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ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第14番ト短調作品135を聴く

2016-04-22 06:10:38 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが、
1969年に作曲した交響曲第14番ト短調作品135である。
聴いたCDはガリーナ・ヴィシネフスカヤのソプラノ、
マルク・レシェティンのバス、ルドルフ・バルシャイ指揮、
モスクワ室内管弦楽団の演奏による1969年10月6日のライブ録音である。
第1楽章「深き淵より」(アダージョ)は、
弦楽器による序奏に続き、バス独唱が歌い始める。
効果的なコントラバスの音にヴァイオリンが絡み、
ロルカの詩に基づく死のイメージがバスによって歌われる。
第2楽章「マラゲーニャ」(アレグレット)は、
前楽章の静のイメージとは対照的で動のイメージで、
せわしく動く弦楽器の動きに合わせ狂乱したように、
ソプラノ独唱によりロルカの詩に基づく歌が、
舞踏的な旋律にのって歌われる。
第3楽章「ローレライ」(アレグロ・モルト)は、
バス独唱とソプラノ独唱により歌われる。
アポリネールの詩に基づく歌が、荒々しく、
軽快なテンポで、行進曲風な伴奏に乗って歌われる。
鐘が鳴り、そのあとはゆったりとしたテンポとなる。
最後チェロの音が残り、次の楽章に続く。

第4楽章「自殺者」(アダージョ)は、
チェロ独奏の伴奏に乗ってソプラノ独唱により、
アポリネールの詩に基づく歌が歌われていく。
やがて伴奏に弦楽合奏も加わるが、そのあともチェロ独奏が、
ソプラノ独唱に絡んでいき、最後は消え入るように終わる。
第5楽章「用心して」(アレグレット)は、シロフォンの音と、
打楽器による行進曲風のリズムの中、ソプラノ独唱が歌う。
アポリネールの詩に基づく歌は、塹壕で死ぬ兵士を歌っている。
第6楽章「マダム、ごらんなさい!」(アダージョ)は、
バス独唱とソプラノ独唱が対話風に歌っていく。
アポリネールの詩に基づく歌で、ドラマティックである。
第7楽章「ラ・サンテ監獄にて」(アダージョ)は、
バス独唱によりアポリネールの詩に基づく歌が続く。
ここでもコントラバスなど低弦の音が効果的に使われる。
この音は監獄のイメージといっていいのだろうか。

第8楽章「コンスタンチノープルのスルタンへのザポロージェ・
コサックの返事」(アレグロ)も、アポリネールの詩に基づく。
弦楽器の鋭い音と、バス独唱により展開されていく。
第9楽章「おお、デーリヴィク、デーリヴィク」(アンダンテ)は、
キュヘルベーケルの詩に基づくもので、キュヘルベーケルは、
プーシキンの友人で、デーリヴィクも同じく友人であった。
デーリヴィクはデカブリストの乱に参加し、シベリアの流刑地で亡くなった。
弦楽合奏の序奏のあと、デーリヴィクに呼びかけるように歌われる。
最後のチェロとコントラバスによる五重奏が効果的である。
第10楽章「詩人の死」(ラルゴ)は、リルケの詩に基づくもので、
弦楽合奏の前奏に続き、ソプラノ独唱が歌って始まる。
ヴィブラフォンの音が途中で効果的に使われる。
第11楽章「結び」(モデラート)も、リルケの詩に基づくもので、
カスタネットと弦楽合奏の軽快な伴奏の上で、
バス独唱とソプラノ独唱が「死は全能」と歌って始まり、
盛り上がったところでトムトムが衝撃的に鳴り響いて終わる。

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