
最後のところも金管楽器が鳴り響き悲劇的な感じで終わるが、
ここではブルックナーの初期の交響曲を感じさせもする。
第二楽章アンダンテ・ウン・ポコ・ソステヌートは、
金管楽器と木管楽器が活躍して始まる穏やかな感じの楽章である。
弦楽器が歌うように旋律を奏で、それにクラリネットやフルートなどの
木管楽器が絡んでいき、美しい音楽が奏でられていく。
ホルンの吹奏が絡むところも平和的である。
途中金管楽器が鳴り響くところで盛り上がって、
再び穏やかになり、いったん盛り上がって最後静かに終わる。
第三楽章スケルツォ-トリオは、フルートなど木管楽器が活躍し、
軽快で力強い旋律が奏でられていくが、ここはメンデルスゾーン的である。
トリオはホルンとフルートが活躍し、牧歌的な感じである。
冒頭のスケルツォ主題が再び現れ、最後力強く終わる。
第四楽章フィナーレは、生き生きとした弦楽器の主題で始まる。
やや悲しげだがモーツアルトの音楽のような明快さがあり、
木管楽器や金管楽器も加わり、力強さも加わり盛り上がる。
もう一つの主題は明るく軽快な感じの旋律である。
各主題は流れるようなテンポで展開されていき、
最初の主題が再現され、最後は力強く終わる。

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