

吉永春子氏の追悼番組が、BS-TBSで7本の作品が放送されている。今日(8日)は3本放送されたが、なんといっても日本中が驚かされた、初めて取り組んだ人体実験の731部隊にメスを入れた、「魔の731部隊ーある傷跡ー」が放送されたのである。戦後30年ほどで関係者はもちろん責任者まで存命していて、吉川は果敢にインタビューをしている。この番組が放送されたのは、1976年である。森村誠一の、731部隊の実態を暴露しベストセラになった「悪魔の飽食」が出版される15年前である。
この番組は多分見たであろうが、ほとんど記憶がない。改めて見て驚かされたことがいくつかある。731部隊は最近の生体実験ばかりで放ったことである。中国人に罪状をつけて拘束し、”丸太”と呼び気が実験や凍傷の実験まで行っていたのである。更にはレントゲン照射を肝臓に行い、死亡の限界を確認していたり、チフス菌を入れたトマトを町にばら撒き、一般市民をもターゲットにした無差別殺人の実験行われていた。生体解剖(生きたままの中国人を解剖する)も行われていた。
一般軍人すら知らない時点で、終戦の直前に”丸太”を全員殺害し施設を爆破している。実験データーは要人が持ち出し、戦後アメリカに石井四郎が提供している。朝鮮戦争で使われた痕跡すらある。
アメリカに資料を提供することで、731部隊の要人たちは東京裁判などで裁かれることもなく、戦後のうのうと生き延びて医療関係者は大学の医学部などの要職についている。
戦争に科学は加担し利用される。科学者にとって実験動物より人体実験の方が、よほど正確で実用的なデーターが得られる。戦争は科学から理性をも奪い取る。そして戦後も彼らは国家に貢献した人物として、時には公に時には秘かに高く評価するのである。731部隊によって殺害された中国人の数はいまだに不明である。日本は謝罪はもちろんのこと事実関係すら認めるに至っていない。真珠湾で寛容を誇示して見せたが、もっと先にやらなければならないことが沢山ある。
番組はCMを入れずに紹介され、TBSの誠意が感じられた。来週もう二本放送される。吉川氏の冥福を祈りたい。
他方、日本人の方もアメリカの原爆で虐殺され人体実験された。原爆投下については、天皇含む日本上層部とアメリカとの間に彼らの命を保障するとの事前の手打ちがあったというのが通説である。彼らの命と引き換えに日本人同胞多数の命を犠牲にしてアメリカに原爆実験させたということなのである。
結局、戦争では力強い方が様々な残虐な殺人や実験を「弱い者に対して」するということなのである。
だから、我々庶民にできることは、どんな戦争にも絶対に反対し続けるということのみだ。戦争はそれを企む奴らやそれにつるみ金儲けする資本家らのためでしかないのである。
ほとんどの日本人はこうした蛮行を知らないか忘れるか、忘れたふりしています。その中には日本会議も含まれます。いや、日本会議はこの731部隊の存在そのものを否定しています。特に現政権は日本会議そのものでしょう。
真珠湾で胸張っている場合か、731部隊を思い起こせと言いたい。
40年前の番組というより、終戦後30年の番組は存命する関係者の話がとてもリアルです。
違う事が一つ。戦後処理でドイツはユダヤ人虐殺を納得いくまで検証していく姿勢を見せている。片や日本はどうだろう南京虐殺事件 慰安婦問題・・・何時までたっても屁理屈をこねまわし日本には罪がないような態度を押し通している。72年経っても遅くはない世界に向かって大変な間違いをしたと頭を垂れるべき。