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ヘンク・バーディングスの交響曲第3番を聴く

2022-03-20 12:06:44 | 古典~現代音楽ベネルクス三国編
今回取り上げるのは1905年生まれのオランダの作曲家、
ヘンク・バーディングスが1934年に作曲した交響曲第3番である。
聴いたCDの演奏はダーヴィッド・ポルセライン指揮、
ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団のものである。
作品はメンゲルベルクに献呈されており、
初演は1935年5月2日にメンゲルベルクの指揮で行われている。
その後カール・ベームの指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団でも演奏され
彼の交響曲の中では演奏の機会が多かった作品となっている。
第一楽章アレグロはソナタ形式で書かれ、金管楽器が鳴り響く中で始まる。
緊迫感のある激しく荒々しい旋律であり、
そのあとの旋律は対照的に穏やか感じであるが、
再び荒々しくなり、展開部においてもその不安と緊張感は保たれていく。
1934年ヨーロッパのドイツではナチ党による血の粛清や、
ヒンデンブルク大統領の死などがあり、
そのような世相を音楽は反映しているかのかもしれない。
激しく荒々しい部分と静かであるが不安な部分が交互に現れ最後静かに終わる。
第二楽章スケルツォは、激しい音のあと弦楽器中心にフーガ風に展開される。
打楽器や木管楽器も加わり、激しさや落ち着かない感じが続き、
前楽章のような要素は引き継がれていき、金管楽器が鳴り響き、
弦楽器の旋律も打楽器や金管楽器にさえぎられたりし、最後は静かに終わる。
第三楽章アンダンテは、弦楽器の重々しい旋律で始まる。
沈鬱な感じであり、静寂な中でも何か訴えかけるものがある。
第四楽章アレグロ・アッサイは、ホルンの吹奏で始まるが、
弦楽器と金管楽器で勇ましい感じの旋律が奏でられる。
最後は金管楽器中心に盛り上がり最後不穏なまま突然終わる。

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